名探偵苺天使の事件簿

2024年9月17日火曜 晴れ

3連休明け。
正直言うと、1分1秒も働きたくない。
今日は、こんな何十年も働き続けないといけない刑罰を与えられるなんて、前世でよっぽど何か悪いことをしたに違いないと友人とLINEで結論付けた日である。


今日は客先に行く必要があり、少し早めの起床。
顔を洗うために洗面所に行って、いつも通り鏡を見た。
目頭に目やにが付いていて、頬の上部に抜けた一本のまつ毛がついていた。これはいつも風景。
人差し指の腹でそっと掬い上げた。

そして目線を下げ、首元に移った時に私は驚いた。心の中できゃーーーと悲鳴を上げた。

なんと右首に赤いあざが出来ていたのだ。

引っ掻き傷のような感じもするし、キスマークのようにも見えた。焦る苺天使。

頭の中で状況を整理した。

引っ掻き傷かキスマークかは跡を見ても正直素人には区別は付かない。
医学的診断が必要な状況なので、両方の線で考えるべきだ。

昨日夜は1人で寝ていて鍵はかけており、いわば密室である。ただし、そのアリバイを証明する人はいない。

まずは自分が容疑者である可能性を疑うのが筋だろうが、それはおそらく違う。

まず私は寝相がいい方なので、あまり動かない。(友人の証言あり)

そして、わたしは左利きである。
傷の位置的に左手で引っ掻いたとしたら、おそらく中指の爪に、血痕もしくは皮膚片が付着していてもおかしくないが何も付いてない。

あるいは、引っ掻き傷でなくキスマークの場合、なおさら私ではない。
首筋に自分でキスすることは人体の構造上不可能である。私も長年人間をやっているので、例外ではない。

やはり第三者のケースを疑うしかない。
だとしたら、どうやって部屋に侵入したのだろうか?トリックは?
そもそも犯行の動機は?
キスマークの場合は親しい人間の可能性が高い。

よくあるパターンはピアノ線やタコ糸を使ったトリックなので、一通り部屋を見て回ったが、何も無かった。

「密室キスマーク傷害事件」は迷宮入りとなった。

そうこうしているうちに出社する時間が近づき、
ふと頭をよぎった。

あれ?「キスマークなんかつけて、三連休こいつ男と満喫してたな」と思われるのではないかと。

日記を読んで頂いた方は一目瞭然だが、この三連休男性とは過ごしていない。
まさか自分の日記がアリバイを証明するなんて思いもしなかった。

男性と過ごしていないのにキスマークを付けていると思われるなんてコスパが悪すぎる。

「そうだ!絆創膏を貼るべきか?」
いやでも、それこそキスマークですって言ってるものではないか。

私の統計上、首に絆創膏を貼ってる人の95%は実はキスマークだと言われている。

虫に刺されたんです〜と言い訳することが多いが、男に吸われたんです〜と読み替えてもよい。

今回の私のケースは5%の事例なのだが、密室キスマーク傷害事件は迷宮入りしているので、説明が出来ない。

はぁ、、、社会人にもなってキスマークを付けて客先に来る馬鹿女と思われても仕方がないか。
ここは何事もなかったかのように、行くしかないと覚悟を決めて扉を開いた。

そんな火曜日でした。

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