木崎剣一くんに語ってもらった
今日は自分の作品のキャラクターに一人語りしてもらいます。
私がキャラクターを掴むための作業です。
一人語りしろと言われたので、自分のことについてつらつらと語っていきます。
おれは、いや、ぼくは東高校に通う高校2年生です。名前は木崎剣一。得意なことは文章を書くこと。だからなのか新聞部に所属しています。ただ、新聞部で活躍するためには、文章が書けるだけではだめだということに薄々気づき始めています。
ぼくは以前から、自分だけの役割が欲しいと思うようになっていました。なぜか。それが自分の居場所を確固たるものにすると思ったからです。
両親は海外でNGOに所属しています。今日も自分が知らない誰かの手助けをしているのだと思います。そんな父がよく言っていたのが「剣一にしかできないことがある。それをしっかりやり遂げろ」という言葉でした。
その言葉に従っている時期はありました。しかし気づけば、実際のところは自分以外でも事足りる役割ばかりの世の中。そう思うと所属するクラブや部活などから距離を置き、やり遂げることなく転々とするようになりました。つまり、自分の居場所が定まらない状態というわけです。
そういったわけで、今所属する新聞部でも、これは自分の役割ではないのかもしれないと思うようになり、そろそろ潮時かな、と。
ただ、いつもは所属から離れることに何も感じてはいないのに、今回新聞部を退部することの決心がなかなかつかない。そんな状況です。
あー、その理由か。
あまり認めたくないですが、居心地が良かったからかな。部員は自分を含めて三人。
部長の伊部里花さんと普久原雅志くん。本来は敬称は付けて呼んではいないです。今だけです。
伊部は先輩なき部を良くまとめてくれています。仕事は投げ出さないし意見をしっかりと聞いてくれる。彼女がいるから自分は好き勝手な文章を書けるのかもしれない。
雅志はおれの意見を否定せずに飲み込んでくれる。自分の悪い癖ですが、おれはよく彼の意見を否定してしまいがちです。しかし彼はそんなことしません。まあ、ぼくが否定しても「そう言うと思ったよ。でもね……」と対抗意見を述べて納得させるのが上手い。
そう、二人のこと、嫌いじゃないんですね。
だからちょっと、二人のもとから去るのが、心に引っかかるものがあるというか。上手く言葉にできないです。
まあ、自分がいなくても、二人が困ることはないと思います。困ることと言ったら、自分がいないせいで命の危険が迫ることくらいでしょうが、そんなこと滅多に起きませんしね。
長く話しすぎました。もう終わりでいいですよね。終わります。
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