余計な力を使わない倒立のミニマリズム。渡邉尚 一問一答インタビュー
倒立のワークショップを始めたきっかけはなんですか?
オーストラリアのアクロバットフェスに呼ばれた際にたくさんの人が倒立をしているのを見て、日本にも倒立する人が増えたらいいなと思いました。ゆくゆくはコミュニティを作れたら、と思ってます。
ワークショップで色々な人の倒立を見ていて、面白い点は何かありますか?
私が倒立なんて…と言っていた人が、「あれ?意外と出来ますね」と不思議そうにしているのを見るのが好きです。また、それぞれの性格や身体の癖が見えてきておもしろいです。人が上達する過程を見られるのも僕にとって勉強になります。
今までの倒立ワークショップで楽しかったこと、辛かったことはなんですか?
教えた人が上達して倒立仲間になってくれると嬉しいです。一緒に動画なんて撮れると最高ですね。逆にせっかく教えても練習してくれないと上手くなりようがないので少し辛いです。自転車のようにある程度上手くなれば安定するので、そこまでいってほしい。
渡邉さんの思う、美しい/良い倒立はどんなものですか?
余計な力を使わず余計なことも考えない倒立です。倒立の中にはミニマリズムがあるんですよ。うまくなればなるほど、やることが少なくなっていきます。
よく屋外で倒立している動画をアップされていますが、野外での身体表現が好きですか? どんなところに魅力を感じますか?
倒立のいいところは少しの平らな面さえあればどこでも出来るところです。僕は旅が好きなので、すごく相性がいいです。もともと屋内のスタジオで練習するのがそんなに好きではないのも影響しています。
ご自身を一言で表すとどんな人ですか?
ハマるととことんやるし、納得したらすぐ次に行っちゃう人です。
いろいろな国のフェスティバルに出演されていますが、特に印象的だったフェスティバルはありますか?
フェスではないんですが、Festina Lenteというサーカスパフォーマーとミュージシャンが船に乗ってヨーロッパ中の港を回って船上でパフォーマンスをするプロジェクトに参加していたのですが、自由な雰囲気がとても素晴らしかったです。いつでも好きな時に海に飛び込んだり音楽を演奏したりと映画の中のようでした。
渡邉さんにとって、ストレンジシードの魅力はなんですか?
僕が今まで参加したフェスの中でもベスト級です。劇場に囚われていないし、招聘する作品のバリエーションがとても豊かで面白いところが魅力です。そして静岡のお客さんの観劇リテラシーが高いというか、非常に気持ちよくパフォーマンスさせてくれます。
渡邉さん、ありがとうございました!