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「なぜ今の大学に?」

「なぜ今の大学に?」 
「もっと上行けたんじゃ?」 

 と,ワタシはよく言われます(学外の方もですが,特に学内の方に).
 ワタシはいつも「あはは~」って返していますが,実際のところ,少なくとも入学試験という尺度においてはかなりギリギリだったんですよね.
 実際,弊学は複数種類の学科×同種類の試験を複数回(最大4回だったかな?)に渡って併願できる制度があった(たぶん今もある)んですが,3回受けた試験のうち,1回はどの学科にも引っかからず,もう1回は工学系の学科は全滅しました.元々行くつもりもなかったのですが,今の学科に合格した回も情報系の学部は通っていませんでした.
 これらのことから,およそ弊学に入学する十分すぎる成績とは言えないでしょう.

 まあ,それでもなんだかんだワタシは,「なぜ今の大学に?」「もっと上行けたんじゃ?」と言われる程度にはかなりよく動けたと思います.
 情報系に絞った話だけでも,Zennに書いた技術記事が多くの方々に読んでいただいたり,AWSやGCPを業務で触ることを経験したり,先日のVSCode Conference 2022-2023や技育展など,様々な場面で登壇させていただきました.
 加えて,創作者としては,ワタシのアイコンを手掛けるもこね(今は深田奈那という名義ですね)のお嬢や,ワタシがはじめて参加したコンピレーションアルバムを主催した野中ハロウィン氏をはじめとする多くの方々からワタシが知る由もないような多くの経験を聴いたり,実際に経験したりさせていただきました.

この辺の話は昔Zennに書いた「今年の総括(2020-2021)とコミュニティ」という記事にたくさん書いたのでよろしければ🥰

 このように,普通に大学生を営むだけではできないことをワタシは経験できたと自負しています.

 あくまで,生存バイアスにかかった話なのかもしれませんが,これらのことから実際に優秀だと言われる人と入学試験なり定期試験なりで好成績な人は必ずしも一致しないのではないかとワタシは思います(もちろん相関があることは確かです). 


 ところで,受験勉強や就活での面接対策など,様々なものに対して思うことですが,背伸びを好みません.
 試験を受けるその瞬間だけ高いパフォーマンスを発揮して平常時に使えないのであれば年齢にサバを盛るのと同じで意味がないからです.工学なら試験時だけ高いパフォーマンスを発揮するならすぐに問題になることは容易に想像できます.
 むしろ,大学に入ってからも余裕のある生活を担保することができたから,今のワタシがいるといっても過言ではありません.

 高校生だった当時のワタシは,センター試験と,私大2か所の試験を受けました.センター試験で通ればラッキー,今の弊学の入学試験も複数回併願できる.センター試験での結果が芳しくなかったのでさらにその抑えを取りに行くという低空飛行をかましました.
 周囲はいわゆるGMARCHやSMART(この言葉は今日初めて知りましたが,上智,明治,青山学院,立教,東京理科のことらしいですね)や早慶をはじめとする私大,中には旧帝大を目指して5か所も10か所も入学試験を受けている中,ワタシはこれを選択したのです.
 ワタシには上述したような大学の入学試験を通過するための能力がなかったことは事実です.しかし,ワタシには背伸びをする理由もなかったのです.

 就活していた時によく聞かれたのですが,高校生だった当時のワタシが今の学科を選択したのは「趣味で情報系は十分触ることが可能だし,機械系は実物を相手にするから趣味でやるにはそこそこ面倒だ」という気持ちだったので今の学科にいます.
 まあ,逆に言えばそれ以外はどうでもよかったわけです.最初は「国立の方がいい」などと思っていたこともありましたが,地方大学にしか行けそうにない現実を目の前にすればそれも面倒になり,次第に考えなくなりました.
 これはこれで未来への解像度や根性がとても低いとも言える訳ですが,それでも大学を5個も10個も志願する周囲よりかはいくらかマシな受験生であったと胸を張って言えます.


 さて,ここまでの内容を自慢話とみるか底辺の言い訳とみるか,いろいろな見方ができると思います.
 ただ,ワタシが今日言いたかったことは,「自分の実力を騙らず,結果を受け入れていくべき」だということです.

 弊学の一般選抜がちょうど今日から(研究室の教授と予定を合わせるときに言われて思い出した)で,おそらく大学の一般選抜としてはかなり速い部類なのですが,大学に入ることがすべてではないです.それに企業に就職することがすべてでもないです.

 多くの方が「その組織に入るために」と四苦八苦しているわけですが,それと同じくらい「その組織なんて余裕で入れるわ」という人がいると思っています.そして大体のケースにおいて,後者が主導権を握り,前者が組織のネームバリューを借りて生活するのです.
 実力で主導権を握るか,背伸びをすることでネームバリューを借りるかはそれぞれが決めることです.ですが,主導権がある限りその分野で逆転の機会が,あるいは単独で動けばもっと別の尺度で逆転する機会があると思います.
 だから,「期待した組織に入れなかったとしても気にせず『あーあ,そっか』くらいで自分がいちばんになれる尺度を見つければいい」,それくらいの気楽さで入試に挑めばいいと思います.


 最後に一つ,前述したとおりワタシの周囲にはいくつも大学を併願をする方々が大勢いたのですが,『そのうえで』浪人を選ぶという方々も少なからずいました.
 何のための併願だったのでしょうね.受験勉強が趣味という人くらいにしかワタシは到底理解できませんが,ちゃんと合格できたのであれば大人しく進学することをお勧めします.

 貴重な人生のうちの1年分の活動時間を大学への進学だけに浪費するほど暇ではないはずです.
 それに一年後,同じ学力を維持できる根拠なんてありませんからね.

おわり

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