バービー
ストーリーオブマイライフを作れたグレダガーウィグが、
バービーをテーマに撮るとのことで気になって見に行った。
後から聞くと、どうやら主演のマーゴットロビーが企画を、グレダに持って行ったと聞いたのと、
脚本のクレジットにはグレダのパートナーであるノア・バームバックが参加していたので、
マーゴットはこの夫婦に描いて欲しいとのことで持っていったのだろう。
なんせ、ノア・バームバックは、
あの『イカとクジラ』や『マリッジストーリー』を作った監督なので、、
実際バービーにはかなり手厳しい内容に溢れていた。
ケンが現実世界でバービーランドとは違い、現実に溢れる男性社会を経験したケンが、
現実世界で「俺は医者になれないのか?男なのに?」と勘違いを周りから諭されたにも関わらず、
バービーランドにその曲解したマスキュリズムを持って帰る様など、
様々な”界隈の仕草”として、とても優秀な演出だと思った。
この辺はノアの映画に非常に似ているので、
実は男性目線からの男ってクソだな!って指摘と思うと結構面白い、、。
的な感じで、割と女vs男やフェミニズム映画と思われがちな本作だけど、
そこで止まらずに実は回り回ってフェミニズムさえも、
この映画は批評の対象にしていることに気づかないといけない。
バービーが現実世界である人物との出会いから、
悲しみや老いさえも、その世界の豊かさであり、美しさであると気づくシーンや、
彼女が最後に選択する行動など、実は現在のジェンダー闘争に問いを投げかけた映画だった。
( N.T )