熟睡が出来る物語⑨「空の国の星集め」

かつて、空の国に住む小さな雲の少年、クラウディがいました。彼は明るく元気で、空の国のみんなから愛されていました。彼の大好きな遊びは、輝く星を集めること。星たちは彼の友達で、彼らと話すのが楽しみで仕方ありませんでした。

ある日、クラウディが空を見上げると、星たちが消えてしまっていることに気づきました。空の国がいつものようにキラキラ輝いていないことに、クラウディは淋しさを覚えました。しかし、彼はただ悲しむだけではなく、すぐに星たちを探しに行くことを決意しました。

彼は穏やかな風に乗って、星を探す旅に出ました。遥か遠く、空の国の果てまで旅を続けたクラウディはついに、星たちが集まっている場所を見つけました。それは、空の国の彼方にかかる大きな虹の向こう側にありました。星たちは虹の鮮やかな色に魅了されてしまい、その美しさに引き寄せられ、元の空へ戻ることができなくなっていたのです。

しかし、星たちを自力で救おうと決心したクラウディは、虹を目指して勇敢に飛び出しました。彼の小さな身体は全力で空を切り裂き、虹に向かって進みました。そして、彼は星たちに大きな声で呼び掛けました。「友達の星たち、一緒に元の場所に戻りましょう。空の国がみんなを待っていますよ」その声は虹を越えて空一面に広がり、星たちの耳に届きました。

クラウディの呼び掛けに心動かされた星たちは、ひとつ、またひとつと彼の元へと戻り始めました。星たちは彼の言葉に応え、自分たちの本当の居場所、空の国へと戻る決意を固めました。

そして、全ての星が元の場所に戻ると、空の国は以前のように美しい輝きを取り戻しました。星たちの灯りが再び空を照らし、夜空はキラキラと輝きました。その光景を見たクラウディは、満足感と安堵感で心がいっぱいになりました。

彼は星たちと一緒に、彼の冒険がもたらした平和と満足感を胸に、静かに眠りにつきました。彼の小さな体がゆっくりと雲の上で休み、周りの星たちが彼を優しく見守る中で、彼は深い眠りに落ちました。

そしてその物語が終わる頃には、子供たちはクラウディの冒険とその幸せな結末に心を落ち着け、ぐっすりと眠りについていることでしょう。その夜、クラウディの冒険は子供たちの夢の中にも訪れ、彼らにも美しい空の国を見せてくれるでしょう。