寅さん観察日記#29「寅次郎あじさいの恋」
第29作 1982年8月7日 男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋
マドンナ:いしだあゆみ
夢シーンはスズメのお宿の話。
これって古典落語だよね。雀がアニメーションで描かれていたりして、新しい感じ。
(夢シーンって書いちゃったけど夢から覚める描写は特になし)
京都で人間国宝級の陶芸家の先生に出会う。
生活用品の茶碗を焼くじいさんと勘違いしちゃうのはお約束のパターンながら、今回は早々に偉い先生と判明。でも信じない事にする寅さん。
いしだあゆみさん登場。低くて静かな喋り口が色っぽいな。
寅さん、カガリさん(いしだあゆみ)を追いかけて丹後へと移動。
カガリさんからの夜のアプローチをスルーして勝手にヘコむ。
もうこの人は一生結婚できないだろうなぁ。
寅さんはカッコ付けてるけど恋に臆病っていうキャラなのか。ここまで見てきてようやくキャラ設定が分かったよ。
今まで筆者は妄想恋愛モンスターという感じで見ていた。スキあらば狙ってるのかと。
寅さん、映画スタートから1時間してやっととらやへ帰還。
いきなり恋煩いで寝込む。
御膳様が病気と勘違いしてお見舞いを持ってくるが、
「いつだってあれは朦朧としとる。」
他、いくつかの切れ味鋭い言葉を残して去っていく。
こんなシュールな人だっけ(笑)
とらやではタコ社長とおばちゃんがタンゴを踊りだす珍しいシーンあり。
寅とタコ社長がケンカを始めると、おいちゃんが「頑張れ社長!」とタコ社長を応援。
柴又シーンではちょいちょい小ネタギャグが放り込まれている。
すぐ、今度は満男を拉致して鎌倉へと出掛ける。
鎌倉でカガリさんと再会するが、緊張しちゃっていつもの調子が出ない寅さんにガッカリカガリさん。
「寅さん、いつもの調子じゃなくてつまらないわ」とセリフで言わせる辺りにも、脚本でキャラ設定に踏み込むチャレンジを感じる。
そして今回はほぼ地方を転々としてロケ地で話が進む。
そういえば最後までマドンナがとらやの居間に上がらなかった。
これは始まって以来じゃないか。
あちこちでマンネリを打破しようとトライしているが、個人的には少し不完全燃焼感も残る回だったかな。
ロケ地:信州、京都、丹後(宮津)、彦根城
主題歌:キーG。
1番の後すぐに曲がフェードアウトし、寅さんの芝居が入ってくる。小芝居が終わると2番に続いてすぐに終わり。全く新しい構成だ。
オープニングが江戸川の土手じゃないのも初じゃないか?帰宅してない故に出来るパターンだ。
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【寅さん観察日記】
男はつらいよの第一作目を見て、寅さんが頭の中の印象よりも随分と粗暴な性格で驚いた。そこでいつ頃から皆に愛される寅さんへと変化していったのかに興味が湧き、一作目から順に見ていくことにした。
あらすじ紹介が目的ではない。
順に見て思った事、雑感を書き連ねていく。順に見なければ分からない感想が紡ぎ出せればと思う。
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