アサヒのジョッキビルと、ホッピー通り
ホッピー通りで飲もう。
という話になったので、夕暮れ時から浅草へ繰り出してきた。
今年は初詣と、合羽橋散策と今回とで、すでに3回も浅草へ行っている。
週末の浅草は相変わらず観光客が多く、日が暮れ始めると、今度は飲食店が賑わい始めていた。
ホッピー通りは初めてだったのだけれど、上野から御徒町へ続くアメ横のように、軒先にビニールを下ろした簡易な酒場がたくさんあった。
1日に吸う本数は少ないけれど、愛煙家としては、煙草が吸える空間が多いのは助かる。
特に火煙草がOKなところとか。
前日の雪とか冷たい雨が嘘のような、突き抜けるような晴れ空だった土曜日。
日中は日差しが暖かくて、風もなく穏やかだった。
ホッピー通りを歩いている頃には、夜の帳が辺りに降りていて、浅草寺の木々は深い群青の中にひっそりと佇んでいたのだけれど、浅草に着いた時はまだ陽が地平線には触れていない高さにあったから、青い空を背景に、憂を帯びたオレンジ色の光が建物を輝かせていた。
小学生の頃に見たあの、アサヒのビルの横のフラムドールは、みんな口を揃えて「金のうんこ」と呼んでいた。
それが本当は「新世紀へ向けて跳躍するアサヒビールの燃える心の炎」だなんてこと、つい最近知ったのだけれど。
夕陽に照らされたアサヒ本社のビールジョッキは、黒ビールの様相を呈していた。
その景色が綺麗だったから、写真に収めて、これから一緒に飲む後輩に、「うんちが輝いておる」って送ったら、「今日も人々のうんこを導いてくださってありがとうございます。」と返信が返ってきた。
ホッピー通りで飲んだのは、文字通りホッピーでビールではなかったけれど、注いだホッピーは妙に琥珀色に見えた。
おしまい
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