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サンバイザーラジオ
私は今でも、あの夜の胸の高鳴りを、忘れることができない。
M1が終わり、胸も顔も熱くなって、ふつふつと湧き上がる言葉にできないもどかしい気持ちを抱えながら、布団に潜り込む。
みんな、みんな、情熱で、溢れていた。
眠気なんて、襲ってくるもんか。
余韻が止まることはなかった、というより、止めたくなかった。
そう、みんな凄かったんだ。
みんな、みんな。
そんな中で、私はランジャタイという芸人の虜になってしまった。
彼らは、敗者復活戦で、「欽ちゃんの仮装大賞」というネタをした。
国崎和也の言っていることは、訳が分からないのに、その情景が頭の中に浮かんできて、どんどん引き込まれてしまった。
こんな感覚は初めてだった。
訳が分からない、でも、とんでもなく、面白い。
これこそが本当のお笑いなのだろうか、、、。
全てが終わり、感動のフィナーレ。
トロフィーを持ったマヂカルラブリーが輝いていた。
テレビを離れて自分の部屋へ向かう。
頭の中は
「ランジャタイ」
「ランジャタイ」
「ランジャタイ」
・・・。
布団の中でGERAラジオというアプリを入れた。
ランジャタイで検索し、出てきたのは
「サンバイザーラジオ」。
イヤホンを付ける。
再生する。
どんなお便りがきてもまともに答えない国崎和也に、なんなんだ!とおもいつつも笑いが止まらなかった。
夜中に布団の暖かさを感じながら、1人で笑いを堪えるその時間が、楽しくて、ワクワクして、眩しくて、夢を見ているようだった。
トークの宝だった。
私の、宝物になった。
ずっとこの時間が続けばいい。
そう思った。
そんな私の思いも叶わず、サンバイザーラジオは終わってしまった。
せめてアーカイブとして残しておいてほしかったが、全て、しっかり、この世から消えてしまった。
今となっては幻のラジオを、「聴きたい!」と求める声が、今でもランジャタイファンの中で飛び交っているように思える。
ついこの間、ランジャタイもういっちょも、YouTubeから配信されなくなると発表があった。
本当に面白いものはこの世から消えてしまう運命なのだろうか?
あの夢の続きを、私は見たい。
今年のM-1後の夜は、ぽんぽこラジオを1から聴きなおす夜にしようかと思う。もしかしたら急に消えてしまうかもしれないから。
それとも、またあの日の衝撃の再来を与えてくれる芸人を見つけて、私の胸が高鳴るようなコンテンツに出会えるのだろうか。
いつまでも、衝撃を、待っていたい。