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わたしの好きなひとは、流れ星みたいなひとだ。

流れ星を見たとき、心のなかで3回願い事を唱えるとその願いが叶うという話がある。

わたしが初めて流れ星を見たのは、大学四年生の冬だった。卒業論文に追われて友人とふたり毎晩通っていたファミレスの帰り道、どちらかが「今夜は流れ星が見えるらしい」と言ったのをきっかけに、車の進路を自宅から空き地に変更した。長すぎる寄り道だった。たまに言葉を交わしながらそれぞれ真っ暗な空を見上げていた。

流れ星は、どこから見えるかわからない。大体の方角や数多く見える時間は予想できたとしても、この時間ににこちらの方角を見ていれば確実に流れ星が見えますよ、なんてことは誰にもわからない。

そういうところが、似ている、と思う。


わたしの好きなひと、田島将吾くんは、2年前のある日突然わたしの目の前に現れた。それから2年以上が経つけど、ステージの上でもそれ以外でも予測不能なことばかりで、ずっとずっと見ていてもわからないことがたくさんある。

だけど、田島将吾くんというひとは、こちらが願っている事はもちろん願い事としてうまく言えないまま心の奥にしまっている気持ちも全部掬い上げて、ほんとうにしてくれる。

これは、わたしがたじまくんを流れ星みたいだと思うふたつ目の理由だ。




5月1日、武道館でライブを観た日のこと。その日のセットリストにはたじまくんが作詞に参加したRunawayが入っていた。わたしは、1月の武道館公演に行けなかったためこのとき初めて生のRunawayを聴くことになった。まさかこの場でやるなんて思っていなかったから本当に驚いて、曲が始まる前からずっと涙が止まらなかったことを思い出す。
Runawayは、わたしにとって特別な曲だ。大切なものを心の奥にしまいこんでしまう癖があるわたしは、Runawayを生活の中であまり聴かないようにしていた。
初めて生で聴いたRunawayはわたしにとってやっぱりどうしても特別で、「果てなき旅路を」というフレーズが大好きなひとの声に乗って届いたとき、きっとこれからもこの日のことは忘れないだろうなと思った。

次の日はいつも通り仕事があった。いつも通りの時間に家を出て、いつも通りの時間に出勤した。少し休憩をしようと席を立ち、仕事に戻ろうとしたとき、ふと昨日のことを思い出して、頑張ろう、と笑顔がこぼれた。そこではっとした。
1月の武道館の日、公演の後に友人から電話をもらった。その電話で、Runawayの演出で後ろに11文字のメッセージが流れたこと・その中でたじまくんが「頑張る理由をありがとう」を選んでコメントしていたことを教えてくれた。

わたしが毎日を頑張る理由はいつだってわたしのためで、その理由を自分以外の誰かにはしたくなかった。わたしはわたしで頑張るから、あなたはあなたのところで頑張って、それを応援するね、というスタンスで生きてきたつもりだった。でもこのとき、楽しかった昨日がエネルギーになって、また次の楽しみまで頑張ろうと思えた自分が居た。わたしの、わたしにしか解らないような変化の理由には、大好きなひとの存在があるんだ、と驚いて胸がいっぱいになった。

誰かの影響を受けて自分が変わるなんて嫌だった。でも、これも悪くないと思った。



昨年の11月、とある土曜日のお昼にツイートの通知が来て携帯を開くと、そこにはLAで撮ったであろう写真と何気なく添えられた言葉があった。きっと当の本人は、そこまで深く考えていなかったと思う。ぽん、と頭に浮かんだことをそのままわたしたちに話してくれた、それだけだ。だけどわたしは、それがたまらなく嬉しかったのだ。

ほんとうはこれからだってずっと大好きでいたいけど、いつ終わりが来るかわからなくて。わからない未来の話をするのが怖いわたしは、できるだけ永く好きでいられ続けたら、と願うことしかできなかった。だけどあの日、たじまくんがやさしく笑い飛ばしてくれたときに呪いがひとつ解けた気がした。

いつも、当たり前みたいに一緒に見る夢の話をしてくれるから、わたしもまだわからない未来を信じたくなった。怖くて言えなかった「ずっと」も口に出したいと思った。永遠が無いことを知っているひとが、「ずっと」を伝えてくれるなら、わたしだってそれに応えたい。

たじまくんは、臆病なわたしの心に刺さっていたたくさんのちいさい棘を、知らないうちに抜いてくれていた。やさしいひとを好きになると、少しは自分もやさしくなれるみたいだ。


流れ星を見たとき、心のなかで3回願い事を唱えるとその願いが叶うらしい。


流れ星をはじめて見たあの日、わたしは願い事をしなかった。お願いなんてしなくても、流れ星を見られたことが嬉しかったから、それで全部叶ったような気がした。


予測不可能な挙動、どんな願い事も全部掬い上げて叶えてくれるところ、そしてなによりも、姿を見られるだけで特別うれしいこと。


わたしの好きなひとは、流れ星みたいなひとだ。特別やさしいひかりを放って目の前に現れてくれる。





今年もこうしてお誕生日をお祝いできることが何よりも嬉しいです 去年の今頃は、来年も同じ気持ちでお祝いできたら、なんてちょっと心配もしていたけどいまはそんな気持ちも全くなくて、それも全部きみが見せてくれるもののおかげだよね
来年も、再来年もその次もずっと、たじまくんのことをまっすぐ好きで居られる自分でいたいと思うし、たじまくんがたじまくん自身を大切にしてくれる限りこれから先も好きで居られるんだろうなって思うよ
誰かのことを好きになることが、自分の毎日をもっと楽しくしてくれること、教えてくれてありがとう
今までもらった分以上の幸せが、25歳のきみのもとへ降り注ぎますように


わたしの宇宙でいちばん大切なひとへ
お誕生日おめでとう!


2023.10.13

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