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【小説】センター・ビット⑨
お互いに削っていくが、ブルに入らずに苦戦していた。
9ラウンド目。俺の番が回ってきた。
残り30点。15ダブルを目がけて投げた。
「タタッ」13ダブル。
「えぇ……」
15を狙ったはずなのに、そんなところに飛んでいくか?
と半信半疑になっていたが正真正銘、ダーツは13ダブルの真ん中に刺さっていた。
続いて相手が投げた。残り55点。
「カチッ」5シングル。
「パーン」シングルブル。
呆気なかった。逆転負けしてしまい、2レグ目の501へ。
負けた方が先攻だったので、俺が先攻である。
1ラウンド目。投げた。
「パーン」シングルブル。
「パーン」シングルブル。
「パーン」シングルブル。ハットトリックで大幅にリードした。
続いて相手の番。投げた。
「バンッ」ダブルブル。
「パーン」シングルブル。
「パーン」シングルブル。ハットトリックで返される。
2ラウンド目。俺が投げた。
「カチッ」3シングル。
「カチッ」19シングル。
「カチッ」7シングル。ハットトリックの後のノーブルはしんどかった。
続いて相手が投げた。
「パーン」シングルブル。
「カチッ」2シングル。
「カチッ」4シングル。ワンブルで若干リードされた。
3ラウンド目。俺が投げた。
「パーン」シングルブル。
「パーン」シングルブル。
「タン」ミス。
どうやら3投目はボードに当たってはじかれてしまった。アンラッキー。
相手が投げた。
「パーン」シングルブル。
「パーン」シングルブル。
「パーン」シングルブル。2回目のハットトリックで、早速上がり目が出た。
4ラウンド目。
「1回戦で負けて帰りたくはない」と俺は自分自身に言い聞かせ、ダーツを投げた。
「カチッ」1シングル。
「カチッ」8シングル。
「カチッ」11シングル。またしてもノーブル。どうやらプレッシャーは味方してくれないようだ。
同じく相手も投げたが、ノーブルでまだまだ俺にチャンスが回ってきた。
6ラウンド目。俺が投げた。残り99点。
「タタタッ」19トリプル。残り42点。
「タタタッ」11トリプル。残り9点。
「タタッ」9ダブル。惜しかった。上がり切れなかった。
続いて相手が投げた。残りの点数は俺と同じく99点だった。
「タタタッ」19トリプル。
「タタタッ」14トリプル。しっかりと上がった。
人生初のハウストーナメントはボロ負けだった。
ビリヤードでは成果を収めることができたのに……。
この悔しさが、俺のダーツのやる気をさらにヒートアップさせた。
「どうしたら勝てるようになるんだろう」