寅さん観察日記#37「幸福の青い鳥」
第37作 1986年12月20日 男はつらいよ 幸福の青い鳥
マドンナ:志穂美悦子
冒頭の夢シーンは幸せの青い鳥を探しに探検に出る寅さん&さくらファミリー。
最初に少し萩城が映ったけど、なんかこんな風景を以前にも見たような。。(と思って後から調べてみると、第29作で彦根城が映っていたのでたぶんこれのデジャヴだ。)
萩から柴又へ電話を掛けて、「ぼちぼち帰る」と言ったそばから九州に渡っちゃう寅さん。
古い炭鉱町・飯塚で昔馴染みの役者を尋ねるが既に亡くなっていて、その娘さん(志穂美悦子)と再会する。
ひょっとして、と思いながら見ていると、やっぱり過去作の旅先で何度も登場している一座の事だ!
この娘さんも小中学生くらいの感じで出ていた。あの子だ。
この一座の事をもう一度見てみたいと思っていたのでとても嬉しかった。
坂東何とか一座というような名前だったはず。今回はその名前は出てこず。あの旅一座、ここから全国に出て行ってたのかと思うと感慨深い。
一座がホームとしていたという地元の立派な芝居小屋も登場。
寅さんがこの炭鉱町を離れる際に、この娘さんが見送りに来る。
あの茶色いカバンの中から青い鳥のオモチャを出して娘さんにあげる。
このカバンから商売ダネが出てくる所を初めて見たぞ!
東京に出てきた志穂美悦子さん。長渕剛と出会う。
またカップルの誕生なのか。男はつらいよ、すごいな。
おいちゃん「しらねぇよ〜おれぁしらねぇよ〜」
寅さん「さくら、横になるから枕出しといてくれ」
初期の懐かしいセリフも盛り込まれる。
旧来へのファンサービス的な作品なのかな。
志穂美悦子さん、柴又駅横の上海軒という中華料理屋で働くことに。
上海軒たぶん初登場。行ってみたいなぁ。
寅さん、この娘さんに一点のやましさもないととらやファミリーに宣言する。新しい展開だ。
タコ社長の工場から退職して地元に帰る若者。
満男は少しだけ親に反抗するようになる。
懐かしさを盛り込みつつ、時代が徐々に流れているのを感じさせる味わいのある脚本。
最後、柴又駅でのシーンは寅さんでもさくらでもなく、準主役の二人。
最後まで寅さんが脇役に徹した珍しい回であった。
男はつらいよが次のステージへ向かっているような、そんな印象を受けた。
ロケ地:萩、飯塚
主題歌:キーG。ここずっと同じの、安定の録音ものだと思われる。
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【寅さん観察日記】
男はつらいよの第一作目を見て、寅さんが頭の中の印象よりも随分と粗暴な性格で驚いた。そこでいつ頃から皆に愛される寅さんへと変化していったのかに興味が湧き、一作目から順に見ていくことにした。
あらすじ紹介が目的ではない。
順に見て思った事、雑感を書き連ねていく。順に見なければ分からない感想が紡ぎ出せればと思う。
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