【システマ】あーなるほどねーこういうことですか…(笑)矢地祐介選手の動画がいつもすげえ神回になる理由
システマコラボ最終回
先日やっちくんチャンネルでシステマコラボの最終回、第三弾の動画が配信されました。この動画、実は鳴り物入りで配信される前から「今回は神回」といわれていました。
「え~?」
そんなに事前にハードル上げちゃっていいの?そのアナウンスを聞いて多少不安になったのは正直な話でした。
で!動画が配信されたわけですがサムネイルの、ジークンドーの石井東吾先生の浸透勁(掌打)をシステマの北川さんが受けられるところがハイライトです。
まあどうだったかというと……実際動画を見ていただければ幸いだなと思うのですが
間違いなく「神回」でした!
みだりに神さまの名前を使ってしまって少し罪悪感がありますが、ついそう表現したくなるほどの面白い回だった。スパシーバ、スパシーバ!
動画のコメント欄も「すごい!」「面白い!」「神回!」という言葉が一番飛び交っていました。
それで自分なりになぜすごかったか、なぜおもしろかったかという事を考えてみました。
北川さんすげえ!
まずこの動画がバズった理由として北川さんのパフォーマンスがすさまじかったというのがあります。北川さんが東吾先生の浸透勁を受けられた時の受け方、これがめっちゃすごかったので、北川さんすげえ!システマすげえ!っていうことになったのです。
しかしその前に視聴者の「システマなんかよくわからねえ」みたいな空気があった。
これは前回までの動画を見ていて視聴者がそう感じているのをぼくも感じていて、それに関連するノートも書いて、北川さんからのアンサー記事までいただいたのでその動画コメントの空気はよく理解していました。
それが一気にひっくり返った、あら?システマって実際機能が高いのでは?この人ものすごいのでは?という流れになったので余計インパクトがあったのだと思います。
しかし個人的に北川さん最もすげえなっておもったのは、当初予定されていた流れ?では北川さんは東吾先生に打たれるのは想定されていなかったのではないかという事です。だからみなみかわさんが東吾先生に浸透勁を打たれて悶絶した後北川さんが「僕も受けていいですか?」と言い出した時に、明らかに現場に困惑した空気が流れていました。
矢地選手も「いいけども……」と歯切れが悪い(笑)うしろのデニスさんなんか不安そうだし(笑)周りの皆さんの表情やリアクションからもこの北川さんの申し出は相当予想外だったことがわかります。
完璧に外野の、単なるシステマオタクの自分の一感想ですが、この時様々な感情と思惑が撮影現場を駆け巡ったのだと思います。
もし、石井先生の浸透勁を受けて北川さんが南川さん以上にめっちゃぶっ飛んでしまったらどうなってしまうのか、とか。
もしそうなったら「システマ」ブランド的にどうなんだろうという配慮とか。
でも北川さんは普段と変わらない感じで「この流れだと俺が技を受けるのは自然だよね」みたいなことを言いながらむしろ周りの空気に流されることなく淡々と打たれに行くのです。まずここが極めてすごい。
北川さんが終始テンションを変えずに行動しているというのが個人的には一番やばいなって思いました。
実力を見せつけてやろうという感じもなく、展開や結果にたいする過度の予見もなく、まあやろうか~という散歩するかのような感じで東吾先生の前に立つ。もしかしたらつよい好奇心とノリもおありだったのかもしれませんが、それでも北川さんはオープンで気負わずカーム(しずか)な感じで行動されているように見えた。
自分がシステマをやっていて、多分そういうところの在り方がすでにシステマ巧者の方々の証拠だと思うんです。ちょっとよくいってることがわからなかったらごめんなさい。
それで北川さんは技を受けたインパクトの数瞬だけ「おお!」「おもっ」っという風だが、すぐ普通に戻っている。あまりに状態が変わらな過ぎて今度はすこし周りが引いてしまっている。むしろ北川さんがニコニコしながら気を使って感想を言う羽目になっている。それがかえってさらに周りを不安にさせている(笑)ここはめっちゃ面白かった。
システマの練習ではマジで様々な方法で殴られるのですが、打つ方も打たれる方も前後で感情の遺残が少ない。勿論殴打とともに様々な感情や意識が飛び交うけれど、なんかみんないろいろ普通に戻るのが速い。
直前にみなみかわさんが芸とはいえ技を受けた後大悶絶してくださった対比としてみても面白い(笑)北川さんは打たれて心理的、精神的な驚きや肉体的な衝撃を確かに感じてらっしゃったようですが、静かな状態に戻るのがすさまじく早かった。というよりはじめからずっと良い状態用意してそれを崩していなかった。そのまま東吾先生そのものを受け止めていたように見える。
セミナーで会ったとき、飲み会で飲んでいる時、オンラインクラスの時、ぼくの知っているどの時ともそう状態が変わらずに東吾先生のすさまじい技を受けていた。それもこの回の北川さんのすごいことだと思いました。
東吾先生は当然すげえ!
で!視聴者に北川さんやシステマのパフォーマンスが驚かれた説得力の背景に東吾先生の絶大なリアリティのあるパフォーマンスがあったというのがあると思います。
今回の浸透勁も北川さんが「爆発する」という表現をされていたように一瞬で全身から伝わった力と念が爆発する働きがすごかった。まだ自分は老眼ではないと思いますが、正直動きが全然見えませんでした。ジークンドーは表面的にはシステマと全く違う方向の動きなのできわめて興味深く見ていました。
東吾先生のことはYoutubeで見れるだけ見ていました。この人ほんとすさまじい武術家だな!肉体操作の次元がすさまじいな!誰であってもそう評価するのにためらいはないと思います。実際各格闘技選手のチャンピオンクラスの人たちから引っ張りだこで技や理合を教えていらっしゃるのは東吾先生の技の威力やジークンドーそのものが本物中の本物だからだと思います。
そして東吾先生のお人柄、それも極めてすごい。武術や格闘技に対してどこまでも真剣で誠実で勤勉であることも、これも誰が見てもわかると思います。一言でいえばオープンマインドだし、こだわりが少ない。確実に人に好かれる性格をしていらっしゃいます。プロフを見るとぼくと一つしか変わらないのにほんとにすごい人だなあと感心してみていました。
つまり、北川さんが驚きをもってヤッチくんチャンネルのフォロワーさんたちに受け止められた背景に、すでに鉄板ですごい武人であることの証明されている東吾先生の技を受け切った、というお墨付きがあったからであるのは疑いが持てません。
だから、東吾先生がいなかったらシステマに対してこれほどこの回でインパクトのある話になっていなかったのは明白です。
ヤッチくんチャンネルの面白さ
エキシビジョン的な、バラエティのノリを少し残しながらであっても各武術の有名人が激突する(あくまで話の作りとしては)というのはめっちゃくちゃ実現しにくいというのはガチの武術畑にいない自分にもよくわかります。
だって、当然お互い事情とかいろいろあるはずですので。
でもこの大Youtuber時代にヤッチくんチャンネルだけがこういう面白い企画をどっしどしできる理由はひとえに矢地祐介選手の懐の広さ、また繰り返しますがオープンなマインドのスタイルだからだと思います。
すでに有名で実力のある矢地選手は、他の動画でもあらゆる人に対してオープンに付き合っている。自分のチャンネルなのに「俺が俺が」という風に成果物を独り占めしない。かといって、へりくだって相手にへつらうことはしないし、忖度もしないが礼儀正しく、節度を保っている。さらに終始おだやかで笑顔にあふれている。
今回のよう武術家や芸人さんが自由に動き回って、ご自身がインパクトのある発言をしなくてもめっちゃくちゃ面白い配信に仕上がっている。武術系のファシリエーターとしてこんな仕事をしている人をちょっとほかには知りません。いや、武術や格闘技の枠を超えて、そういった人はなかなかいない。
だって普通みんな自分が出たがり、話したがり、やりたがるからです。スタイルがオープンであっても真にオープンマインドであることはとても難しい。みんな自分の関わる、いわんや自分が親となってやる仕事ならなおさら成果や過程を自分のものにしたがるのが世の常だからです。
矢地選手はご自身のチャンネルの驚異的な成果ですら出演者とその関係者にすべて還元しておられる。矢地選手の周りにいるとその人たちがまず幸せになる、だから雰囲気がいい、人に好かれる。
それが、どこまでもすげえ!矢地選手マジすげえ。
矢地さんは以前の動画で「システマはだいぶ器が深い」とおっしゃっていましたが、本当に器が深い、器が広いのは矢地さんご本人だと感じました。
ヤッチくんチャンネルがいつも面白い訳がやっとわかりました。矢地さんの周りにいると武術家さんも、芸人さんも本当に自由に行動されている、みんなリラックスしている。だから極めて面白いことが自然に次々起きる。人は本来面白い存在ですから、制限してやらなければ勝手に面白いことを始めてしまう。そしてそれを過度にコントロールせずに単に促せば勝手にうまいところに着地してくれる。だからヤッチくんチャンネルはこれからもとてもオープンで面白いだろうなと思いました。
またもっと北川さんやシステマの関係者の方とのコラボも見たい(笑)ミカエルやヴラッドに会いに行かれた時……ヤッチくんチャンネルシステマ世界編はじまったな!とひとりネットの片隅で呟くことを楽しみにしています(笑)
関係者の方々、各武術武門の方々でもしこの文章をお読みになってご気分を害された方がいらっしゃいましたらすいませんでした。ぼくはシステマのことを何一つ代表する資格も権利も持っていない一個人なので、もしよければ一視聴者の感想日記と思って読んでくだされば幸いです。
長い文章を読んでくださってありがとうございました。おわりです。