寅さん観察日記#46「寅次郎の縁談」

第46作 1993年12月25日 男はつらいよ 寅次郎の縁談
マドンナ:松坂慶子、城山美佳子

冒頭は夢シーンではなく、旅の途中で花嫁行列に出会うというもの。
オープニングのキャストで、渥美清、倍賞千恵子に次ぐ3番手で吉岡秀隆の名前あり。おお。

満男が就職で苦戦中。気が付けば男はつらいよもバブル崩壊後の就職氷河期に突入している。
就職活動やら色んな事が嫌になっちゃって家を飛び出す満男。
反抗期も多分に入っている。

寅さん、16で家出して20年帰らなかったと本人の口から説明あり。
具体的な年齢設定としては初めてじゃなかろうか。

満男の家出問題についてとらやで作戦会議である。どうやら満男は瀬戸内海の島にいるらしい。
久々のとらやファミリー集結の図。寅さんの口上も絶好調である。ケンカはなし。
前作でとらやのプレゼンスの無さが気になったけど、今作では少し復活してホッとした。この風景がやっぱり安心するなぁ。

柴又では、久々に冬子さんがちらりと登場。御前様の娘さんだ。何十年ぶりの登場か。

寅が満男を探しに瀬戸内へ向かう事に。
島で伸び伸びやってる満男。寅さんよろしく、島の看護婦さんあやちゃん(城山美佳子)と仲良くなっている。
寅さんが島へ到着。満男が居候になっている家の娘さん(松坂慶子)と出会ってひと目で惚れる。恋物語の始まりだ。

松坂慶子さん、二度目だったか。以前は大阪編で出ていた。
今回は別の役どころだけど、同じ人って設定でも面白そうだなぁとちょっと思ってしまった。

柴又ではとらやの前を釣りバカ西田敏行さんが通りかかる!コラボだ!
この頃は釣りバカ日誌と二本立てだっけ。懐かしいなぁ。(筆者、初期釣りバカ日誌は全部見てたファンであります。)

金比羅参りを楽しむ松坂慶子さんと寅さん。大阪編とは打って変わって熟年夫婦のようないい感じである。

監督が徳永英明のファンなのかな。それとも満男のテーマソングにしているのか。
前作から要所要所で掛かる。

満男も寅さんもフラれたという体を作りつつ、女性をフッて島を出ていく。罪な男たちである。
こりゃ二人とも結婚は無理だよ、と思わせた所でいつもの正月映像でフィニッシュ。

満男の相手が泉ちゃんでない事に寂しさを覚えた作品だった。
満男がどんどん寅さん化していく。

そういえば御前様が最後まで出てこなかった。柴又の会話で出てきたのみ。
もしやと思って調べてみたら、笠智衆さん、この年の3月に他界されていた。
前作でさくらと談笑しながら源ちゃんに頭を剃ってもらっていたのが最後のシーンか。
御前様、今まで楽しい場面をたくさんありがとうございました。

ロケ地:香川県
(劇中では琴島という地名で出てくるが架空の島らしい。どうしても分からずロケ地を検索してしまった。悔しい。撮影はいくつかの場所に分かれていたようだ。)
主題歌:キーG。定番録音。

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【寅さん観察日記】
男はつらいよの第一作目を見て、寅さんが頭の中の印象よりも随分と粗暴な性格で驚いた。そこでいつ頃から皆に愛される寅さんへと変化していったのかに興味が湧き、一作目から順に見ていくことにした。
あらすじ紹介が目的ではない。
順に見て思った事、雑感を書き連ねていく。順に見なければ分からない感想が紡ぎ出せればと思う。

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