顧客の要望に逆らって世界No.1になった会社
世の中にはいろいろな会社がありますが、顧客の要望に逆らって世界No.1になった会社があるんです。
小型モーターのシェア世界No.1のマブチモーターです。
マブチモーターが製造しているモーターの用途は多岐に渡っています。
🔵 自動車電装品
🔵 電動ドリル
🔵 電動歯ブラシ
🔵 携帯電話のバイブレーション機能
今でこそ、自動車から生活用品まで幅広い用途で製造を行っている会社ですが、創業初期は、おもちゃ用のモーターが主力でした。
おもちゃメーカーからは、「こんな大きさで、こんな形のモーターを作ってほしい」という依頼がきます。
マブチモーターでは、顧客の要望に応じ、それぞれのおもちゃに合わせたモーターを個別に製造していました。
ところが、注文が増えるにつれて、2つの問題が発生しました。
・商品数が増えて製造工程が複雑化
→手間とコストがかかる
・クリスマスシーズンに注文が殺到する
→不良品が発生してクレームがおきる
マブチモーターは、この問題をどうやって解決するか悩み考えました。そして、一大決心に至ります。
それが・・・
顧客の要望通りのモーターを製造することをやめる。
だったんです。
つまり、顧客に次のような提案をしたのです。
「当社では、この大きさでこの形のモーターを標準品として製造します。ですから、貴社のおもちゃをこのモーターに合わせてもらえませんか? そうすれば、高品質で安いモーターをご提供させていただきます」
しかし、おもちゃメーカーは、この提案に対して、なかなか納得しません。「部品メーカーが、偉そうに何を言ってるんだ!」
社内からも、反対意見がでます。
「こんな提案を続けたら、お客が逃げてしまう」
それでも、社内の意思統一を図り、地道に顧客を説得する作業を続けました。
すると次第に、理解を得られるようになったのです。同時に、高品質と低価格の評価も高まります。
努力の結果、マブチモーターは、品質向上とコスト削減を実現しました。これによって、世界No.1シェアへの階段を登り始めたのです。
この事例から、あなたは何を学びますか?
「顧客の要望に応える」ことは、正しいこととして認識されています。しかし本当に必要なのは、「顧客が気づかない新たな価値」を提案することです。
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