【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.5 「今から数年後・・・」第10章 : 後編 Part.2 (No.0109)
後編 Part.1のつづき
新しい政府はこの狂ったカルト宗教の思想が「常識」となっていることに深く悲しみました。
学校で教わることの根本がカルト宗教そのものの内容であるということは、大人になって社会に広まる風習が全てカルト化してしまうことを意味していました。
種のうちから毒を混ぜることで、育った後につける実も毒入りということになるのです。
これで社会は毒まみれとなります。その中で毒をばら撒いている一部の上級国民と言われる支配者層だけが「まとも」でいられるのです。
彼らが毒を撒いているということは、つまり彼らだけが「嘘偽り」と「真実」の違いを知っているわけです。
自分たちだけがこの毒に騙されずに生きていくことが出来るわけです。
こうして過去の政府にすがり従うかつての支配者層たちは、多くの人々を愚かにし相対的に自分たちを優秀で賢くする方法を取り社会のイニシアチブを獲得し続けたのです。
本当に愚かで汚らわしい考えでした。
賢くなるのなら自分たちが努力すれば良いのです。
それなのに周りのレベルを下げることで自分たちの力を高めたのです。
新しい政府はこの悪魔の考えを永遠に忘れないことを誓いました。
こんなことはもう二度と、絶対に認めず許さないことを誓いました。
人々を愚かにする事は「犯罪」であると、彼らは強く認識しました。
そしてここから新しい政府は一気に攻勢に出たのです。
学校をきれいにするように動き出しました。
古い教員たちを徹底的に排除し、教材も指導要領も廃棄しました。
新しい政府は優秀でまっすぐな人々を現役教員からも一般の中からも募集し選抜しました。
驚いたのが、現役の教員たちにもたくさんの優秀でまっすぐな方たちがいたことでした。
彼らの中には老いた者もいましたが、涙ながらに学校での屈辱的な教育方針と、それによって苦しめてしまった生徒たちへの懺悔を語り明確なアイデアを持って新しい正しい教育に努めたいと熱を持って話すものもいました。
新しい政府は、やはりこの状況は子供にも大人にも毒であったと再認識しました。
引退した方たちも正しく優秀ならば採用しました。
こうして集めた人達で教科書や教育方針、その方法から就学の期間やクラス編成、時間割まで、完全にゼロベースで話し合い決めていきました。
どうすれば子どもたちに負担が少ないだけでなく、まっすぐ正しく賢く幸福になれるのかを話し合いました。
連日大変な時間を燃え上がるような熱量で彼らは話し合い、また個人個人が研究しました。
新しい政府は、ここにこそ今後の未来がかかっていると確信していました。
彼らには何一つ心配すること無く人々の未来を作り出せるように手厚くサポートしました。
同時に現在の毒に塗れた状況も徹底的に改善していきました。
嘘偽りをばらまく事をすぐに辞めさせました。
現場の人員も、選抜した優秀な者たちに取り替えました。
人数が足りない部分は、威圧感を与えない優秀でまっすぐな警備員や警官で埋めました。
何しろ学校は暴力の渦です。それを正しい力で食い止める必要がありました。
新しい教育方針がまだ決まらない間は、大胆にも授業をストップしました。
毒をばらまく位ならお休みにしてあげようと決めたのです。
さらに、校舎も校庭も警備員の見回りを前提に開放してあげました。
また自然に触れ合うことや身体を使って遊ぶことを促すために、自然の多い場所へ連日遠足や旅行に連れて行くように手配をしました。同時に軍隊のようにならないために暴力的なサバイバルや組織体型を叩き込むことは決してしませんでした。
あくまでのびのびとハイキングの楽しさを大切にするように常に注意しました。
新しい政府は、彼らから毒を出させたかったのです。
毎日2食も3食も給食や飯盒炊飯をしてあげました。
子どもたちは大変喜びました。連日の経験であっという間に料理も道具の扱いも、裸火の扱いもうまくなりました。
子どもたちの瞳にだんだんとまっすぐな輝きが蘇ってきました。
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