フロイド以外みんなリドル♀が女の子だと知ってた話し
「金魚ちゃん雌なの!!?」
ずっと大好きであった相手であるリドルとお付き合いを始めたばかりのフロイドは、リドルの胸を制服の上から触りながらそう叫んだ。
初めてリドルに部屋に招かれ良い雰囲気になったので押し倒すと、フロイドの手に男ならばある筈のない膨らみが触れた。先程股間もズボンの上から触ったのだが、そこには何も無かった。
「ボクは男だなんて一度も言ったことはないよ」
「だってここ男子校じゃん!」
「ボクぐらい優秀だと性別なんて関係ないんだよ」
フロイドの下から抜け出しふんと鼻息荒くそう言ったリドルの姿は、少年にしか見えないものであった。しかし、リドルは少女であったらしい。
「それで何もせずに帰って来たんですか?」
意気地なしだとアズールは言いたいのだろう。
「だって、金魚ちゃんのことずっと雄だと思ってたし。アズールは知ってたの?」
「僕だけじゃなくみんなリドルさんが優秀な為この男子校に入学した唯一の女性だってことを知ってますよ。知らないのはフロイドぐらいじゃないんですか。てっきりそれを知っていてリドルさんを追いかけ回していたんだと思っていたのに、まさか知らなかったとは」
「追いかけまわしてねーし。それに、金魚ちゃんが雄とか雌とか関係ないし。金魚ちゃんだから好きになったんだし」
フロイドがアズールに少し前に知った事実を話しているのは、モストロ・ラウンジの奥にあるVIPルームだ。オクタヴィネルに戻るなりフロイドは、そこで仕事をしていたアズールの元まで行った。
「そうですか。それをちゃんと本人に伝えたんですか?」
「言ってねーけど」
「だったらちゃんと言った方が良いですよ。リドルさんを勘違いさせてそうですから」
勘違いさせるような言動など取っていないと思ったのだが、男だと思っていたから自分と付き合ったのだ。女だと知ったので何もしなかったのだと彼女に思われてもおかしくない事にフロイドははたと気付く。
「アズール、あんがとうっ! 金魚ちゃんのところ行ってくる」
「ちゃんと誤解を解くんですよ」
「結婚式には呼ぶから」
「気が早過ぎますよ。最高の友人代表のスピーチを読んであげますから」
気が早過ぎると言いながらも、頼まれてもないというのにアズールは友人代表のスピーチをするつもりになっているらしい。そんな彼にどっちが気が早いんだと思ったフロイドであったが、リドルの誤解を解いてオクタヴィネルに戻るとアズールに友人代表のスピーチを頼んだ。
なんやかんやあってセックスもまだだしまだ学生であるが、リドルと結婚する事になったからだ。
「誰が本当に結婚しろと言った」