もう旅行終わったけど朝早いから海へ山へと出かけます
早朝に目的地着→暇
「ご乗車ありがとうございました。まもなく終点の東京です。どなたさまもお忘れものなどなさいませんよう云々…」
昨夜出雲市駅を出発した寝台特急「サンライズ出雲」は定刻通り朝7:08に終着の東京駅に到着しました。中国地方の乗り鉄旅もこれで終わりです。
ところが僕は上りのサンライズに対して物申したいことがありまして、それは「もうちょっと遅く東京駅に着いてもらえないかね」というもの。
19時前に出雲市を出発しているなら7時台に東京駅に着くのは自然なことではあるのですが、寝台列車にしては早すぎないかねと度々思うわけです。
本来ならば東京駅到着をもって旅は終了、さっさとお家に帰るのが筋なのですが、このように朝早く到着されると家に帰っても暇暇暇というものです。
今日も一日暇。どうせ真っ直ぐ家に向かうくらいなら、ちょっと近場を巡ってから帰ろうと思います。旅を終えてもすぐさまどこかに行こうと思うこの思考回路は旅好きの人にしかありません。
それではしばし、僕の放浪にお付き合いくださいませ…。
18きっぷで未乗車区間を巡るべ
以前バラを見に行った記事でもご紹介しましたが、僕たちは「乗りつぶしオンライン」という路線ごとの乗車済み区間を記録するサイトを利用しています。今回は近場でまだ走破していないところを巡っていこうと思います。
午後からバイトというとち狂った予定のあるRさんとお別れし、一旦改札を出たのち持っていた青春18きっぷで再入場します。近場とはいえ、色々と巡る予定なのでしっかり一日分の元は取れるでしょう。
下りの東海道本線に乗り、先ほど通った道を遡ります。目指す先は川崎です。
都心に近い“秘境”、鶴見線
サラリーマンでごった返す川崎駅。人波を掻いくぐって南武線に乗り換え、お次は一駅先の尻手(しって)駅を目指します。
勘の良い方は僕がこれから南武支線、果ては鶴見線に乗ろうとしているなと考えるでしょう。その通り。尻手からは南武支線に乗り、その終着・浜川崎駅からは鶴見線に乗ります。都心に近い“秘境”にこれから踏み入るのです!
浜川崎駅で鶴見線に乗り換え、目指すは扇町駅。なんじゃその駅は?と思う人が大多数でしょう。そもそも鶴見線は京浜工業地帯の工場勤めの方の需要が強いため、用のない人は滅多にやってきません。
鶴見線は、線路が途中で3つも分かれている面白い路線です。それはこの路線が元々貨物線だったという歴史があるからです。線路は工業団地を張り巡らすように敷かれています。
今回はこの3つの終着駅全てに訪問します。ダイヤが少なく、しかも平日朝夕にしか需要のない路線ゆえ、全線走破を果たすのが大変難しかったのですが、今回は青春18きっぷを持っているので無敵です。
最後に訪れた海芝浦駅はマニアでなくても人気の駅となっています。理由はホームを降りた瞬間に目の前に広がる海です!!
ホームすぐ横に広がる湾と、背後に広がる工場群がいい雰囲気を醸し出しています。多くの人が注目するのも納得の景色です。
海芝浦駅は東芝の入り口と直結になっているため、我々部外者は一歩も外に出ることは許されません。ではどうするか?そんな時のために、とっておきの場所が用意されているのです。
この公園は、海芝浦駅を訪れた部外者のためにホーム先に用意されたパブリックスペースです。ベンチから海が見えるので、時を忘れて眺めを楽しめます♪
※ただし電車のダイヤは念頭に置いておきましょう。乗り遅れたら笑えません。
気が変わったかのように今度は山へ
晴天の海はいいもんですね〜。さ、今度は山へ向かいます!!
「おいおい、いきなり山かよ?」ですって?ふふふ、これぞ放浪ってやつです。
鶴見へ行き、再び東京駅に戻って今度は中央線に乗車します。立川駅で青梅線に乗り換え、青梅駅にやってまいりました(めちゃくちゃ省略で申し訳ございません)。
青梅は昭和レトロをウリにしており、青梅駅の構内には昔懐かしの映画ポスターを模した絵が飾られています。
青梅線はここで終わりではありません。終点の奥多摩駅まで乗りつぶします。お昼ご飯を買い込み、いざ奥多摩行きに乗車。10両から4両になりましたが、座席の余裕はありました。
それにしても、たった2時間ほどで海沿いから山中に変わるとはすさまじいことです。
以前Rさんがここから鍾乳洞へ行きましたが、僕はすぐに折り返し列車に乗りました。ここに来る途中で「いいスポット」を見つけたんですね〜。
※Rさんが書いた記事はコチラ
多摩の豊かな川と酒
折り返し列車に乗りまして、沢井駅で途中下車します。ここが「いいスポット」の最寄駅です。
駅前にある急坂を下る途中、タンク群を見つけました。これは「いいスポット」に関係する(多分)ものでございます。沢井駅で降りた時点で、どこへ行く気か分かった方もいらっしゃるんじゃないかしら。
それでは正解を発表します。僕がやってきたのは「清流ガーデン澤乃井園」です!!
ここは東京・多摩を代表する酒蔵・小澤酒造が運営する、清流と日本酒を楽しめる楽園のような施設です。ここにきて、テラヲ大好き日本酒の登場です!!
「澤乃井」とは、小澤酒造の展開する日本酒ブランドの名で、ここでは澤乃井をはじめとする小澤酒造の酒の試飲・購入が行えます。無論、今日は試飲をしにやってきたのです、ふふふ。
「きき酒処」で早速試飲へ。2杯買ったのですが、飲んだものは忘れてしまいました。うまければそれでいい精神。お猪口は5勺(90ml)で、持ち帰りできます。次回これを持っていけば、全品100円引きになるのでおトクです。
途中でつまみも購入して、おいしくいただきました。日本酒はアルコール度数が高いので、酒に慣れてもすぐ回ってしまいます。水戸の二の舞にならぬよう、途中途中で水を飲みましたが。
酒を飲んだあと、すぐ横にある渓流を見に行きました。この川の正体は、都会でもお馴染みの多摩川です。都会ではだだっ広いイメージですが、上流ではこんなにも素晴らしい渓流です。
川ではライン降りをやっている人がいて、そっちもそっちで楽しそうでした。酒と川っていい組み合わせだなと強く思いました。
小澤酒造の酒蔵はここのすぐ近くにあります。酒蔵見学も行っているので、今度また訪れる予定です。その時もまたおいしいお酒をいただきましょう♪
さあ帰りましょう。あっ、あの坂を通るのか…。しかも今度は登り。酒飲み後には地獄の帰り道です…。
意外とスゴいぞ首都圏は
拝島で五日市線に乗り換え、終点の武蔵五日市駅に到着。これにて奥多摩エリアのJR線は完乗です。
駅の周りをぶらぶらしている途中、どこか見覚えのある河原を発見。
「あっ、小さい頃家族とよく来たバーベキュー場だ!!」
10年以上も昔の思い出の地を偶然発見し、エモい心地になって帰路に就きました。いやぁ懐かしいなぁ、岩から川に飛び降りるのが怖くて…。
それにしても、朝から半日首都圏をぶらついてたわけですが、随分と満足した放浪になりました。山あり海あり酒あり…、首都圏もなかなか面白いではありませんか。
「お出かけ」「旅行」と言うと、どうしても我々は、どこか遠いところを目指してしまいがちですよね。でも一旦立ち止まってみてみください。今日僕が見てきたように、首都圏のあちこちには面白いものがいくつもあります。暇な半日を、素晴らしい冒険に変える素質が首都圏の端々にはあるのです。
ぜひ皆さんも暇を見つけたら、遠くではなく、近くのどこか知らない場所へ行ってみてください。きっとステキなものに出会えるはずです!!
《おしまい》