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静岡っ子ミュージカルで誰もが元気な笑顔に。劇団かいぞく船インタビュー

ストレンジシード静岡のサポートスタッフ、その名も「わたげ隊」。ストレンジシードってどんなフェス? どんなアーティストが出るの? ということを伝えるべく、地元・静岡を中心に活動するわたげ隊が出演アーティストにインタビューする企画。第3回は劇団かいぞく船さんが登場です。

わたげ隊がゆく!
ストレンジシード静岡2022 アーティストインタビュー

ゲスト:劇団かいぞく船…佐藤剛史、たまき(玉木恵海)、りこ(高橋璃子)、めい(小柳明依)
聞き手:わたげ隊(ハボ、天野、リョウゴ、八木)

劇団かいぞく船

きっかけは静岡市こどもミュージカル。

ハボ:まずは自己紹介をお願いします。

佐藤:作・演出をしています、佐藤です。他3名は出演者です。
たまき:今年から中学3年生になりました、たまきです。
りこ:同じく、今年から中学3年生になりました、りこです。
めい:今年から中学2年生になりました。めいです。

ハボ:皆さんがミュージカルをやろうと思ったきっかけを教えてください。

たまき:学校で、こどもミュージカルのチラシが配られて「面白そう!」って。もともと歌も演劇も好きで、親も応援してくれたので応募しました。

りこ:姉がいるんですけど、たまきさんと同じでチラシ貰ってきて。「私、やりたいんだけど、一人でやるの嫌だから、りこもやれっ」みたいな感じで。

りこさん

めい:私も二人と同じく、静岡市こどもミュージカルからです。父がこどもミュージカルのお手伝いをしていて、受かるかわかんないけどオーディション受けてみようって。

知らない人に届けたい!

ハボ:今回のストレンジシードでは市役所前大階段でのパフォーマンスですね。あの場所だからこそ「やってみたい」「伝えたい」ということはありますか? 

めい:通りがかりのミュージカルを全く知らない人や今までミュージカルに縁のなかった人が、ミュージカルに触れて心を動かしてくれたらなって思っています。すごく緊張していて、プレッシャーがあります。

りこ:声も届きにくいだろうし風で髪の毛が邪魔になったり、いろいろ大変だと思うんですけど、逆に楽しみです。劇場だとスタッフさんがいろいろやってくれるけど、今回は全くそういうことができないので「自分の実力だけ!」みたいな「私を見て!」みたいな。お客さんに届くように、全力が出せたらなって思ってます。 

たまき:私は普段、演劇に関わりのない人達にも手軽に届く路上ミュージカルを外でやれることを楽しみにしてます。不特定多数の人に見られているって、ちょっと緊張するけど、その中で自分がどう頑張れるかなって。

たまきさん

ハボ:佐藤さん。出演者の皆さん、すごくしっかりしていますが、彼女たちをどのように育てているんですか??

佐藤:今回の作品『この道であい』はミュージカルなんですが、私は歌も踊りも教えられないので、あまり稽古場では締め付けないようにしてます。そうしないと皆さんが持ってるものを出してくれないので「出していいよ」「失敗していいよ」っていう空気を作ってます。2020年に無観客上演をして、お客さんの前でやるのは今回初めてなんですが、この3人は前回も出演していますし、ダンスに詳しいメンバーがいるので、彼女たちを中心に自分たちでしっかり練習しています。

佐藤剛史さん

天野:稽古場の佐藤さんはどうですか?怖いですか?

めい:優しく見守ってくれていて、必要な時にはすごく声をかけてくれます 。

たまき:穏やかで優しいなって思っていて、必要な時に必要な情報を的確にくれるのですごくありがたいです。 

りこ:ザ・演劇の先生って感じで、アドバイスが的確。いつも「それだー!」みたいなアドバイスが来て大尊敬しています。

演劇をやりたい子たちの受け皿に。

ハボ:佐藤さんにとって、かいぞく船をやる意味やかいぞく船だからこそ「こういうことをやりたい」と言うものはありますか ?

佐藤:2014年に静岡市こどもミュージカルの演出をやった時、テクニックどうこうではないのにすごく心を掴まれることをするんだな、と。終わってからも(ミュージカルを)やりたいっていう子ども達もいたので、じゃあやってみるかって。
受け皿をキープしなきゃという使命感があるのと、この年代の人たちとやることで自分もすごく刺激を受けるし、いろんな発見もあります。見ていてどんどん変わっていくんですよね。変わっていくのを見るのが、一番楽しいです。 

ハボ:変わっていくところを見るのが楽しいって佐藤さんがおっしゃいましたけど、1ステップ先の自分はどんな風でありたいって思いますか?

たまき:欠点を補って、もっといろんなことができるようになりたいです。ダンスの振りが雑とか、踊りが死んでるって言われたので、ちゃんとできるように言われなくてもできるようになりたいです。

りこ:私は、もっと自分に自信をもってできるようにしたいなって。すごく緊張するタイプなんです。本番になると、どんどん声が小さくなったり、練習でできたことができなくなっちゃうので、もっと自信を持って本番でも練習通り…いや、練習以上にできるようになれたらなって思ってます。

ハボ:どうやったら“自信のある私”になれそう?

りこ:たまきさんと同じで、自分の欠点を潰していくのが一番かなって思います。

めい:二人は技術面のことを言ってくれたんですけど、私はちょっと違って。真面目に練習するとか欠点を潰すとかも目標ではあるんですけど、何よりも見てくれているお客さんに何かを伝えたいので、見てくれている人や携わってくれる人に何かを伝えられるように、残せるようになりたいなって思ってます。

得意技は○○○

ハボ:良いですね!では、私の強みや得意な事はコレだっていうアピールをお願いできますか?

めい:声が大きいと言われます!マイク無しで会場の後ろまで届くくらいの声量を持ってるので、この声で何かができたらいいなって思ってます。

めいさん

たまき:得意というかできるというかなんですけど、語彙力のない語りは得意です。推しがいるんですけど、その人に関しては語彙力はないけど語れます!すごく、無限に。語彙力のない語りに関しては、誰にも負けないと思います。…ミュージカル関係なくなっちゃった。

りこ:歌・ダンス・演技の中でいうなら、ダンスが一番得意です!

ハボ:ダンスのなかで「ここが私の推しポイント」は?

りこ:途中でキメ顔をぶっこむことです。振りを覚えるのは早いほうなので、なるべく早く振りを覚えて「キメッ」みたいな。なんかすみません!

ハボ:今回のパフォーマンスを一番見て欲しい人は?

たまき:友達ですかね。いろんなところにこれあるから見に来てねって話しているので、その子達が見に来てくれれば!一番見せたいです。

りこ:私は、会ったことがない人に届けられたらいいな。知らない人に楽しんでもらえて「あの子のここがカッコよかった」みたいなのがいいなって。

めい:私は今、何かに悩んでる人や落ち込んでる人にこの作品を届けたいなって思います。(この作品は)主人公の女性が悩んでいる、落ち込んでいる、というところから始まるんですけど、最終的にその主人公がどうなるかを観て勇気を与えられたらなって思うからです。

ハボ:佐藤さんは、この作品で静岡のお客さんに何を伝えたいですか?

佐藤:野外でやるので、あまり触れたことがない人に触れられるといいなって。演劇で途中だけ見せられても「ん?」ってなっちゃうけど、ミュージカルは通りがかりでもわかりやすいので、途中だけ見てもそこのシーンは心に残るじゃないですか。
地元の人たちにいろんな芝居をみてもらいたいのと、本当に身近なところでこういうことをやっている子ども達がいるぞっていうことも知ってもらいたいなって。

八木:この作品はコロナ前に作られたと思うんですけど、2年という月日とコロナ禍の中で、内容や込めた想いが変わってきたりするんでしょうか?

佐藤:作った時はまだコロナ前で、本当に直前にイベントが中止になってお蔵入りという状態でした。収まったら再演しようって言いながら、結局無観客で劇場でやることに。
普遍的なことを扱おうと思っていたので、内容やメッセージはそんなに変えずにやっています。屋内の時もいろいろ自主規制してたので、フォーマット的にもあまり変わらないですね。

2020年、無観客で上演された『この道であい』

喜び、プラス思考、笑顔

ハボ:今回ストレンジシードで市役所の前で歌って踊る…その経験を経て、どんなものを得られそうな気がします?

りこ:喜びが増えるかなって。もっと外でやりたい!みたいな喜びも増えていくかなって思います。

たまき:公演終わった後にいろんな人が拍手してくれるのを見て「気持ちいいな」って。「あの人、ダンスが下手」とか思われちゃっても、それも受け止めつつ一歩一歩成長していって、心構えが変わるのかなって思います。プラス思考へ向けて変わっていけたらって思います。

めい:きっと知ってる人も知らない人もみんなが笑顔になってくれるようなミュージカルだと思うので、笑顔になってくれたのを見て自分も明日から頑張ろう、お互いに明日から頑張ろうって思えるようになると思います。

ハボ:ありがとうございました!

劇団かいぞく船
2015年に、静岡市こどもミュージカル出身者を中心に結成。
当時、静岡市こどもミュージカルの演出を担当していた佐藤剛史が、10代の役者を主体とした作品制作をする劇団としてスタート。今までの上演作品は佐藤の書き下ろしか、柴幸男氏の戯曲中心で、演出は全て佐藤が担当。年間2作品のペースで活動を続けている。主体は若い役者だが、観客の年齢を問わない作品作りを心掛けており、むしろ大人の観客から高い評価を得ている。
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ストレンジシード静岡2022
『この道であい』
劇団かいぞく船


一人の女が道を歩いている。ふと目の前に現れた少女。どこか見覚えのあるその少女に導かれるように、以前この道であった事、出会った人たち、そしてかつての自分を思い出していく。出会い、喧嘩、恋、友達。たくさん悩んでいたけれど、振り返ればそこにはとても大切なものたちがあった。単なる昔話じゃない。今もそれは大切なものだろ?
「劇団かいぞく船」が全ての年代に贈る「路上短編ミュージカル」。

日程:2022年
5月3日(火・祝)12:00 / 15:20
5月4日(水・祝)13:30 / 17:30
5月5日(木・祝)11:00 / 15:00

会場:市役所エリア[大階段]

作・演出:佐藤剛史
音楽:福嶋尚哉
振付:望月優也
出演:小柳明依/相馬千颯/高橋璃子/玉木恵海/野田蒼介/野田萌花/深沢茉央/三原咲彩/鈴木葵/野田大雅/平垣心優/安田こころ/太田里美(客演)
歌唱指導:朱雀真由美
舞台スタッフ:日高胡桃/石田てん/小笠原寧々/大井珠美/久山美音

詳細はこちら
https://www.strangeseed.info/

インタビュー:ハボ、天野、リョウゴ、八木(わたげ隊)
テキスト:ハボ(わたげ隊)
記録:ゆうか(わたげ隊)
編集:山口良太(ストレンジシード静岡 事務局)
編集協力:柴山紗智子

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