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【戦略コンサルタント必見】職位別に必要なスキルとマインドとは?

こんにちは

以前公開した記事では「戦略系コンサルファームへの転職を実現するには?」という切り口で、戦略ファームに入社するために必要なスキルについて解説しましたが、転職直後にマネージャーやパートナーに着任する方は基本的にいないため、入社するために必要なことを述べたにすぎません。入社後、役職が上がるにつれて求められるスキルや実績は、変わっていきます。
そこで今回の記事では、戦略ファームでの職位、職位別に求められるスキルやマインドについてお話します。

記事はこちら:「戦略系コンサルファームへの転職を実現するには?

ファーム内の職位

一口にコンサルタントといっても経験年数や実績等に応じていくつかの職位に分かれています。その職位の呼称は、ファームによってバラつきが出るものの、大まかに下から「アナリスト」「コンサルタント」「マネージャー」「パートナー」の4つがあります。

また、例えば「コンサルタント」の場合、「シニアコンサルタント,コンサルタント」のように枝分かれして職位が設けられています。さらに、「シニアコンサルタントA,シニアコンサルタントB,C…」といったように細かくランクが設定されているケースもあります。

役職ごとの仕事内容

アナリスト
新卒入社や第二新卒で入社した場合のスタートポジションです。中途入社の場合においても、同ポジションからスタートする場合があります。
アナリストの仕事は、主に情報収集・分析と資料作成です。中でも、「他社事例の調査」「スライド単位での資料作成」「先輩社員のインタビューの同行」などの細かな業務を担うことが多いです。基本的にはコンサルタントから、指示を受け、実行し、報告します。

コンサルタント
新卒入社から3~4年経過後もしくは、経験者として入社する場合(即戦略として他ファームから移籍するケースは例外)、「コンサルタント」となることが一般的です。
コンサルタントになると、プロジェクトにおける一定範囲の実務(分析範囲や論点)をまとめて担当し、マネージャーの指導の下で調査・分析・資料作成を行います。とはいえ、基本的には自身の判断で課題解決の糸口となる仮説の構築・検証作業を実施するため、どのような仮説を立ててどの情報を判断基準とするのか、などを一任されているポジションと言えます。そして、一定の進捗毎にマネージャーなど上司とのディスカッションを通じて、仮説の修正・再構築を行います。
また、アナリスト以上に権限を持ち、アナリストの指導及びクライアントサイドの中堅メンバーと強固なリレーションを構築することが期待されます。

マネージャー
マネージャー職には、新卒入社後7年程で昇進するケースが一般的で、昇格におけるハードルは、アナリスト/コンサルタントと比較して桁違いです。具体的な仕事内容としては、大枠「プロジェクト管理(全体の進行役、仮説の設定、フレームワーク作り)」「顧客との均衡」「予算管理」の3つがあります。
プロジェクト管理においては、メンバー数名を動かしながら各々の分析や検討を統合し、答えを抽出していく役割を担っています。一言でマネージャーを言い表すならば「1人でプロジェクトを完遂できる人材」です。よって、マネージャーとして実績を出すことができれば、一人前のコンサルタントとして客観的にも認められる人材になったと考えて良いでしょう。

パートナー
パートナー職に着任することは、非常に狭き門です。
パートナーは、営業活動や経営全般を担います。パートナーが、新規案件を獲得しなければ、ファーム経営が成り立たないため、最上位かつ最重要な職位です。

このように、役職によって仕事内容が異なるため、当然求められるスキルやマインドも変わってくるのです。

職位別必要なスキルとマインド

コンサルタント(ファームで働く全ての職位を指す)として求められるスキルを持っている事を前提にそれぞれの職位に必要とされるスキルとマインドをお話します。

アナリスト/コンサルタント
スキル:分析力
コンサルタントには、とりわけ分析力が求められます。ここでいう分析力とは、プロジェクトにおける課題に対して仮説を構築してあらゆる指標をもとに分析し、示唆や解決の糸口を導き出すスキルのことです。ここで留意したい点は、「分析力」とは、数値データを用いた分析の習熟度のみを指しておらず、より広い意味合いを指してることです。定量分析がいかに得意だったとしても、定性分析が苦手な場合、論点に示唆を示せないケースがほとんどです。

余談ですが、示唆を示す難しさについてもお話します。コンサルティング業界で頻繁に耳にする「示唆を示す」とは、大きくとらえると課題解決に結びつく、より小さな枠組みで捉えると都度の会議で扱う議論の結論に結びつく発言のことです。未経験からの入社の場合、この「示唆を示す」ことに高いハードルを感じるでしょう。幾年経験を積んだコンサルタントであれば、既に、クライアントの業界に関する知識を多く保有し、クライアントとの議論にも耐えうるスキルを身に着けているため、「示唆を示す」ことの壁が低くなっていきます。示唆を示す方法は一概には言えませんが、いわゆる全てのコンサルタントに求められる基本能力(ロジカルシンキングなど)を向上させることは勿論のこと、要点を掴むセンスを鍛え上げられているかがとても重要なポイントです。ただ闇雲に分析を行っても意味がありません。仮説思考の流れを正確に理解し、「目的」は何か、続いて、「論点」即ち意思決定の諸要素のうち現時点で重要なポイントは何かを汲取るセンスが必要です。

マインド:自らの基準を持つ
シニアメンバーから言われたことを言われた通りやるという姿勢はNGです。無論、全ての状況において当てはまるわけではないので、上長の期待値を確認して、臨機応変に対応することが必要であることは言うまでもありません。
とはいえ、ほとんどの場合、自らの判断基準を持ちつつ、思考を重ね、アウトプットを出す姿勢が必要です。経験のないプロジェクトにアサインされた場合でも、プロジェクトの背景、クライアントの目指す姿を踏まえて、そのうえでどうしていくべきかという自らの基準を持ってコンサルティングワークを行うことが極めて重要です。たとえ、上長が自身の意見を採用しなくとも、自らの基準で考え行動したことに意味があります。このマインドを持ち続けることで、自らの基準の精度を高めていくことができます。

マネージャー
スキル:マネジメントスキル
マネージャーとなると、自らが分析を行うことは少なくなり、メンバーが最良な答えを導き出せるようサポートしなければなりません。プロジェクトの成功は、マネジメントのあり方よってに大きく左右されます。メンバーのマネジメント以外にも、顧客との均衡や予算管理などを同時平行して行う力が必要です。

スキル:アウトプットを統合するスキル
メンバーへの指示出しなどのマネジメントだけでなく、チームメンバーによるアウトプットを租借し、1つの最良のアウトプットに統合する力が極めて重要です。これまで積み上げてきた経験や磨き上げたセンスを武器に、出されたアウトプットをレビュー・抽出し、1つの仮説へと組み立てることが求められます。

スキル:高度なコミュニケーションスキル
どの職位においても求められるスキルですが、マネージャーという職位では、特に重要視されるスキルです。なぜなら、マネージャーがクライアントとのやり取りの中心となるからです。ファームの窓口として、日常的に、クライアントの期待値を管理しつつ一定期間毎の報告会や意見交換などを行うため、高度なコミュニケーションスキルが必須であることは言うまでもないでしょう。

マインド:プロフェッショナリズム
戦略ファームに在籍する全てのコンサルタントにおいて、高度な自律心や職業倫理が求められます。とりわけマネージャーは、クライアントとの窓口であることから、これらプロフェッショナルの素質が垣間見える局面が多くあります。例えば、クライアントが間違った問題設計をしていた時や、そもそも要求自体が抽象的な場合に、クライアントの言いなりになるのではなく、時には客観的な視点で適切な自己主張をしなければならない場面などです。そして、高度な自律心や職業倫理に基づいて行動を起こし、その結果クライアントの信頼を得る、それがプロフェッショナルです。

具体的には以下のような素質がプロフェッショナリズムと言えます。
・徹底的なクライアントファースト
・妥協を安易に許さず、高い基準を保つ
・自身が、バリューを生み出せしているかを常に客観的に捉える
・コンサルタントとしての誇りを持つ

パートナー
スキル:セールス能力と人を掴む能力
パートナーは、ファームの共同経営者で案件を獲得する役割を担っているため、当然ながらセールス能力が求められます。戦略コンサルティングのサービスは、とても高額で提案内容も抽象的であり、そのような受注難易度が高いサービスを受注につなげるためには、セールス能力が問われるためです。また、人を掴む能力も極めて重要です。セールスを行うためには、それ以前にクライアントとのリレーション構築が肝となります。実際に、パートナーは、クライアントのキーパーソンと親密な関係をキープし続けています。これには、かなりの労力を要しますが、それに屈せず、定期的に会食を催したり、相手が興味を持ちそうな議論を持ちかけたりといったことを切れ目なく行う姿勢が必要となります。

ただし、上記のようないわゆる「営業力」が重視される役割が徐々に変化していると言えます。というのも、大手コンサルティングファームは、近年成長傾向にあり、パートナー数が数百人を超えるファームも見られるようになりました。そのため、パートナー内での役割が全員一律の「営業マン」から「営業」「部下の教育」「特定テーマ」などに役割を細分化していくという考え方も出てきてきます。

マインド:(営業力を身に着けるまでの)忍耐強さ
今まで培ってきたコンサルタントとしてのスキルが必ずしも営業活動において求められるかというとそうではありません。そのため、コンサルタントからパートナーへと役割を変えたことで、営業活動の壁にあたり、停滞してしまう人が多くいます。

マネージャー以上の役職では、純粋にコンサルタントとして求められる力に加えて、人脈や担当者への影響力といった人間的スキルや営業的スキルが問われます。そのため、この段階となると、これらスキルを前職で培っていた場合、ファームに新卒入社した人材と比較して早いスピードで昇進していくケースがよく見られます。

全ての職位に通ずる昇進するための心得

前述した通り、職位によって求められるスキルやマインドは異なってくるものの、最終的にパートナーまで登り詰めるコンサルタントは「求められる変化に応じることのできる人材」です。では、パートナーになりえる人材の共通項はあるのでしょうか。

まず大前提ですが、「ファーム内でのキャリアアップを志していること」です。
戦略ファームでのキャリアを自身のやりたいことに近づく踏み台として位置付けている場合には、どこかのタイミングで転職するため、パートナーという選択肢は遠のきます。裏を返せば、コンサルティング以外にやりたい仕事がないということは、「コンサルティングの仕事が最も好きである」と言えます。当然のことではありますが、多忙の中、その「好き」というスタンスをキープし続けることも大切でしょう。職位が上がるにつれて役割と責任が増え、大変な局面に衝突する機会が増えます。その様な局面で、自身がコンサルティングが好きな理由をベースに、例えば、「クライアントに価値提供したい」「仲間を優秀なコンサルタントにしたい」などの想いを念頭に置きつつ仕事に取り組める人材が、最終的には、パートナーポジションに就くことが多いです。発言や提案内容が的を得ていたとしても「想い」が欠けているとクライアントも動いてくれません。

そして、最後に「忍耐強さ」です。パートナーに求められるスキルでも前述しましたが、この特性は、ファームで働く全ての人材にとって必要なマインドです。というのも、今回お話したように、役職が上がるにつれて要求されるスキルやマインドは変化していきますが、それらに屈せず対応できる忍耐力が必要だからです。コンサルタントとしてスキルを高めるためには、地道にあらゆる経験を積むことが必要です。焦りすぎず、たゆまず、努力を積み重ねていく姿勢が大切です。

■まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、戦略コンサルティングファームで役職別に要求されるスキルとマインドについて説明しました。実際に、取り上げたスキルやマインドは、各職位にて最低限持っておくべきという認識をしてください。その上で、忍耐強さを持ちつつ、さらに細かな部分を磨いていくよう心掛けましょう。
ファーム内で昇進し続け、パートナーとして活躍することをゴールに設定された場合には、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

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