「apnea」で変わるコンテンツ制作の現場〜メディア業界の新潮流に⁉︎
テレビや雑誌、新聞などのコンテンツ制作をサポートする生成AI「apnea」。音声データからの文字起こしはもちろん、取材した内容を指示に従って構成し、記事化することができます。取材先の事前リサーチや質問事項の提案も可能で、経験の浅い記者やサポートスタッフが取材に出かけても一定レベルの記事を作成することができます。
2023年11月から取り組んだ大分県の商店街活性化プロジェクトで、短期間・少人数での記事作成に「apnea」が活用されました。実際どのように使われたのか、「apnea」はどう役に立ったのか、大分での事例を紹介します。
地域情報発信プロジェクトに 生成AI 「apnea」活用
ストリーツ株式会社は、大分県の「商店街の情報発信の強化とイベント連動による地域活性化事業」で、まち歩きアプリ Streets* 内の Streets magazine に掲載するストーリー記事40本を作成・掲載することになりました。
1000文字程度の読み応えのあるボリュームで、それぞれ5ヵ国語に対応します。それを、2023年11月から24年2月末までの約3ヵ月間で作成しなければなりません。担当するライターは2人でした。
ライター 井下 育恵氏
「大分県の地域活性化事業の一環で、デジタルコンテンツとして商店街情報を発信することになりました。掲載するのは、大分市中心部の3つの商店街の40店舗。取材先の選定は、自分をはじめテレビ大分のスタッフで行いました。短期間、少人数での記事作成が必要で、ここに生成AI 「apnea」をサポート的に活用しました」
「正直、最初は戸惑いました。生成AI を使ったこともなかったので。ただ、自分で考えつかないようなワードを瞬間的に提案してくれることには驚きました」
「apnea」の役割
記事作成の段階で、実際どのように「apnea」 を活用したのか伺いました。
【取材(記者・ライター)】
まず、現場に取材に行った記者が店の店主とのインタビューを音声データに録音してきます。1回の取材で15分程度です。
【文字起こし】
取材から戻るとそのデータを「apnea」にアップロードします。すると30秒ほどで文字に起こしてくれます。
【原稿化】
このあと「原稿作成」というボタンを押すと、こちらも30秒ほどで原稿を作ってくれます。気に入らなければ、何度でも書き直させることができます。
「より情緒的に」とか「真面目系で」など、色々な指示を出すことができ、それぞれのトーンで記事を書いてくれます。性格の違う記者が何人もいるようなイメージです。
【タイトル提案】
最終的にはライターが自分の目でチェックして手を加えますが、自分が普段使っていないような言葉を提示してくることもあります。また取材した内容の中から「この部分をさらに際立たせて」と指示を出せば、そのテーマに沿ったタイトルをほんの10秒ほどで5〜6個提案してくれます。
例えばこちらの記事のタイトルは、「apnea」が提案した表現を一部採用しています。
「銅板で焼く」たこ焼きがトロトロの極み 青春時代の憧れが生んだ名店 | Streets magazine
ライター 井下 育恵氏
「『トロトロの極み』という表現は自分では思いつかなかったので、新しい発見でした。今回はライター2人が担当しましたが、例えば中堅やベテランでなくても取材先への質問項目さえ決めていれば、apnea が記事の構成を作り下書きまでしてくれるので、取材経験の浅い記者でも対応は可能だと思います。中間の作業を効率化してくれるという意味で、apnea は頼もしいサポートスタッフでした」
「apnea」のユーザー体験と成果、今後への期待
今回の記事作成の時期、「apnea」は内部関係者向けリリースを行ったばかりで開発途上のサービスでした。ライターの井下さんには、ユーザーとして使いづらい部分や欲しい機能など積極的に意見を出していただきました。期間中も「apnea」は修正を重ねました。
ライター 井下 育恵氏
「最初の頃は『取材に行った人の温度感』が感じられませんでした。これから記事が溜まってくればAIが学習してくれると思うので期待したいです」
初めて生成AI「apnea」を活用した井下さんが今回特に有益だと感じたのは、そのスピード感です。
ライター 井下 育恵氏
「apneaのレスポンスの速さに驚きました。文字起こしはもちろん、10秒でタイトル、30秒で構成を提案してくるなど、このスピード感で仕事ができることは現場の力になるのではないかと感じました」
さらに、単に効率化や省力化だけではなく「apnea」の存在自体に価値があったと教えてくれました。
ライター 井下 育恵氏
「使ってみて密かにありがたいと思ったのは、記事を書く、構成を考えるという孤独な作業をしているときに、apnea が相棒のように寄り添ってくれたことです。しかも人間みたいに「疲れた」とか「飽きた」なんて愚痴も言わないですし(笑)。気軽な相談相手として『これって、どうかな』と言える相手がいることがこんなに心強いのかと、ちょっと驚きました」
AI時代のコンテンツ制作をサポートする「apnea」は、快適な仕事環境を整え、人がより創造的な仕事に集中できるようになることを目指します。
Streetsとは
スマートフォンの位置情報で地域の情報が一目でわかるアプリ。登録されたスポットの近くに行くと検索やフォローなどしていなくても、その土地の美味しいものや見どころが表示される。リアルタイムのイベントや割引の情報も表示され、初めての場所に行っても近所の商店街を歩いても、気軽にまち歩きを楽しみながら新しい発見ができる。
関連リンク
Streets magazine:https://streets-magazine.jp/ja/articles
Streets apneaとは: https://streets.jp/service/apnea