フォロワーにゆだねよ ! 「ムーブメントの起こし方」
リーダーになるためには、資格や肩書は必要ありません。部長や役員になるためには、実績や社内試験が重視されますが、リーダーは誰でもなることができます。
リーダーになるための条件を一つ揚げるとすれば、それは「フォロワーをつくる」ことです。フォロワーがいなければ、リーダーにはなり得ません。ですから、いかに役職が高くとも、その下にフォロワーがいなければ、名ばかりの部長や課長となってしまいます。
ソクラテスにはプラトンというフォロワーがいました。坂本龍馬には海援隊がありました。アントニオ猪木には、藤波辰爾や長州力がいました。みんな、フォロワーがいたからこそリーダーになり得たのです。
さてここで、フォロワーがいかに大切かということを端的に示したTEDの映像を紹介しましょう。
スピーカーのデレク・シヴァーズは、独立系ミュージシャンのためのオンラインCDストアであるCD Babyの創設者です。(シンガーソングライターのジャック・ジョンソンもデビュー当時、CD Baby からリリースをしていました)
わずか3分程度の映像ですが、とても説得力があり面白いですよ。
いかがでしたでしょうか?
この映像で、デレク・シヴァーズは、3つの教訓を述べています。
1.最初にリーダーが勇気をもって立ち上がり、嘲笑される必要がある。
2.最初の何人かのフォロワーを対等に扱うことが大切である。
3.バカをリーダーに変えたのは、最初のフォロワーである。
最初のフォロワーの功績はリーダーのそれに勝るとも劣らない。
これらの教訓を、組織改革を目指す会社に当てはめてみましょう。
まず、リーダーがこれまでの慣習や常識を打ち破る組織改革を行うことを社員へ呼びかけます。リーダーはいままで誰もやろうとしなかったことを着手しようと、自ら勇気をもって立ち上がります。
しかし、その改革は、これまでの会社の方針とは真逆のため、社員から賛同を得ることができません。一部の社員からは嘲笑されてしまいます。
しかし、リーダーの考えに賛同する社員がひとり現れました。そのフォロワーは他の社員をこの改革に巻き込むため声を掛けます。すると、2人、3人と活動に賛同する社員が現れていきました。
リーダーはこれらのフォロワーを対等に扱います。それぞれの意見に耳を傾け、活動の方針を打ち出します。活動は次第に広がり、フォロワーの下にさらにフォロワーがつき、やがてムーブメントを引き起こします。このようにして組織改革が完成します。
ここで重要なのは、最初のフォロワーの功績です。リーダーは、最初に行動を起こすことにエネルギーを使いますが、ひとたび1人目のフォロワーが現れれば、そのフォロワーに権限を委ねればよいのです。
リーダー自ら、すべてをやろうとしてはいけません。あくまでフォロワーを大事にして、彼らにうまく立ち回ってもらうのです。ですから最初のフォロワーの存在価値は大きくなります。
デレク・シヴァーズも、「本当の運動を起こそうと思うなら、(フォロワーは)ついて行く勇気を持ち、他の人達にもその方法を示すことです」と動画で述べています。
さて、リーダーのあなたには、フォロワーがいますか? そのフォロワーは、第2、第3のフォロワーを巻き込んでいますか? あなたにとってのプラトンや長州力をつくりましょう!