この世でいちばん最高の卒業式と最強の入学式
私立恵比寿中学のライブはいつも、見終わった後しばらく目と脳みそがチカチカする感覚に襲われる。
演出の豪華さや衣装の鮮やかさは勿論あるのだろうが、メンバー達のパフォーマンスの気迫が観客の私たちに強く迫ってきているための結果なのであろう。
幕張メッセで開催された、柏木ひなた卒業式とNew Style 大学芸会もまた、エビ中のストイックさをここぞとばかりに見せつけてきたライブだった。
私のエビ中歴は長くない。
初めてワンマンライブに行ったのは去年末の大学芸会だし、しっかりハマるまでは「かほりこ」は「薫子」という一人の人物だと思っていたし、柏木さんが髪型を変えるたびに「この人は誰だ!?」となっていた。
ココユノノカのオーディション辺りからリアルタイムで追いかけはじめて今に至る。ので、柏木さんは「BOSS」な印象が強いし、安本さんはちょっと怖い…シン・EVERYTHING POINTを見た後に、自分が安本さんに説教される夢を見てしまったのだ。安本さん、ほんとごめん。
エビ中を推し始めてまだ2年足らずだが、まやまさん(ラジオで乙女ゲーについて語ってる姿に惚れた)とののかまる(大変愛くるしい)を緩やかに推しながら、エビ中をのんびりと応援していたのだった、のだが……
柏木ひなた卒業式
「なないろ」で始まって「仮契約のシンデレラ」で終わるライブってあるんだなあ。
最初から最後まで柏木ひなたフルスロットル!という感じで、ずっと「うわああ、私いま私立恵比寿中学のライブを見ている〜〜!!」と興奮しっぱなしだった。
序盤の「紅の詩」は、ひなたさんの冒頭「ライズなう!」の巻き舌が大層カッコよかったし、終盤の「Family Complex」〜「自由へ道連れ」〜「イート・ザ・大目玉」〜「HOT UP!!!」の流れはこれぞエビ中!という曲の連続。人生で一度は生で聞いてみたいエビ中曲(自分調べ)のフルコースで、ありがたや〜なむなむ、と手を擦り合わせてしまう気分だった。
「自由へ道連れ」は、以前に聞いた時よりもココユノノカのパートが増えていて驚いた。新体制になるまでは歌割りはもう変えないものだとばかり…
「星の数え方」はいつも聞くたびにハモリの美しさにうっとりとするのだが、この日のハモリは過去一美しいハモリだった。
本編最後の「スーパーヒーロー」は、そういえばエビ中の曲でも最初に好きになって買った曲だったなあ。
特に染み入ったのは「宇宙は砂時計」。
メンバーが椅子に腰掛けながらしっとりと歌い上げたこの曲は、私がエビ中でも特に大好きな曲で、聞き込みすぎて唯一歌割りまで把握してしまった曲だ。
エビ中ライブにはそこまで密に通えていないこともあり、生歌として聞くのは恐らくこの日が初めてだった。
あのパートを、美怜ちゃんが、柏木さんが、心菜が歌っている…!と今まで脳内で何度も何度も再生してきた曲を初めて聞くような、一方で追体験しているような不思議な心地に包まれた。
まやまさんの二番目の歌詞「いつか見た夢と 離れ離れになっても」の部分、モニターに大きく映し出されたまやまさんは哀愁というか諦念というか、そんな感情が表情に出ていて大変美しかった。一体何を考えながら歌っていたんだろうな。
また、ののかまるの「誰も僕を知らない場所 過去も未来も白紙でも」のパートが大変大変大好きなのだけれど、これを生で聞くことができて感無量です…。ののかまるの発する「白紙」が美しいのよ…。
柏木さんが一人トロッコに乗り客席全てに手を振り続ける姿、舞台の中央でスポットライトを浴びながら手紙を読み上げる姿、12年間アイドルをやってきた人というのは、そういった主人公然とした姿がとても似合うのだなあ、とぼんやり思った。
何千人、何万人といった人の視線を感じながらしっかり自分を保ち続けるのって、並大抵な精神力ではできないよなあ。
トロッコの上で全開の笑顔だった柏木さんは、まさに「アイドル」だった。
アンコールの一番最後に披露された「仮契約のシンデレラ」の大円満感よ!
着実に準備して迎える卒業ライブって、こんなにも爽やかで清々しいんだなあ。
そしてこのライブでいちばん衝撃だったのはののぴの成長っぷり。
生のライブで見るのは約半年ぶりだったのだが、細っこくて幼さのある容姿が、いつの間にか中性的な感じというか、妖精的というか、宝塚の男役さんのような…。女子校に通っていたら「小久保先輩ファンクラブ」ができてもおかしくない、そんな雰囲気に変化していたのだ。
「たまげる」というのはこういう時に使うんだなあ。ほんと魂が吹っ飛びそうだった。
私がりるあちゃんにぞっこんで一挙手一投足に私が惚れ込んでる間に、当たり前に同い年のゆのぴも変化を続けてるんだなあということに気付かされ、そしてこの感情の名前を私はまだ見つけられない…。
ゆのぴ、ゆのぴ…。
エビ中新体制ライブ
そして翌日。
どんな曲が来てもわーっ!となるし、どんな歌割りでもわーっ!!となる気しかしない。
そして何より、昨日ゆのぴに感じたこの気持ちを確かめねば…そんな決意を心に持ちながら昨日ぶりの幕張メッセに訪れた。
そんな私の気持ちを横から張っ倒す勢いで来たのは、1曲目「未確認中学生x」の最初のフレーズを堂々と歌い上げる新メンバーのエマユナだった。
そこから低音ビブラートをかっこよく見せてくるゆなちゃん…
「仮契約のシンデレラ」で契約を迫ってくるゆなちゃん…
「売れたいエモーション!」で「ばり好いとおよ♡」をかましてくるゆなてゃん…
どうやら自分は福岡の女の子に弱いらしい。
昨日の「Family Complex」からの流れに真っ向から立ち向かうかのように始まったのは、エビ中9人時代に出された新曲たち。
「ハッピーエンドとそれから」〜「新未来センセーション」〜「イヤフォン・ライオット」(今まで見たイヤライの中でいちばん好きだった!)〜「Bang Bang Beat」と明るい曲調が続き、まさに新体制!といった雰囲気とこれからのエビ中を体現するような気迫に溢れていた。
「青い青い星の名前」を歌い上げながらまやまさんが言った言葉「みんなのこと、真山が幸せにしてあげる!」は私たちを包み込んでくれた。
本人は碇ゲンドウか!と言っていたが、私はまやまさんがまどマギのまどかのように感じられた。
まやま…あなたは救済の女神か…
「禁断のカルマ」のココユノノカはセクシーオブセクシーだった。
ののかまるのエレガントさよ!ここなさんがボスなら、ののかまるはラスボスだなあ。そしてその優雅さを携えながら最後に椅子を投げた姿は、もう…!
そして、ゆのぴ!!ゆのぴの小久保柚乃セクシーにどストレートにやられてしまった。ゆのぴに甘噛みされたい、ヴァーンパーイアー。
「ラブリースマイリーベイビー」でトロッコに乗って会場後方に移動するメンバー達。
場内カメラでモニターに映される彼女達はちょうど逆光になっていた。
写真の撮り方を調べる中で、人物写真は原則逆光NGだがライブ中のアイドルの逆光写真は物語性があってそれはそれでアリ、という記事を先日読んだ。その時は「はー」と思ったが、トロッコの上で逆光で照らされたまやまさんの姿をモニターで見て、「はー!!」と強い説得力が襲ってきた。確かにこれはエモエモのエモだ。
どの曲にも通ずるのだが、この日のメンバー達は、柏木さんが最後に言った「最新のエビ中が最強のエビ中」を体現することに熱量を捧げていたように感じる。
特にこの時のまやまさんが、歌詞の副音声で「これが今のエビ中だ!!」と聞こえるような勢いで、プレッシャーをも捻り潰すような気迫で歌っているように思えて、この日のまやまさんにがっつり魅了されてしまったのだった。
アンコールの「ボイジャー」は、柏木さんからエマユナに手を差し伸べるMVのシーンから始まり、今日確実に新体制にバトンタッチが行われたのだなあ、と明るい船出を見たのだった。
エビ中の気迫をこれでもかと見せつけられた2日間。強い余韻に頭をクラクラさせながらも、明るい未来への予感にワクワクしながら、次のライブでは何色のペンライトを振ろう…としばらくの間は悩むことになるであろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?