「ロスジェネ非婚女性の哀しみ」とは
勝手に哀しんだり憐れんだりしないでほしいな、と思うロスジェネ非婚女性当事者です。
確かに生活は大変だけど、今の時代既婚非婚・子供のアリナシ関わらずそこは大変な人が多いでしょうし、別に独身だからといって何ということはないんですよね。
とかく、私は昔から結婚願望が全くなかったし、子供を産んだら虐待してしまうかも知れないという気持ちもあり自分が子を持つ想像もできなかった。
前の職場で上司から「結婚しないのか」と聞かれたことがありましたが、その時は「異性に興味がないので」と答えていました。
本当に興味が持てなくて……
思えば最初の父親も二人目の父親もろくでもない人間で、母方の祖父もモラハラ昭和の親父気質。
祖父が毎日認知症に罹って思い通りに動かない祖母に怒鳴っているのを聞きながら生活していたら、家族でもない異性と生活を共にするヴィジョンが見えなくても仕方がないのかも知れません。
何より、晴れてひとり暮らしの身になったら楽すぎて。
怒鳴り声も聞こえないし、世話をしなければいけない相手も存在しない。
自分の面倒だけ見ていればいい。
こんな自由があってもいいのか。
もう家族とはいえ他人の世話をしながら仕事をして家事をして……みたいな暮らしに戻る気にはなれません。
一生ひとりでいいや、その方が幸せだと思えるくらい。
もう、よっぽど条件のいい自分が今以上に楽に暮らせる相手でも現れない限り、私に結婚の選択肢はないでしょう。
正直なところ、何故少子化が進んだのか、その大きな要因の一つは理解しているのです。
昔は女性は奴隷だった、それが解放された。
結婚から逃れられず、家というものに閉じ込められていた女性たちが解き放たれた今、家庭を持ち子を儲けるという選択肢を選ばずに生きていける女性が増えた訳です。
男性にも言えることですが、結婚・出産・子育ては大きな枷になり得る時代なんですよね。
お金が掛かることだし、自分個人の自由も大きく制限される。
それを受け入れられる、或いはお金なり周りの人の助力なりでクリアできる人のみが手にすることが可能な贅沢なものになってしまった。
今は各種サブスクや無料で読める作品、アプリゲームなど手軽て低価格な娯楽が溢れていますから、独り身でも寂しいと思っている暇もない。
別に異性がいなくても生きていける環境で結婚と言われても……ピンとこない、必要ないと思う人が増えてしまっても仕方のないことなのではないでしょうか。
それでも独りは寂しいとか、異性が必要という人もいるかも知れないですが、そもそも「寂しい」で結婚相手を探す人はなんというか……結婚の対象としてどうかと思える部分もあるのです。
だって、結婚って自立した大人二人がひとつの家庭に入って、支え合うということですからね。
どちらかが寄り掛かった状態なら、いずれ破綻しかねない。
相手に何かあった時、自分の全てを懸けて支えていくことができるのか。
結婚を考えている人も、誰かと結婚したいと思っている人も、今一度その辺りを考えた方がいいのではないかと思いました。