「ラーメンの後の1杯の水のような舞台を」劇団 短距離男道ミサイル 改め MICHInoXインタビュー
今回の作品『オチャーウォーズ』
本田 仙台を中心に活動する劇団 短距離男道ミサイルの代表で、劇作と演出そして出演をしています、本田椋です。よろしくお願いします。
リョウゴ よろしくお願いします。今回の『オチャーウォーズ エピソード4/あらたなる茶房 OCHA WARS -EPISODE Ⅳ: A NEW HOPE』これはどのような感じの作品ですか?
本田 この作品は2019年にストレンジシード静岡にお声がけいただいていた時に上演しようとしていた作品なんです。その時は団体の都合で参加が叶わず、上演することができないままとなってしまっていた作品です。今年お声掛けいただけ、、今回満を持して上演します。内容としては、「お茶とジュースの戦い」ですね。
リョウゴ お茶とジュース?スターウォーズのパロディのようなものですよね?
本田 まさにそうですね。
リョウゴ 大変申し訳ないんですけど、私は一切スターウォーズを見たことが無いのですが、見てなくても大丈夫でしょうか?
本田 あ、もうスターウォーズ見てなくても全く問題ないです。ダースベイダーっていう悪者がいるのはご存知ですか? あんな感じのジュース・サイダーという悪者がいて、静岡茶をジュースで倒そうとするんですね。そんな中で静岡茶の反乱軍が立ち上がって、銀河を巡る壮大な戦いに発展していくという茶番劇になってます。
リョウゴ じゃあ、あのライトセーバーみたいなのも出るということですか?
本田 あー、ライトセーバーとよく似たものは、出てくると思います。
リョウゴ そうなんですね!アーティストのプロフィール写真が、皆さん裸なんですけど...。今回も脱がれるご予定が...?
本田 そうですね。今のところ脱ぐ予定です。一応公序良俗を乱さない程度に露出しようかなとは思っております。
リョウゴ でも、寒くはないんですか?
本田 それは、もう任せてください。東北から伺いますので、寒さには日頃から慣れておりますので!
“短距離男道ミサイル” 名前の由来は?
リョウゴ 『劇団 短距離男道ミサイル』という 劇団名が気になったのですが、何故この名前になったんですか?
本田 実は僕たち、2011年の東日本大震災の直後に結成されたチームなんですよ。3月11日(東日本大震災)があって、カンパやチケット代金を東日本大震災に寄付しようということで、色々な劇団やダンサーさん、朗読される方たちが集まって「試演会」を行ってたときに、仙台の若手舞台俳優が集まって何か僕たちもできることがないだろうかっていうことで始まったチームなんです。その時、僕は実は参加してなくて、客席から見ていました。
本当にそういう状況の中だったので、なんとかしてみんなに笑ってもらおうっていうこともあり。男性がたまたま集まったので、男道ミサイルっていうワードを名付けて、その名前がいまだに続いているっていう感じです。
リョウゴ 劇団名がもうすぐ変わるそうですね?
(インタビュー時点では)まだ新しい劇団名は決まっていないんですか?
本田 そうなんです。近々劇団員でミーティングを予定しております。
リョウゴ すごいスタイリッシュな名前になってる可能性も?
本田 そうしたいんですよ!スタイリッシュでかっこよくて、まさか脱ぐとは思わないような名前だといいなと個人的には思ってます!
リョウゴ 楽しみです。
実は割と真面目です。
リョウゴ YouTubeに配信されている動画はものすごく真面目で、ちゃんと演技をされてるイメージがすごく多かったんですけど、なんかこう……ホームページのノリは違う(バカバカしい)印象がありました。パフォーマンスはどのように組み立てられて、どういう風に流れを作っているのですか?
本田 そうですね。多くの劇団が、いわゆる作・演出家だったりがいて、「その人の作品が好き」だとか「その人の演出が好き」だとか「その世界観を作りたい」っていう人達が集まって、劇団っていうチームになると思うんです。でも、短距離男道ミサイルって震災がきっかけで生まれたチームということもあり、「今僕たちは何ができるかな?」とか、「今東北からどんな作品を届けられるかな」というようなことを、みんなで話し合って作っていくっていうスタイルなんです。なので、テーマ選びもみんなでやっています。
あの手この手で皆さんのことを楽しませたいって気持ちは持ってるんですけど、根っこにあるところは割と真面目で。例えば、すごいこってりしたラーメンを食べた後には普通の水一杯が美味しいと感じることがあるじゃないですか。僕がいつも思っている短距離男道ミサイルの作品って、そんな舞台だと思っています。
リョウゴ 難しいですね(笑)
本田 なんの説明にもなってないかもしれない(笑)
リョウゴ 皆さんでテーマを考えてるっていうことですが、今回の演目に対してはどのぐらいの期間考えられたんですか?前回からの延長で考えてるという感じでしょうか?
本田 はい。2019年にはある程度登場人物だったりとか、あらすじぐらいのところまでは考えていて。今、どんなことしたら静岡の方に喜んでもらえるかなっていうのをみんなで考え始めているという感じですね。
リョウゴ じゃあ構想段階ってことですね。
本田 これから、ぐぐっと作っていこうかなと思っています。
青葉シンボルロードを飛ぶお尻の宇宙船!?
リョウゴ 今回のストレンジシード静岡で試したいことや、前とは違うところっていうのは何かあるんですか?
本田 2019年に伺った時は、実は、僕が初めて演出をすることになった時だったんです。5年が経って、少し作風が変わってきたり、メンバーが年取ってきたりといろいろあり。2019年のことを覚えてくださっている方も、そこからバージョンアップしたところをぜひ楽しんでもらえたら嬉しいなと思います。
今回スターウォーズをパロディにした「オチャーウォーズ」という作品ですが、やっぱり映画だと特殊効果やCGでいろんなエフェクトがあったりしますが、それを今回は全部人力でなんとか表現しようと思っています。
リョウゴ そうなんですね。すごい壮大なスケールを人力で全部やるんですね。
本田 ええ。全てアナログで。肉体を使ってどこまでできるかっていうところに。なので宇宙船とかもお尻で表現しようかなと思っています。お尻が青葉シンボルロードをびゃーっと飛び交ったりとかして強烈な戦いを。静岡市を守るために。
リョウゴ じゃあかなりのスピードでぶつかったりとかするってことですね。
本田 ああ、それいいアイデアですね!周りのお客さんに危害が加わらない範囲で、できる限りのスピードを出していきたいなと今リョウゴさんとお話ししていて思いました。
リョウゴ (笑)ありがとうございます。で、まぁあの結局脱がれるってことなんですけど、皆さんは結構鍛えられてたりするんですか?
本田 人によりますね。ありのままの姿の方もいれば、多少鍛えられている人もいたり、多様な肉体を楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。
リョウゴ フフフッ。じゃあそれは別に統一感はなくていいってことですね。
本田 そうですね。体の統一感はあまりないと思います。マインドの部分で心一つにして戦っていこうと思っています。
“短距離男道ミサイル” ってなんだ?
リョウゴ 今の本田さんのこの普段の(真面目な)感じと、舞台に立ってる(はっちゃけた)感じと、幅があるじゃないですか。それだけ振り切ると、みなさんテンションの差はどのように切り替えているんですか?
本田 どうなんですかね。うちの劇団は結構ハイテンションな作品が多いんですけど、そこに向かってこう徐々に助走をつけていくメンバーもいれば、一気にポーンってスイッチを切り替えてやるメンバーもいたりとかして。
リョウゴ 本田さんはどんな感じなんですか?
本田 僕はどっちかっていうとスイッチを切り替える方かなと思いますね。
リョウゴ じゃあそのスイッチを入れて上演し終わった後って、やっぱり疲れが来たりとかするんですか?それとも、やった後の爽快感だけで終わるんですか?
本田 どんな舞台でも疲れますね。でも作品で精神的な疲れはあまり感じたことはないですね。男子小学生みたいなヘルシーな作品が多いので、ヘルシーな気持ちで終わることが多いかな?今ヘルシーって言ったらだいぶ周りにいるスタッフが首を傾げているんですけど。
リョウゴ あ、そうなんですか。じゃあ周りのスタッフさんはヘルシーじゃないと思っているんですか?
本田 ヘルシーじゃないと思ってるのかな?どうですか?短距離男道ミサイルってどんな作品なんですかね?(スタッフさんへ問いかけ)…ヘルシーだと思ったことはないって言ってますね。
リョウゴ じゃあどういう作品だと思ってるんですかね?周りの方は。
本田 皆さんは、どんな作品だと思ってますか?(スタッフさんへ問いかけて聞く)一杯の水はまさにそんな感じだと。はじめは何食べてるかはわからないけど、水を飲んだら美味しかったということがわかるという。
リョウゴ ああー。じゃあ食べてる時は本当に、なんとなくもどかしかったり面白かったりいろんな感情が渦巻いてて、終わった後は「あー見てよかったなー」っていう形ってことですね。
本田 ……になるといいなぁと思ってます。初めて見る方は、最初はやっぱり困惑されている方とか多いですね。
リョウゴ あー、そうなんですね。
本田 何を見せられてるんだろうって。お客さんの客席の上に大きなはてなマークが浮かんで見える時があります。
リョウゴ それって、見ててどのぐらいでそういう反応になるんですか?見始めて5分ぐらいとか?
本田 いや、もうちょっとかかるかな?30分ぐらいすればだんだん皆さん慣れてくると思うので。今回の作品は30分なんでギリギリかなと思ってます。後半5分でこれが演劇なんだということを感じていただけたら嬉しいなと思います。
リョウゴ じゃあ圧倒的伏線回収もありつつ?
本田 そうですね。静岡の方だったら喜んでくださるんじゃないかなというラストを今準備しています。
リョウゴ あははは。本当ですか?楽しみです!
本田 ありがとうございます。
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