廃校のその先へ
2024年度うわじま市民ライターの他所畑（よそはた）です。
本稿は市より委託を受けた市民ライターとしての投稿となります。
宇和島市吉田町内５小学校の統合
宇和島市吉田町では、令和7年度に吉田町内に5校あった小学校が統合され、新吉田小学校が誕生します。
吉田地区小学校の統合について - 宇和島市ホームページ ｜ 四国・愛媛 伊達十万石の城下町
旧吉田町は昭和の合併によって、（旧々）吉田町が奥南村、喜佐方村、立間村、玉津村を合併してできており、それぞれの村に小学校があり、それが現在そのままの現在の小学校区を形成していました。
少子化により、それぞれの学校が複数学年を同じ教室に収める複式学級が解消する見込みがないとして、吉田町下の小学校はひとつに統合されます。
新吉田小学校は、現在の吉田中学校の敷地内に新たに建設されるため、５つの校舎が廃校となって「余る」ことになります。廃校のあとの活用について、市としては「主に地域住民による活用を期待したい」ということで11月に住民向け説明会がありました。
立地、校舎状況などは以下の図などをご参照ください。
で、説明会に出ましたが、正直なところ「こんな大きなハコを、地域に投げられて、そちらで維持してくれと言われても持て余す」という感じがありました。
近隣地区の廃校活用例
宇和島市内には、企業版ふるさと納税制度を使って小学校をリノベーションして民間企業運営のリモートオフィスとした石応（こくぼ）小学校があります。
宇和島市の隣にある西予市では、旧宇和小学校跡をシェアオフィス用に改築して運用しています。
こちらは木造校舎で旧宇和町にとってシンボリックな施設であったことから、宇和米博物館となり、その一部を西予市主体で、総務省のコンベンションで予算をとってきて、シェアオフィスとして一部を再改造しています。
ハコがあっても、知恵、情熱、資金、人員が投じられなければ、朽ちていくだけになってしまいます。人口減少で廃校となる吉田小学校について、それらを投じる意思や能力を持った主体が現れるのか？というと現状は明るくはないと思います。
誰だって、資金や組織や時間があれば「やってみたいこと」はありますが、
しかし、それがあれば「もっと有意義な、儲かるところにお金を使うべき」という言葉に耐えきれるのか？という問題が立ちふさがるでしょう。
私の願望、野望
個人的に「欲しいなぁ」と思う施設について書いていきます。
・オンラインテストセンター
昨今、資格試験の多くが、管理された施設のコンピューター上で受けられるようになっています。テストセンターは愛媛県の場合、多くが松山市にのみ立地しています。
そして、予約を入れられる日が少なく、受けられるのが平日限定の場合が多いです。東予では企業や一般社団法人がテストセンターを設置していますし、南予にも拠点的にオンラインテスト受験場を整備してほしいなぁ…と。
・シェアオフィス、撮影スタジオ
宇和島市内にはコワーキングスペースがあり、そこの小部屋で動画撮影・配信をしています。宇和島市は割と産業振興として市内事業者の勉強会などをやったりしますが、放送室もコンピュータールームもあるのだから、異業種交流や発信の拠点を整備できないものかなぁ…と。
・図書室・自習室
吉田町内には全国区の予備校が展開しているわけではないし、書店も教科書取扱店のみになりました。勉強をするという意味では、大人も子どもも、だいぶ頼りない環境です。
一方で蔵書を持て余しているという個人、図書館はたくさんあるわけで知の偏在を是正するためにも、場所を使って、寄贈ベースでテーマを決めて図書室や自習室を運営できないものかなぁ…と。
・ボードゲームスペース
ボードゲームカフェ、割と全国津々浦々で運営されています。結構不便を感じる場所でも、集めたゲームテーマや主人の個性を活かして運営をされておられます。
ふるさと納税でボードゲームを｜他所畑
以前こんな記事を書きましたが、日本にはけっこうローカルゲーム、地域かるたというジャンルに属するゲームがあちこちにあります。例えばこういう御当地ゲームを一同に集めて遊べる場所があれば…それなりに需要はあるのでは…ないかなぁ…と。
空白へ飛び込むためには
このうちのいくつかは、個人単位でも、それなりの時間とお金を使えば、実現できるのではないかと思っていて、準備をしようかと思っています。誰かやってくれないかなぁ…で誰もいないし、逆に、自分がやりたいといえば、それなりに空白が空いているのが田舎の良いところだと思います。
なお、市外、県外でも廃校を利用して、やってみたいことがあるという方は、絶賛募集中とのことですので、ぜひ吉田公民館か、または、
宇和島市立吉田公民館 - 宇和島市ホームページ ｜ 四国・愛媛 伊達十万石の城下町
宇和島市企画課にコンタクトをとって、トライしてみてください。