寅さん観察日記#41「寅次郎心の旅路」
第41作 1989年8月5日 男はつらいよ 寅次郎心の旅路
マドンナ:竹下景子
平成元年作品だ。シリーズもいよいよ平成を迎えた。
冒頭は夢シーンではなく、さくらがお兄ちゃん(寅さん)に出した手紙を読むシーンから。
倍賞千恵子さんの声で始まる男はつらいよ、何だか品が出て良い。
さくらたちの家が変わっている。
引っ越したかと思ったがそうではないようだ。撮影の都合かな。
旅先(北海道)で出会ったのはマドンナではなくノイローゼになって会社を無断欠勤しちゃったサラリーマン(柄本明)。
自殺しようとするところをなだめてるうちに懐かれちゃってなぜだか一緒にウィーンへ旅行する事に。
こういう、他人への面倒見の良さ。
寅さんが愛され続ける所以はズバリここにあるだろう。
今回のマドンナ竹下景子さんとはウィーンで出会う。
竹下景子さん、現地在住のツアーガイドさんだ。三度目の登場だったかな。
相変わらずお綺麗で嬉しいんだけど、ガイド役ゆえか服装は少し地味だ。もっと派手な洋服姿が見てみたかったような。
ウィーンの観光名所らしき風景がたくさん出てくる。一緒に旅行した気分になれてお得感アリ。
ドナウ川が江戸川の河川敷に見えてくるのは寅さんの絵力であろう。
ドナウ川を腹巻き雪駄履きスタイルで散歩。こうでなくっちゃ。
寅さんと出会うことで望郷の念にかられ、日本へ帰りたくなる竹下景子さん。
マドンナだけど寅さんとの間には恋愛要素はナシ。
代わりにノイローゼ気味だったサラリーマン柄本明さんが現地女性に恋をしてウィーンを大満喫。絶好調である。
対する寅さんは外国に飽き飽き。
日本にいる時と形勢逆転!
最後は竹下景子さんがとらやに上陸するのかと思いきや。。
ほぼ全編でウィーンロケ。とらやファミリーはほとんど出てこない。
新鮮ではあるけどちょっと物足りないかな。
(昭和天皇のご崩御で日本でドタバタ作品が撮りづらかった影響もあるのかも。)
柄本明さんの怪演は面白かったんだけど、寅さんが海外でやりたい放題の所をもっと見てみたかったぞ。
舞踏会には寅さんも連れて行ってほしかったし。この展開はせっかくのシチュエーションがもったいない気がする。
さくら役の倍賞千恵子さんが洋服に身を包んでウィーンを歩く姿なんてものも見たかったなぁ。
帝釈天の居住スペースの建物が近代的になっている。
満男はすっかり親の身長を越して大人の風情だ。
ロケ地:北海道栗沢、ウィーン
主題歌:キーG。いつもの。
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【寅さん観察日記】
男はつらいよの第一作目を見て、寅さんが頭の中の印象よりも随分と粗暴な性格で驚いた。そこでいつ頃から皆に愛される寅さんへと変化していったのかに興味が湧き、一作目から順に見ていくことにした。
あらすじ紹介が目的ではない。
順に見て思った事、雑感を書き連ねていく。順に見なければ分からない感想が紡ぎ出せればと思う。
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