静岡っ子ミュージカルで誰もが元気な笑顔に。劇団かいぞく船インタビュー
きっかけは静岡市こどもミュージカル。
ハボ:まずは自己紹介をお願いします。
佐藤:作・演出をしています、佐藤です。他3名は出演者です。
たまき:今年から中学3年生になりました、たまきです。
りこ:同じく、今年から中学3年生になりました、りこです。
めい:今年から中学2年生になりました。めいです。
ハボ:皆さんがミュージカルをやろうと思ったきっかけを教えてください。
たまき:学校で、こどもミュージカルのチラシが配られて「面白そう!」って。もともと歌も演劇も好きで、親も応援してくれたので応募しました。
りこ:姉がいるんですけど、たまきさんと同じでチラシ貰ってきて。「私、やりたいんだけど、一人でやるの嫌だから、りこもやれっ」みたいな感じで。
めい:私も二人と同じく、静岡市こどもミュージカルからです。父がこどもミュージカルのお手伝いをしていて、受かるかわかんないけどオーディション受けてみようって。
知らない人に届けたい!
ハボ:今回のストレンジシードでは市役所前大階段でのパフォーマンスですね。あの場所だからこそ「やってみたい」「伝えたい」ということはありますか?
めい:通りがかりのミュージカルを全く知らない人や今までミュージカルに縁のなかった人が、ミュージカルに触れて心を動かしてくれたらなって思っています。すごく緊張していて、プレッシャーがあります。
りこ:声も届きにくいだろうし風で髪の毛が邪魔になったり、いろいろ大変だと思うんですけど、逆に楽しみです。劇場だとスタッフさんがいろいろやってくれるけど、今回は全くそういうことができないので「自分の実力だけ!」みたいな「私を見て!」みたいな。お客さんに届くように、全力が出せたらなって思ってます。
たまき:私は普段、演劇に関わりのない人達にも手軽に届く路上ミュージカルを外でやれることを楽しみにしてます。不特定多数の人に見られているって、ちょっと緊張するけど、その中で自分がどう頑張れるかなって。
ハボ:佐藤さん。出演者の皆さん、すごくしっかりしていますが、彼女たちをどのように育てているんですか??
佐藤:今回の作品『この道であい』はミュージカルなんですが、私は歌も踊りも教えられないので、あまり稽古場では締め付けないようにしてます。そうしないと皆さんが持ってるものを出してくれないので「出していいよ」「失敗していいよ」っていう空気を作ってます。2020年に無観客上演をして、お客さんの前でやるのは今回初めてなんですが、この3人は前回も出演していますし、ダンスに詳しいメンバーがいるので、彼女たちを中心に自分たちでしっかり練習しています。
天野:稽古場の佐藤さんはどうですか?怖いですか?
めい:優しく見守ってくれていて、必要な時にはすごく声をかけてくれます 。
たまき:穏やかで優しいなって思っていて、必要な時に必要な情報を的確にくれるのですごくありがたいです。
りこ:ザ・演劇の先生って感じで、アドバイスが的確。いつも「それだー!」みたいなアドバイスが来て大尊敬しています。
演劇をやりたい子たちの受け皿に。
ハボ:佐藤さんにとって、かいぞく船をやる意味やかいぞく船だからこそ「こういうことをやりたい」と言うものはありますか ?
佐藤:2014年に静岡市こどもミュージカルの演出をやった時、テクニックどうこうではないのにすごく心を掴まれることをするんだな、と。終わってからも(ミュージカルを)やりたいっていう子ども達もいたので、じゃあやってみるかって。
受け皿をキープしなきゃという使命感があるのと、この年代の人たちとやることで自分もすごく刺激を受けるし、いろんな発見もあります。見ていてどんどん変わっていくんですよね。変わっていくのを見るのが、一番楽しいです。
ハボ:変わっていくところを見るのが楽しいって佐藤さんがおっしゃいましたけど、1ステップ先の自分はどんな風でありたいって思いますか?
たまき:欠点を補って、もっといろんなことができるようになりたいです。ダンスの振りが雑とか、踊りが死んでるって言われたので、ちゃんとできるように言われなくてもできるようになりたいです。
りこ:私は、もっと自分に自信をもってできるようにしたいなって。すごく緊張するタイプなんです。本番になると、どんどん声が小さくなったり、練習でできたことができなくなっちゃうので、もっと自信を持って本番でも練習通り…いや、練習以上にできるようになれたらなって思ってます。
ハボ:どうやったら“自信のある私”になれそう?
りこ:たまきさんと同じで、自分の欠点を潰していくのが一番かなって思います。
めい:二人は技術面のことを言ってくれたんですけど、私はちょっと違って。真面目に練習するとか欠点を潰すとかも目標ではあるんですけど、何よりも見てくれているお客さんに何かを伝えたいので、見てくれている人や携わってくれる人に何かを伝えられるように、残せるようになりたいなって思ってます。
得意技は○○○
ハボ:良いですね!では、私の強みや得意な事はコレだっていうアピールをお願いできますか?
めい:声が大きいと言われます!マイク無しで会場の後ろまで届くくらいの声量を持ってるので、この声で何かができたらいいなって思ってます。
たまき:得意というかできるというかなんですけど、語彙力のない語りは得意です。推しがいるんですけど、その人に関しては語彙力はないけど語れます!すごく、無限に。語彙力のない語りに関しては、誰にも負けないと思います。…ミュージカル関係なくなっちゃった。
りこ:歌・ダンス・演技の中でいうなら、ダンスが一番得意です!
ハボ:ダンスのなかで「ここが私の推しポイント」は?
りこ:途中でキメ顔をぶっこむことです。振りを覚えるのは早いほうなので、なるべく早く振りを覚えて「キメッ」みたいな。なんかすみません!
ハボ:今回のパフォーマンスを一番見て欲しい人は?
たまき:友達ですかね。いろんなところにこれあるから見に来てねって話しているので、その子達が見に来てくれれば!一番見せたいです。
りこ:私は、会ったことがない人に届けられたらいいな。知らない人に楽しんでもらえて「あの子のここがカッコよかった」みたいなのがいいなって。
めい:私は今、何かに悩んでる人や落ち込んでる人にこの作品を届けたいなって思います。(この作品は)主人公の女性が悩んでいる、落ち込んでいる、というところから始まるんですけど、最終的にその主人公がどうなるかを観て勇気を与えられたらなって思うからです。
ハボ:佐藤さんは、この作品で静岡のお客さんに何を伝えたいですか?
佐藤:野外でやるので、あまり触れたことがない人に触れられるといいなって。演劇で途中だけ見せられても「ん?」ってなっちゃうけど、ミュージカルは通りがかりでもわかりやすいので、途中だけ見てもそこのシーンは心に残るじゃないですか。
地元の人たちにいろんな芝居をみてもらいたいのと、本当に身近なところでこういうことをやっている子ども達がいるぞっていうことも知ってもらいたいなって。
八木:この作品はコロナ前に作られたと思うんですけど、2年という月日とコロナ禍の中で、内容や込めた想いが変わってきたりするんでしょうか?
佐藤:作った時はまだコロナ前で、本当に直前にイベントが中止になってお蔵入りという状態でした。収まったら再演しようって言いながら、結局無観客で劇場でやることに。
普遍的なことを扱おうと思っていたので、内容やメッセージはそんなに変えずにやっています。屋内の時もいろいろ自主規制してたので、フォーマット的にもあまり変わらないですね。
喜び、プラス思考、笑顔
ハボ:今回ストレンジシードで市役所の前で歌って踊る…その経験を経て、どんなものを得られそうな気がします?
りこ:喜びが増えるかなって。もっと外でやりたい!みたいな喜びも増えていくかなって思います。
たまき:公演終わった後にいろんな人が拍手してくれるのを見て「気持ちいいな」って。「あの人、ダンスが下手」とか思われちゃっても、それも受け止めつつ一歩一歩成長していって、心構えが変わるのかなって思います。プラス思考へ向けて変わっていけたらって思います。
めい:きっと知ってる人も知らない人もみんなが笑顔になってくれるようなミュージカルだと思うので、笑顔になってくれたのを見て自分も明日から頑張ろう、お互いに明日から頑張ろうって思えるようになると思います。
ハボ:ありがとうございました!