寅さん観察日記#48「寅次郎紅の花」

第48作 1995年12月23日 男はつらいよ 寅次郎紅の花
マドンナ:浅丘ルリ子、後藤久美子

冒頭は夢シーンではなく、田舎の駅でポンシュウと二人で電車に乗ろうというだけの何気ない風景。
ポンシュウさんもずっと寅の旅に寄り添ったなぁ。

さくらが帝釈天を通りかかった時に手を合わせている。
御前様の顔が思い浮かぶ。

この映画は阪神淡路大震災の年か。
寅が神戸でボランティアをやっているのがテレビに写り、とらやの茶の間でファミリーが目にする。
泉ちゃん(後藤久美子)登場!数話ぶりだ。懐かしさすら感じるぞ。

泉ちゃん、岡山で結婚式を挙げることに。そこへ満男が突撃。
勇気を出したんだろうがもう少しそれ早く出せんかったか(笑)

奄美大島にてリリーさん(浅丘ルリ子)登場。
寅と生活を共にしていた。
そこへ失意の満男が島へ渡り、大集結。
島に渡る船の船長さんが田中邦衛さんだ。北の国からの親子が南国でまさかの共演。

寅がリリーとの出会いの場面を語る。
これを過去の映像を一切流さずに寅の語り口調のみでやってくれたのが粋で良かった。
寅が満男に引き際の美学を語るが、それを一喝するリリー。男にはハッキリと口に出して言ってほしい時があるんだと。
リリーさん、よく言った!
1時間半たった辺りで寅とリリーが腕を組んでとらやへ帰還。
みんなで出迎える。素敵な笑顔が溢れる。

おお!終盤で自転車に乗ってチリンチリンと現れるさくらさん!
ほんの一瞬だったけど懐かしい嬉しいシーンだ。
満男は泉と、そして寅の恋にも一応の決着がついた。

そして寅さんが全48作の最後に降り立ったのは神戸市長田区だ。
なんというエンディングか。
今まで日本を愛し愛され旅を続けてきた寅さんが、復興を願ってここに降り立ったんだ。
このエンディングを知らずにずっとここまで観てきた。
感動で打ち震えている。
この作品のエンディングというより、男はつらいよ全48作のエンディングである。

全48作見てきて良かった。自分の人生が少し豊かになった気がする。

ありがとう、寅さん。
ありがとう、渥美清さん。

ロケ地:岡山県津山、奄美大島、神戸市長田区
主題歌:キーG。前作と同じ1/4音ほど下がったバージョンと思われる。

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【寅さん観察日記】
男はつらいよの第一作目を見て、寅さんが頭の中の印象よりも随分と粗暴な性格で驚いた。そこでいつ頃から皆に愛される寅さんへと変化していったのかに興味が湧き、一作目から順に見ていくことにした。
あらすじ紹介が目的ではない。
順に見て思った事、雑感を書き連ねていく。順に見なければ分からない感想が紡ぎ出せればと思う。

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