部下のホメ方〜「逆自力三角褒め」を使え!
一般的に、部下は叱るよりもホメる方が伸びると言われています。
古典的名著『人を動かす』の著者であるデール・カーネギー氏も「批判によって人間の能力はしぼみ、励ましによって花開く」と書いています。
とはいえ、なかなか人をホメるのって、難しいですよね。私の場合は、ホメようとしても、部下を前にすると、なかなか良い言葉が見つからないのです。しかも、お世辞のように白々しく聞こえてしまうことが怖くて、ホメることができない。全くのダメ上司でした。
でも、あるとき、必ずしも自分の言葉でホメる必要はない、ということを知りました。
例えば、私のようなホメ下手には、「三角褒め」が有効と言われています。これは、部下のA君に対して、「営業部長のBさんが、A君は営業センスがあるって言ってたよ」というように、第3者の言葉を相手に伝えるやり方です。
自分の考えはさておいて、他人の言葉で相手をホメるため、他力本願的なスタイルです。
でも、残念ながら、これでは自分の想いを部下へ伝えることはできません。ではどうしたらよいか? 私は上司から、画期的な方法を学びました。彼はホメ方の達人だったのです。
その上司は、部下をホメるタイミングを熟知していました。そのタイミングとは、部下をお客さんのところへ連れて行ったときです。彼は、お客さんの前で、部下のことをいつもホメていたのです。
例えば、こんな感じです。
「彼はですねえ、とても勉強家でしてね。英文のライティングは社内一なんですよ」
ちなみに、この「彼」とは、私のことです。(すみません、不要な情報でした)
私は思いました。
「そうか、本人に向かってホメるのではなくて、第3者(お客さん)へ向けて、部下をホメてあげればいいんだ。これならできる!」
このホメ方は、「三角褒め」とは異なります。特徴は以下の通り。
①「三角褒め」が他力なのにたいして、自力でホメる。
②「三角褒め」では、ホメる方向が本人へ向かっているが、このホメ方は第三者に向かっている。(逆方向)
私はこのホメ方を、「逆自力三角褒め」と名付けました。
これを使えば、部下を秒殺できます。
(これは逆十字固め)
(これは三角絞め)
あっ、すみません。総合格闘技の技を紹介するコーナーではありませんでした。
「逆自力三角褒め」の話です!
このホメ方、効果バツグンなんです。ホメることにより部下のやる気を引き出すだけではないんです。
部下はお客さんを前にしてホメられたわけですから、その期待を裏切るわけにはいきません。よって部下は、お客さんの期待に沿うよう、さらに努力をするモチベーションを保つことができるんです。
ねっ、いいでしょ、これ。「逆自力三角褒め」をあなたの必殺技に!