
転職のルールと考え方について@ビズリーチ最高ランクエージェントが解説
私は、よく転職希望者の方に対して、
キャリアはすごろくと例えており、少しずつマスを進めて、
理想のゴール(≒会社や雇用条件)を目指しましょう、と伝えております。
その為、転職はすごろくのマスとサイコロの性質があると思って下さい。
マスは会社で、サイコロは自分自身の実績などの経験です。
すごろくにもルールがあるように、
転職の進め方にもいくつかルールがありますので、
転職を検討している方もしくは、
若手のこれから転職する可能性がある方向けの記事として、
こちらの内容を解説していきます。
転職のルールについて
転職のルールというと、ピンとこない方もいると思いますが、
これは求人要件(=内定条件)となります。
そもそも、内定を獲得しなければコマを進めることは出来ません。
社会人5年目以下のポテンシャル層を除いて、
下記の2つのルールを基にして、転職市場では基本的に内定可否が決まります。
①業界と職能のルールについて
キャリアは、自身が在籍する”業界”と”職種”(=職能)に分けて構成されます。
その為、所属する業界もしくは経験職種のいずれかを軸として、
コマを進めていくことが1つ目のルールとなります。
例えば、
銀行勤務で、渉外担当の方の場合
・銀行勤務→金融業界
・渉外担当→営業職
みたいに分類されますので、
この方の場合は、
・金融業界または、金融業界がカウンターパートになるような仕事
もしくは、
・営業職もしくは、営業職がカウンターパートになるような仕事
に進むことが出来ます。
(職種については、また細かい分類がされることが多い為、今回は割愛させていただきます。)
②年齢(=年代)ごとのルールについて
もう1つのルールとして、年齢もキャリアを構築する中で1つの指標となります。
これは、シンプルで年齢が上がれば上がるほど、
選択肢は狭くなり、絞られていきます。
一般的に、日本の雇用体制はメンバーシップ型となっている為、
年齢ごとに見られ方が変化していきます。
具体的には、持ち点をイメージしていただくと分かりやすいです。
持ち点は、ポテンシャルとスキルで構成されており、
年齢が上がれば上がるほど、スキル>ポテンシャルという風に変化していき、
新卒時はポテンシャル100%で見てもらえていたのが、
30歳ぐらいになるとスキル100%で見られるイメージとなります。
このようにキャリアは不可逆性が高く、
戦略的にコマを進めていかなければ、
取りたい選択肢を取ることが将来的に出来なくなってしまう恐ろしさもあります。
転職の正しい考え方について
キャリア構築という面での、転職の進め方の正解として、
下記2つのいずれかをお会いする方々の特徴に合わせて、お伝えしています。
①ゴール逆算型
1番オーソドックスなやり方です。
人が転職する理由は、大きく4因子しかありません。
「業務内容」「年収」「WLB」「ブランド」
この中で、それぞれの理想状態を具体かつ定量的に目標設定を行い、
そこに向けて戦略立てを行うイメージです。
ただ1点、ここで全ての因子を満たすために欲張ってしまうと、
全てが中地半端になり、転職を繰り返すリスクもあります。
例えば、
「業務内容(スキルアップ)」を本来第1優先にしている方が、
「WLB」や「ブランド」に引っ張られたことで、
中途半端な意思決定をしてしまった場合、
仕事をしていく中での成長が本来の期待値以下となってしまい、
「もっとスキルアップしたい」と、
同じ理由で転職をしてしまうということがよくあります。
一方で、優先順位付けを明確に出来た方は、
無事スキルアップすることが出来て、
他の因子を次の転職で満たすことで、
結果的には理想の環境を手にすることが出来ます。
私自身も、1度目の転職活動時には結果的には年収も上がりましたが、
「業務内容」に完全に振り切ったことで、
次の優先事項であった「年収」と、
その次の「WLB」も2回目の転職で手にすることが出来ています。
このように、1度の転職で全てを満たそうとせずに、
最終ゴールをイメージして、そこに向けて逆算し、選択するのがベターです。
転職はダーツのように、1つの的を1回で目掛けるのではなく、
ゴルフのように少しづつ理想に近づけるように考えていくものと考えましょう。
②需要供給型
先ほど挙げた4因子に、目標や理想状態がない方も多くいらっしゃると思います。
多くの転職本やエージェントは目標設定の重要さを説いていますが、
個人的にはそんなに重要ではないと思いますし、
そもそも無理に立てるものでもないと考えています。
そのような、ゴールとか理想状態が見つからない…という方向けに、
需要供給側のキャリアを構築することを薦めることもあります。
需要供給型とは、私の造語で、
市場原理である需要と供給から名付けています。
基本的に転職市場も相対評価となるため、
需要がある仕事や市場評価の高い仕事に就くことで、
選ばれるのではなく、選ぶ側のポジションを取り続けるイメージです。
その結果として、理想が出てきた際に、
そちらを選べるので、結果として映像を叶えることが出来るのです。
具体的な方法は、先ほどの4因子の中でも、
「業務内容」に完全に振り切って市場評価を上げるやり方です。
例えば、
一般企業の職種で多くの割合を占める営業職であれば、
toCよりもtoBへ、有形商材よりも無形商材など、
現状よりも評価がされやすい環境などに移っていくことを薦めています。
これは、前述した転職のルールを逆手に取っているやり方なので、
無理な目標を立てなくとも、
自然と理想に近づけられるというハック方法でもあります。
個人的には、変化の早い現代の市場に最も適正な進め方であると考えています。
あとがき
今回は、一般的な転職のルールと考え方について書いてみましたが、
意外とこの内容は、普段お話をしている一部上場企業の役員やスタートアップ企業のCxOクラスの方々からも共感を得られつつ、
転職希望者の方々からも好評の内容なので是非頭の片隅に入れてみて下さい。
これからも不定期にこんな感じで、
キャリアアップや市場、今後の展望などを、
1エージェント視点で書いていきたいと思います。