新企画 「シンプル・プラン:第1回;塩水発電LEDランタンを試しに使ってみた。その1」(No.0213)
東日本大震災から10年が経った。
しかしそれでも日々備蓄用のセットなどを準備したり、日々緊急時に備えている人はそんなにいないのではないだろうか。
震災当時私は関東だったが家から離れたところで被災したため、帰宅は徒歩になり休憩含めて7時間以上かかった。
その時、自分の住んできた街があれほどの暗闇に包まれたのを見たのは初めてだった。
その後、節電なども叫ばれ暗い町並みが続いたが、それ以来マグライトなどの「明かり」の大切さに気づいた。
しかし乾電池が緊急時に一切手に入らなくなり、単3電池が数千円で販売される悲惨な状況を経験した以上、なるべくそこに関わらないものが欲しいと思った。
ランプやジッポー、ロウソクも良いがもう少し何か良いものはないか・・・。
その意識があったからなのか、ネットで『塩水発電LEDランタン』という商品を目にした。
そして下記の情報も得て、深く興味を持った。
・マグネシウム文明論
マグネシウム文明論 (PHP新書) (日本語) 新書 – 2009/12/16
矢部 孝 (著), 山路 達也 (著)
・ブログ
RAPT×読者対談〈第99弾〉原発も水素自動車もその燃料はただの水と塩。
だが、世間でも備蓄を怠りがちなように私もこれまで結局購入せずにいたのだが、このままではいけないと思い改めて調べ直した。
しかし調べても意外と出てこない。レビューなどがもっとあったり動画なんかもあるとてっきり思っていたが、全然出てこなかった。
アマゾンなどでも売っているものの、そこまで芳しい印象も無いしテレビを見ないのでメディアの露出具合もわからない。
だが、別段高いものではないので、それならやってみればよいか、というシンプルな考えからこの記事を始めることになった。
2021/02/17からテストをはじめた内容を多少まとめてこれから3回位に分けて一先ず上げていく。
また、この製品などの説明も必要かとも思うが、あえてここは適当にする。
この手の記事は前置きが非常に長く、鬱陶しいのである程度は省略する。
現在でも販売されている製品なので、そこは商品ページなどで確認してほしい。
(なお、この部分については実験終了後にまとめて書いています。)
今回使うものは日本協能電子の「Aqupa ; アクパ」。
これは大小あるうちの大きい方。
面白いことにこれと全く同じ形のものが他に二種類あった。
それもメーカーも違う。
おそらくこの手の商品で一番有名なのが、マクセルの「ミズシオン」だろう。
メーカーも商品も違うのに、なぜか形も全く同じである。
よくわからない。
実際に手元に届くと結構大きい。
妙にテカテカして見た目はチャチなプラスチックに見えるが、手に持つと固くて柔軟性は殆どなく、結構信頼出来そうな感じがする。
面白いのは持ち手のところが工夫してあり、引っ掛けるためのフックが内蔵されている。この部分は少し柔軟性のある樹脂だ。
上から塩と水を入れる。
それだけで点く仕掛けである。
極めて単純だが、この製品の構造はちょっと妙で、給水のための上の蓋が開くのはわかるが、その水を入れるための計量カップはというと、下の部分を回して外すとカップになるという仕組みである。
正直、これならば最初から上の蓋を計量カップにすればいいのではないか、と思うし、どうせなら塩を入れるスプーンも内蔵にすれば?と思った。
そして何よりも一番の謎は、このマグネシウム棒を取り付ける「仕掛け」だ。
この棒はキャップと一体になっていて、はずれない。かなり硬い。てっきりスポッと抜けるものかと思っていたがまず取れない。ガッチガチに固まっている。
この形状を考えると、普通はペットボトルの蓋のようにスクリューになっていると思うはず。
実際に上と下の蓋を取り外す時はしつこいくらいにグルグルと回したのだ。
だが、このいちばん大事な部分はというと、ほとんど回すことはない。90度どころか45度くらい回しただけで取り付けが終わってしまう。
とても違和感がある。
上から水を入れるため、この部分は開けると水が出る仕掛けである。
使い終わると中の水と捨てる必要があるので、その排水口の役割もあるのだが、それが45度クルッと回すだけで終わり。
水漏れの恐れを感じる。
だが実際は強く振っても水漏れはあまり感じなかった。
このマグネシウム棒は約50グラムある。持つと多少の重量感がある。
これを差し込む排水口を兼ねた差込口を覗くと、見づらいが真ん中に凹みのある板が見える。
そしてその両サイドには大きな金属の板が見える。
この部分は下の蓋を外すともっとよく見える。
ここはなぜか透明の素材になっているのだ。
このように、見た目はいかにもなランタンの形をしているが、細かく工作が仕掛けられているのだ。
だが、そのどれもがシンプルでアナログなものばかり。手にとった感じも含めて、電化製品の感じはまるでない。
振っても何も音がしないし硬い。神経質に扱わなくていい感じは悪くないと思う。
この手の製品は普通電池式だ。
電池が入っていると落としたりぶつけた時の衝撃で電池が外れてしまうこともあるので、どうしても丁重に扱ってしまう。
だが、これはその不安感が無い。LEDライトなのに中に水が入っているので動かすと「チャプチャプ」音がするのも不思議な感覚を覚える。
電化製品特有の堅苦しさに愛嬌が生まれている。
近いのは水筒だ。
まるで光る水筒を持っているみたいだ。
「壊れる」という意識が全く生まれてこないのが面白い。
適度な安っぽさも相まって、総合的には「安心感」がある。
あと、この製品にも電源があり、ON/OFFが出来る。
※ここからは実験時の記録を書いていく。
2021/02/17
20:36
実験開始
使ってみた。
塩は意外とたくさんいる(約15グラム)。ペットボトルのふたで2杯分くらい。
注意点は、水を入れるときには本体下部を回してあけ、その外した部分が水入れの容器となる。上蓋と下の両方を回して開ける必要がある。
ちなみに下のカップで2杯分(だいたい300ml)である。
現在なんとか点いた。
しかしあんまり明るくはない。
今回パワーバー(マグネシウム棒)を全て使い切る予定。これ1本で120時間使えるので、連続5日間使える。
22日の月曜日まで使える。
このまま電源を点けっぱなしにする予定だが、説明書によると定期的に塩水を入れ替える必要があるようだ。
しかし、この電源が疑問だ。
これはマグネシウム棒を使った製品だ。
電源を入れようが消そうが、結局は塩水に浸かったままなのだから、節約という意味においては無駄な気がするが、眩しいときは消せるのでまあ便利ではある。
説明書にも、使わないときはマグネシウム棒を取り出して水で洗うこと、などと書いている。これは面倒くさいと思う。
今回はとにかく点けっぱなしでどのようになるのかを単純に試す。
私には科学どころか理科の知識も全く無い。だからとにかく試してみる。
ちなみに本体周辺の温度が0度以下の時は塩の量を3倍にする必要がある。同梱のスプーン12杯分となる。
2021/02/18
0:03 (約4時間経過)
特に問題なく発光している。
目に痛い光なので、薄い紙などを貼って和らげたい。
先程、塩水を定期的に交換すると書いたが、どのタイミングで入れ替える必要があるのか説明書に書いてない。
2:21 (約6時間経過)
やはり変化なし。
2021/02/18
21:10 (24時間経過)
すでに1日経った。
しかし、以前変わりなく光っている。明かりの強さも同じだ。
水も変えていないし、塩も追加していない。
放ったらかしでも、ずっと点きっぱなしである。
その2に続く