藩境の峠道の夕暮れ
2024年度うわじま市民ライターの他所畑です。本稿は宇和島百景展(2024年11月2日~11月4日開催 愛媛県宇和島市弁天町1-318-16)のPRの一貫として、宇和島の風景及び、市の取組である宇和島百景について述べるという投稿です。
私の住む宇和島市吉田町は、平成17年(2005年)年8月1日2005年、平成の大合併で宇和島市の一部となりました。吉田藩が宇和島藩から分地独立したのが、明暦3年(1657年)7月21日といいますから、348年ぶりの再統合ということになります。
旧宇和島市と旧吉田町の距離感について、紀行文の名手である司馬遼太郎はこのように書いています。
実際のところ、宇和島と吉田を結ぶ幹線国道である56号線は山肌を巡るように走っているため、道路を走れば十キロほどあります。吉田と宇和島を分ける境となっているのが、知永峠です。
10キロは車で行けば、30分とかからない距離ですが、知永峠の標高は82メートル、およそ20階建てのビルの高さまで、海沿いから駆け上がることになります。なるほど、動力源がなく、道の悪い時代に日常の生活圏を分断するには十分な地形障害だったのでしょう。
吉田に引っ越した当初、車を持たない私にとって、この地形障害は大いにその威力を発揮していました。1時間に2本ほどのバスを持ってしか、それを乗り越えられないため、商業施設が集中している北宇和島地区にアクセスできません。北宇和島には大型スーパーが3つ、ドラッグストアが2つ、家電量販店が2つ、ホームセンターが1つ、百円ショップが2つあります。
そこで、買い物は吉田町内のスーパー、ドラッグストア、コンビニ、道の駅で済ませるか、通販、生協の宅配に頼ることになりました。スーパーの2階にはそれなりに日用雑貨もあるし、食品も日々の生活で飽きない程度には揃えられます。
ただ、家電量販店は北宇和島まで出ないとありません。そこで一度、調子に乗って、自転車で知永峠を超えてみようとやってみました。結局、途中からは自転車を押して上り歩くことしかできず、二度とこんなことはやるものかと思ったものです。
ただ、帰りの知永峠から吉田湾を一望し、沈みゆく夕日は美しかったです。
そう、例えばこんなふうに。
宇和島市は宇和島百景という企画をシティプロモーションとして行っています。宇和島市の美しい写真を市で管理しており、宇和島をPRする目的で申請すれば、誰でも利用でき、商用利用も可能になっています。
サイトの背景として、自費出版物の表紙として、使ってみてはいかがでしょうか。
また、2024年11月2日~11月4日 道の駅 みなとオアシスうわじま きさいや広場(愛媛県宇和島市弁天町1-318-16)にて、宇和島百景から青をテーマにした作品を中心に、宇和島百景展が開催されます。こちらもよろしくお願い申し上げます。