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予想外の出会いと発見が詰まった冬の鉄路で網走へ【連載2025冬12】

【前回の記事】

早起きして向かう先は・・・

3週間にわたる旅行も、早いもので今日が折り返し地点。5時50分に飛び起き、ネットカフェのトーストとポテトを慌てて胃袋に放り込んで、本日は旭川よりスタートです。

旭川駅に来るとラッセル車が。石北線の雪をかいてきたようです。

ただちに列車に乗り、向かうは留萌線の現在の終点・石狩沼田駅です。

石狩沼田駅ではきっぷを購入したいのですが、発行にはいかんせん時間がかかります。列車で行ってしまうと折り返し時間が15分くらいしかなく、発行に間に合わない可能性があるので、深川からバスで列車よりはやく行くことにしました。

雪をかぶってなんもみえん。

30分ほどかかり、石狩沼田駅に到着。小さな駅ですが、きっぷ売りは沼田町に委託されていて、きっぷを買うことができます。そのためだけに、バス代¥650を払ってやってきたのです。

ところが。

今日は14日。

はい、休み。営業時間はホームページに書いてあるのですが、「不定休」とされていて、実際にいつ休業なのかはどこにも書いてないのです。つまり来てみないとわからんという状態。

ひどいといえばひどいのですが、これもまた様々事情があるものと推察します。

まず廃線が近いということ。
留萌線深川〜石狩沼田間はきたる2026年6月をもって廃線となることがすでに決まっていて、きっぷの在庫が切れているかもしれないのです。実際、グッズ類には品切れが発生していました。

もうひとつはマニアの存在です。
廃線が近くなると、鉄道マニアが殺到します。きっぷも買い漁っていきます。中には態度がよろしいとは言い難い人も出てくるわけです。そりゃあ鉄道マニアでもない(かもしれない)沼田町の出札担当の方からするといい印象は持たないでしょう。きっぷ売りという、たいして興味のない仕事をしているのに、興味津々のマニアに変なことを要求されたり言われたりしたら、誰だって嫌になります。

待ち時間1時間ほどで行けるような場所は特にないので、おとなしく駅で待機。

北海道にありがちな味のある駅。

ここでも駅ノートをしたためておきました。

不思議な縁

という経緯があり、きっぷを買えず、駅舎の中で呆然とたたずんでいたところ、これから東京に行くという地元の農家の方がおいでになり、いろいろとお話をしているうちに、私のきっぷ趣味の話になりました。

私が「きっぷを買いにきたのに窓口が閉まっていて買えなかった」と言うと、「買って送ってあげるよ」と快く言われてしまいました。なんという偶然。

思いもよらないお言葉に、ここはご厚意に甘えて、自宅の住所や私の電話番号をお伝えし、送っていただくことにしました。もちろんきっぷ代や郵便代プラスアルファくらいはきっちりお支払いします。ありがたい限りです。

その方は沼田で農家をやられている方で、8月末に行われるお祭りでご近所の農家の方と一緒に直売所を開くのだそう。これは行かなければなりません。

石北線特急「大雪」で西進

旭川からは石北線の特急列車「大雪」号に乗車。3時間20分かけて美幌まで向かいます。この日は吹雪のため、接続列車が遅れ、旭川を20分遅れで発車。3両編成で、指定席がうち2両しかつながっていないので、ほぼ満席です。

一昔前までは、183系という車が使われていて、グリーン車もつないだ編成でしたが、現在はなくなってしまいました。私はついに乗らずじまいでしたが、キロ182-7550番でも乗ってみたかったな・・・とついマニアっぽい発言が飛び出してしまいました。失礼。

特急「大雪」は来たる3月のダイヤ改正をもって、特急料金不要の特別快速「大雪」となります。

駅ビルのイオンでガソリンを調達し、先ほど深川で買ってきたそばめしをつまみに今日もスタート。当連載の数回前の記事にも書きましたが、深川市はそばの作付面積が、おとなりの幌加内町に次いで、全国第2位の街なのです。今回買ったそばめしのお弁当は、油で揚げたそばの実が入ったいなり寿司が入っています。それにしてもクラシック、最高。

旭川発車前にロング缶をのみほし、買い足しに行くという愚かな行動をしてしまいました。最初から買っとけよ。

旭川から3時間20分、美幌に到着。実に長いですが、峠を力強く超えていく特急列車に飽きることはありません。おまけに給油してうとうとしていればあっという間なのです。ここで後続の普通列車に乗り換えとなります。

完璧に私好みの駅。よき。

投宿

本日の宿は「呼人旅館」。格安旅行者にとって網走での宿といえば「民宿 ランプ」とここでしょう。「民宿 ランプ」は某鉄道旅行系YouTuberが宣伝しまくったおかげで宿泊者が押し寄せ、予約がいっぱいになっていました。

今夜の宿泊費は1泊¥2,000(+冬季のみ暖房費¥600)と超破格です。ネットカフェより安いってどういうことだ。

この旅館は終日無人となっていて、宿の方は普段すぐ横の「松尾ジンギスカン 呼人支店」にいらっしゃいますので、チェックインもこのお店の中で行うシステムになっています。

ぼちぼち夕食の時間ということで、食べるものはもう1つしかありません。羊です。

「ラム肩」をオーダー。

今日は昼から飲んでいるのでビール1杯で満足。あとは焼酎に移行してだらだら。

飲み終わったら隣の建物に移動して寝るのみ。きわめて簡単です。

部屋に戻ってすぐ寝る、わけはありません。リスタートです。

セイコーマートオリジナル焼酎。セコマってこういうニクいオリジナルドリンクを出してくるんですよ。いやな奴ですよね。つい買ってしまう。許せん。

明日は観光列車に乗って釧路まで至る予定です。それではおやすみなさい。

【次の記事】


今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは。

〈執筆:R〉

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