詫びアナル

「詫びアナル……?」
 真剣な面持ちでそう呟いたリドルの視線の先にあるのは、スマホの画面だ。寮の部屋でマジカメを見ていたリドルは、ハーツラビュルの寮生だと思われる者たちの気になる会話を見付けた。
『オバブロしたら詫びアナルしないといけないってルール寮長知ってんのかな』
『詫びアナルってなんだよ。笑う』
『相手は誰でも良いから、オバブロしたらアナルでおちんちんに詫びないといけないってルールだよ。お前も知らないのかよ』
 詫びアナルなんてものが存在している事を自分も知らなかった。アナルでおちんちんに詫びないといけないというのは、肛門を使った性交渉を同性としなくてはいけないという事なのだろう。
 もう自分がオーバーブロットしてから一ヶ月以上が経過している。その詫びアナルというものを直ぐに誰かにしなくてはいけない。しかし、それをするには相手が必要となる。まずリドルが思い浮かべたのは、ハーツラビュルの寮生だ。
 ハーツラビュルの寮生に無様な姿を見せるなど絶対に避けたい。寮長の威厳を失ってしまう事になる。ハーツラビュルの寮生が駄目ならば誰が適任だろうか。無様な姿を見せても良い相手。嫌われても良い相手……。そう考える事によって、リドルの中にある人物が浮かぶ。



「そんな訳で、詫びアナルをボクにさせてくれないか?」
 リドルの話をぽかんとした顔をして聞いているのは、オクタヴィネルのフロイドだ。
 何故か自分に絡んで来て嫌がらせをして来る相手。そんなフロイドにならば嫌われても問題は無い。そう思いリドルは、詫びアナルをする相手としてフロイドを選んだ。
 悩むような様子へとフロイドがなった事により不安になっていると、彼が明るい笑顔になる。
「いいよ♡」
 これでルールを守る事ができる。フロイドが詫びアナルをさせてくれる事になりその事に胸を撫で下ろしていたリドルは、彼が「金魚ちゃんマジ面白えー。どう考えても冗談じゃん」と思っている事に気が付く事は無かった。
 そう、勿論詫びアナルなどという頭のおかしいルールが存在する筈が無い。冗談を真に受けてしまったリドルがその事を知ったのは、フロイドにたっぷりアナルでちんちんに詫びた後だ。

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