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健康維持増進・運動療法関連

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健康経営や企業内における健康維持増進活動に関する考察、高齢者に対するロコモティブシンドロームの予防を目的とする運動療法などに関する考察をしています。
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#加齢

糖尿病患者のロコモティブシンドローム予防について(有料)

これまで糖尿病の予防や治療にはウォーキング等の有酸素運動が効果的であるとされていました。 有酸素運動は確かに糖尿病の予防、改善効果が高く、日常生活における身体活動量が減り糖の処理量が減ってきている現代社会においては積極的な有酸素運動を行って、摂取した糖の処理に努めなければならないといえますが、近年では、ウエイトトレーニングも糖尿病の予防、改善に有効な運動であることが明らかにされています。 糖尿病とウエイトトレーニングに関しては以下の記事も参照下さい。 また、最近ではロコ

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高齢者の体力レベルについて考える

これまで多くの先行研究によって高齢者の体力に関する報告がなされていますが、その多くが寝たきり予防、転倒及び転倒に伴う骨折予防という視点に基づくものであるといっても過言ではなく、そこで捉えられている体力はLawtonによって報告された「人の活動能力の諸段階(Lawton, 1972)」から考えると「機能的健康度」ならびに「身体的自立」に相当し、人間として必要とすべき最低限の体力であるといっても過言ではありません。 「身体的自立」に必要な体力は、いい換えれば介護を必要としない体

加齢に伴う骨格筋量の減少ならびに筋力の低下と筋細胞内水分量の関係

多くの先行研究によって加齢に伴い骨格筋量ならびに筋力が低下することが明らかにされ、特に加齢に伴う筋力の低下は骨格筋量の減少が要因であるとされていますが、近年、筋力の低下が骨格筋量の減少よりも2倍~5倍大きいことも報告されており、加齢に伴う筋力の低下は「骨格筋量の減少以外の要因」によるところが大きいかもしれないとされ様々な研究が行われています。 ところで、骨格筋は単一の要素から成り立っている訳ではなく、骨格筋細胞、細胞外区画、筋内脂肪の3要素で構成されていると考えられています