おバカだけど心に残る映画 その3 郷愁の「中条文映」
私の生まれ故郷である新潟県中条町(現在は胎内市)には、かつて映画館が1館だけ存在していました。
「中条文映」という映画館です。
田舎町の小さい映画館でしたので、常時なにかを上映しているわけではなく、夏休みや冬休み期間だけ上映をしていたと記憶しています。
小学生の頃、終業式当日に映画のチケットが全生徒へ配布されます。そして、親からお小遣いをもらい、友達と一緒に中条文映へ足を運びます。それがとても楽しみでした。
売店でお菓子を買って、友達と一緒に胸をときめかせてスクリーンに見入ったものです。
スクリーンの中では、ゴジラが火を吹き、キングギドラが空を飛び、ザ・ピーナッツがモスラの歌を歌っていました。
そんなスクリーンをところ狭しと暴れまわる怪獣に夢中になっていた頃です。
小学校へ行く途中に「中条文映」の前を通りかかった私は、上映予告映画のポスターを目にして、愕然としました。
そこには、由美かおるさん主演映画『同棲時代』のポスターが貼ってあったのです。
(えっ!・・・怪獣映画じゃない!)
(何これ?)
(同棲!?・・・読めない・・・)
しかし、私にとっては、同棲などという文字はどうでもよかったのです。
当時、小学生だった私のつぶらな瞳に焼き付いたのは・・・
尻!
お尻!
けつ!
おけつ!
臀部!
・・・・・でした。
それからしばらくの間、ランドセルをしょった私は、中条文映の前を通りかかると、このポスターを横目で眺めながら歩きました。しかも、できるだけゆっくり歩いたことは言うまでもありません。
しかしながら、現在に至るまで、私はこの映画を一度も観たことがありません。なぜなら、私にとってこの映画は、このポスターこそがすべてだからです。それだけで、もうお腹がいっぱいです。
「おバカ(な私)だけど心に残る映画」です。
時代が変わり、
今ではお尻を見ることができません。↑
嗚呼、昭和よ・・・。
※「おバカだけど心に残る映画」その1・その2はこちらから
↓ ↓ ↓
その1『アマゾネス』
https://note.com/stssiye/n/n3b90e495edaf
その2『変態家族兄貴の嫁さん』
https://note.com/stssiye/n/n6364042f96ea