会社つくってみた
子どもの頃に漠然と思っていた「社長」になる!という思い。
形を問わなければ、そんな夢も叶えることができる。
だから会社をつくってみた。
このページは何か
副業でマイクロ法人(社長1人で運営する会社)を立ち上げていく過程の備忘録です。ただし、一般的な、個人事業主と比較して税制メリットを享受するための法人設立ではありません。その辺りは後述しています。
設立に際し何をしたのか、気になった観点、調べても分からなかったり分かりにくかったこと、TODOなど、振り返りのために取り止めもなく書き留めていく場所です。
1ページにまとめきれないボリュームになってしまったため、項目別にまとめていきます。本ページは「会社設立に動く前の情報収集と検討事項」についてです。
会社設立に動く前の情報収集と検討事項
会社設立を目指す誰かの役に立ってほしい、という程の思いはありません。(もちろん、何かに役立てば嬉しいですが)
そのため、内容の正確性は保証できません。
というか、現在進行形ですし、むしろ誰かに正確性を保証してもらったり、指摘・修正してほしい気持ちでいっぱいです。
なお、現時点では個人や会社名などは特定できないように具体的な内容の記載は控えています。
……文字文字しさを緩和するべく、情報量ゼロの挿絵を入れて清涼剤にしてみました。自分で書いた文章でも、挿絵が入るだけで読み直しやすくなる不思議。
そう言えばShutterstock経由で購入した素材が、実は無断転載の著作権侵害物でした→非のない利用者が炎上、みたいな事故を見てると、素材のコレクションサイトは怖くて使えませんね。
という訳で、いらすとやさん、ありがとうございます。
拙い文章ですし、読む際の前提知識なども自分基準になってしまっています。会社設立に向けた情報収集を目的とされている方には、より有益で整理された記事が多くあると思われるので、そちらを参照ください。
私は自己開示が苦手なので、本来は思考過程や試行錯誤した内容はプライベートなメモアプリに収納したくなりがちです。
しかし、今後求められるであろう自身の客観視やアウトプット力向上、開かれた自分を形作るためのトレーニングとしてnoteを用いることにしたため、このページは見てもらうためのものというより、見られても良い程度に体裁を整えたメモ、というイメージで捉えてください。
会社設立の目的
一般に、会社設立は、信用力にレバレッジをかけて資産や規模を拡大し、それらの投資によって利益を得るための手段、と理解しています。
しかし自分は、会社を設立しなければ実現できない事業への夢、というものが容易に描けません。人を巻き込むことに、現実味が帯びないのです。
要は、複数の従業員の生活に責任を持つ、という絵を想像した瞬間に恐怖が押し寄せ、何かあっても自分ひとりの責任で完結できる範囲でしか身動きが取れなくなるのです。
そのため、会社員として事業推進したり、組織マネジメントをしたりすることはできますが、個人事業主でも単独で行える範疇でのものにしか取り組んでこられませんでした。
少なくとも現時点で、会社を設立しなければ成し遂げられない夢、資産管理や節税などの目的があるわけではありません。
もちろん、粗々ですが事業計画やビジョンを込めた会社名について、問われれば一定の言語化をすることはできます。
ただ、心の奥底を深ぼっていくと、設立目的は理性的なものではなく本能的なものに近いです。
『「会社」を所有し、一気通貫で経営・運営を体験したい』というものです。
『「会社」を所有し、一気通貫で経営・運営を体験する』ためには、仮に既存の企業において社長業を担えたとしても実現困難で、自ら会社を立ち上げるしかない、あるいはそれが最短手段である、と考えました。
本来手段であるはずの「会社設立」が、やりたいことに目的化した状態です。
これは、あまり厳格な目的思考に捉われすぎず、エフェクチューション的な行動様式に従ってみようと思った感じです。いやこれエフェクチュエーションなのか分からないですが。
そしてマイクロ法人でスタートするならば、最悪、資本金を全て失うかもしれないリスクテイキングも、自らのリスク許容度を鑑みて受忍できると判断しました。まあ、株式投資でも無茶をしなければ投資額がゼロやマイナスになることはほぼないので、楽観視しています。
一応、会社設立に伴う副次的な狙いもあります。
個人の目標として、自分の興味ある分野の事業や企業の経営戦略を担えるようになりたい、という思いがあります。
自身が会社経営をすることで、そのために必要な知識や経験を、自分ごととして得られるのではないかと考えています。
会社設立に動く前の情報収集と検討事項
副業可否の観点
まず私は、とある営利法人の従業員という立場にあります。
設立した会社と雇用契約を結ぶわけではなく、経営者になるとしても、それが副業として許容されるかという観点があります。
今勤めている会社では、二重雇用は就業規則で禁止されていますが、副業については一定条件の元で認められています。
基本的には副業を含めた総労働時間が、会社の定める健康管理時間を超えないという制約を守る必要があります。
個人事業主との比較観点
すでに個人事業主で活動していると、法人化したときに何が変わるのか気になります。自分も全てを詳細に把握しきれていません。
会社を設立すると法人格という法律によって定められた人格が新たに生まれるので、個人の延長線上にある個人事業主とは本質的に異なるのですが、概ね以下の整理で理解しています。
個人事業主との比較観点 - 責任範囲
個人事業主は、した借金を支払えなくなっても責任を負い続ける
借金返済が行えなくなると自己破産する他に手がなくなる
法人の種類によって、出資者には有限責任と無限責任があるが、有限責任会社であれば倒産時でも自分の出資額を超えて責任を負わない
なお、中小企業は融資の際に経営者個人が会社の連帯保証人となることが慣例というか暗黙の了解とされていたが、2023年4月からガイドラインが制定され、ちゃんと経営されているなら金融機関は個人保証なしの融資を検討することが期待されるようになった、とか
個人事業主との比較観点 - 税金
法人
法人税 (国税)
資本金1億円以上または800万円超の所得の場合、23.2%
資本金1億円以下の中小法人(資本金5億円以上の大法人の子会社等は除く)が800万円以下の所得の場合、2025年3月31日までの間に開始する各事業年度分の税率は15%
所得がない(赤字の場合)は法人税はゼロ
法人住民税
法人事業税 (地方税)
資本金1億円以下の普通法人の場合、所得のうち
年400万円以下の金額 3.5%
年400万円を超え年800万円以下の金額 5.3%
年800万円を超える金額 7.0%
法律によって(健康保険法第3条、厚生年金保険法第9条など)社長1人だけの法人事業所でも社会保険の加入義務がある
ただし、創業当初に役員報酬が極めて低額だったりゼロだったりする場合、社会保険料を徴収できないため、そもそも社会保険に加入することができないらしい
義務はあるのに果たせない、という状態にはなる
本業側で社会保険料を支払っており、生活費も工面できるため、役員報酬は当面ゼロとする
個人事業主
特別控除
確定申告で白色申告なら10万円、青色申告なら65万円の特別控除を受けることができる
社会保険は従業員5人以上で一定の業種を除き加入が義務付けられるが、4人以下なら任意
累進課税が適用される所得税によって納税する
個人事業主との比較観点 - 法人化目安
副業をしていても法人化した方が良いとされる目安は以下のようです。
前述の通り、節税目的で会社を設立する訳ではありませんが、一般的に有利になる目安については知っておきたい。
少額の売り上げならば、青色確定申告での65万円の特別控除だけでも十分個人事業主の方が有利です。
というか、今回役員報酬ゼロで起業するので、個人事業主で副業していた時よりも総収入は減ることになります。
なお、法人は設立時にかかる費用に加えて、赤字でも法人住民税均等割の7万円を支払わなければいけません。
個人事業主との比較観点 - 廃業
なんらかの事情によって廃業する場合。念の為。
法人の場合:8万円くらい
解散・清算人選任登記:登録免許税3.9万円
官報広告:官報公告費用3~4万円 (文字数による)
債権者への告知のため。債権者がいない場合でも、告知しないと100万円以下の過料に課される恐れがあるとのこと
登録免許税:2,000円
個人事業主の場合:届出のみ
廃業後の残資産については、株式会社であれば1株あたりの金額を定めることで株主に分配し、合名会社、合資会社、合同会社などの持分会社の場合、株主はいないので出資者で分配し、出資者が複数いる場合には、それぞれの出資割合で残余財産の分配を確定するのが一般的とのこと。
設立する会社の種類
今回の目的に沿って法人を立ち上げる際に、以下の選択肢がありました。
営利法人
株式会社
一番有名
有限責任
会社を所有する株主と業務執行者が分離されている
会社法により、取締役をおく必要があり、代表権がある取締役は代表取締役と呼ばれる
設立者1名、資本金1円から設立可能
設立にかかる費用は電子定款なら18~22万円程度
登記費用:最低15万円から
定款の認証手数料:3~5万円
定款の謄本:2千円程度
決算公告の義務があり、破ると100万円以下の過料に課される恐れ
手間もかかるので慣例で公告していない中小企業も多いらしい
株式非公開の会社は定款で取締役の任期を最長10年まで延長可能
取締役、会計参与、監査役、会計監査人は任期満了時に新任や再任、退任や辞任の変更登記が必要
登録免許税は資本金が1億円までであれば1万円
合同会社
2006年5月1日改正の会社法施行で設立可能になった会社形態で、アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルにしている
有限責任
会社を所有者と業務執行者が一体になっている
会社法により、出資者は社員と呼ばれる
代表取締役などの役員は存在せず、会社の代表者は代表社員
一般的な意味合いの社員に相当する人は「従業員」と区別される
設立者1名、資本金1円から設立可能
設立にかかる費用は電子定款なら6~7万円程度
登記費用:最低6万円から
定款の認証手数料:不要
定款の謄本:2千円程度
社員の任期の定めはない
出資を伴う社員の追加による登録免許税は、資本金が1億円までであれば1万円
最初から株式会社を設立するより総費用が安くなるが、変更にかかる期間が約40日要する
株式会社設立登記の登録免許税:3万円
合同会社解散登記の登録免許税:3万円
官報公告費用:3~4万円
合資会社
有限責任の出資者と無限責任の業務執行者からなる会社。最近ではあまり選ばれない会社形態らしい
合名会社
出資者全員が無限責任の業務執行者からなる会社。合資会社同様、最近ではあまり選ばれない会社形態らしい
普通型一般社団法人
非営利法人の「非営利」というのは「ボランティア団体」「報酬や給料を受け取ってはいけない」「儲け主義はダメ」などの意味ではなく、「余剰利益を構成員に分配してはいけない」という意味。つまり、株主配当のようなことができないだけで給与も役員報酬も一般企業並みに支払うことが可能な上、事業内容に制約もない。非営利型ではない一般社団法人の場合、税制メリットもなく利益分配できない以外はほぼ株式会社と同じぽい
解散時に残余財産を公益団体に贈与すると定めている社団法人や、収益事業を行なっていない社団法人などはこちらに分類され、サービスを対価としない会員からの会費が課税されないという収益事業課税になる
会社設立の目的に最も合致する合同会社を選択することにしました。
決算公告の義務がないこと、設立費用が安いこと、後から株式会社に変更可能であることからです。
設立に2名必要な社団法人や無限責任が生じる合資会社・合名会社は候補から外れることで、基本的には株式会社と合同会社の2択でした。
役職名は会社法に定めがある代表社員となります。
株式会社で用いられる代表取締役と名乗ることはできません。
ただ、会社内で定めた役職名である社長やCEOなどとは自由に名乗れます。
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概ね、ここまで情報収集と検討を進め、自分としてはようやく会社設立に向けて動き出すことができます。
いや、事業計画は……?というツッコミがありますが、詳細な事業計画を描きすぎるのは絵に描いた餅になるため、まずは期末の決算時に税引後当期純利益がプラスになることを目指し、税引後当期純損失を回避するという目標だけ定めておくことにしました。(言い訳……?)
実際の設立作業関連は他ページにまとめます。