「シンプル・プラン:第1回;塩水発電LEDランタンを試しに使ってみた。その6」(No.0220)
マグネシウム式の塩水発電LEDランタンの使用感想記事
(過去の記事:その1,その2,その3,その4,その5)
これから2回目のアクパのテストをしてみる。
今回は、前回のミズシオン同様にアクパで定期的な水換えを行い、一体どれくらい使用できるのかを確かめたい。
前回は水換えをしなかったせいか、途中からライトが暗くなっていき使用に耐えるものでは無かった。
だがミズシオンで分かったとおり定期的な水換えで明るさを保つことが出来るので、使用に耐える明るさを維持しつつどれ位の期間を連続して点灯出来るのかを試す。
問題は水換えをするタイミングだが、これは前回のアクパのテストで分かった情報を使って決めようと思う。
前回は4日目を過ぎたところで暗くなったので、ここで水交換をするのが良いのだと思うが、しかし元来この製品は120時間の連続点灯、つまり5日間しか持たないものなので、4日まで待つとなると1回しか水換えが出来ない。
ミズシオンのときのように、水換えと同時にマグネシウム棒の減り具合も調べたいので、ここは2日に一度水換えをすることにする。
48時間毎に変化が見れれば、だいぶ良いと思う。
早速始めようと思うのだが、今回そのテストを行う前に少しやっておきたいことが2つ出来た。
ひとつはマグネシウム棒の調査。
もうひとつは眩しさの調節だ。
前回の実験で、マグネシウム棒はキャップにネジで止められていることがわかった。
と、いうことはひねったら外れるのではないか?という疑問が浮かんだのだ。
以前はガチガチに固まっていると考えていたのだが、それは実態がわからないために遠慮があったのだと思う。
しかし正体が分かったとなれば遠慮は無い。
力を入れてひねったら外れるはずなのでこれをやってみたい。
そしてもうひとつは明るさの調節だ。
この製品は元々とても暗いので大して調節の必要は無いのだが、LEDライトというのはどうしても目を刺すような刺激がある。
調べると、これは決して目に良いものでは無いようだ。
こんな暗い製品であっても、やはりチラッと目に入るだけでも刺激を覚える。
これを緩和させたいと思うようになった。
この製品の使用環境は、緊急時に生活の明かりとして使われることが想定される。
そうなると強力な明かりによる刺激はストレスの問題を生んでしまうと思う。
ブルーライトというものが安眠を妨害するなどと言われるように、LEDライトが不快感を生み出し緊急時の生活に更なる負担を与えるのは良くない。
そこで何とかならないか、と調べたところ、「光拡散シート」というものが販売されていることが分かった。
これはクリアなLEDライトの周りに貼り付けて明るさをぼやかすシートである。
これは良いと思ったが、ただのシートでもなかなかの値段がした。
しかし考えてみればこんなものは別のもので代用が出来そうだと気づき、ネットで探したところ「トレーシングペーパー」を使っている人がいたので真似することにしてみた。
今回使ったものも結構良いものなのだが、正直もっと安いものでも良いと思う。
これをこの透明なライト部分に合わせて切って(高さ約9,5センチ)、両面テープで貼ったらあっという間に完成。
そして次にマグネシウム棒のことを調べてみる。
壊しそうでちょっと怖かったが、ひねったら案外簡単に外れた。
前回も確認したが、根本にはネジがあり、その周りにはゴムのような透明の輪っかがあった。この2つで重さのあるマグネシウム棒を支えているようだ。
案外簡単なもので出来ている。
しかし、ここで少しトラブルがあった。
もとに戻そうと思い、自前のグルーガンで止め直してみたが、中のネジがプラスチックのキャップ内部で固定されておらず、クルクルと回ってしまいマグネシウム棒がなかなか安定しないのだ。
仕方なく多めにグルーガンで固定してから本体にはめ込み、水300mlと塩約15グラム(ペットボトルのキャップですり切り2杯)を入れて電源を押したのだがLEDが点灯しない。
だが、これはもう原因は一つしか無い。
マグネシウム棒を固定するためのネジとキャップ内部の金属部分の接触が甘く、通電していないのだろう。またはグルーガンの接着剤が邪魔しているのかもしれない。
手間であったが、もう一度外し、グルーガンの跡をナイフで引き剥がして接着剤無しでフラフラしたままに本体にはめ込んだのだが、それでも点灯しなかった。
何度かやったが上手く行かず、悩んだ末に前回のミズシオンで使い終わったマグネシウム棒のキャップだけが残っていたので、そっちにマグネシウム棒を合わせてみることにした。
何とかクルクルとネジにマグネシウム棒を回し入れ、やや不安定な状態だが本体にはめ込んだところ無事に点灯した。
(光拡散シートの代わりにトレーシングペーパーで明るさをぼやかした。目を刺す刺激が無くなり光が穏やかになった。)
やはりこんなものでも電化製品である。接触は大切なのだ。
何とか点灯したが、しかし暗い。
トレーシングペーパーを付けたことで目には楽になったが、やはり益々暗くなった。
だがとにかく出来たので、これから実験開始となる。
今後48時間毎に水換えをしてマグネシウム棒の様子も見ることにする。
〜約2時間後〜
なんと消灯していた。
水換えをしつつマグネシウム棒を確認する。
多少使用感が出ている。
排水してマグネシウム棒を外す。
やはり原因は内部の接触だろう。
どうするか?
この古い方のキャップではだめだろう。
ならば新しい方のキャップの外側を壊して、中からネジを締めるかテープで固定するしかない。
あまりトルクの出ない役に立たないドリルで穴を開けてみた。
するとやはり内部には金属板が埋め込まれていた。
そこまで穴をあけ、ニッパでこじ開ける。
やはりそこには一般的なナベネジが埋め込まれていた。
これなら簡単だ。
マグネシウム棒をしっかりとネジで固定する。
このネジとマグネシウム棒とこの金属板が通電に必要なのだが、前回マグネシウム棒をひねって分解したときにこのネジが緩み、金属板との接触不良を起こして消灯してしまったのだろう。
ガッチガチにネジを回して再度塩水を注水。
無事に点灯した。
無事で良かったのだが、先日から気になっていたとおり心なしか初回実験のときよりも暗い気がする。
前はもっと目に辛い刺激があったと思ったが。
しかしこれで取り敢えず完成だ。
最大の謎のキャップ内部もよく分かった。
予想通りではあったが、このトラブルのおかげでしっかりと確認が出来た。
では実験は改めてここから仕切り直しとして、1回目の水換えは48時間後に行う。
〜48時間経過〜
(1回目の水換え)
1回目の水換えを行う。
かなりのカスが出ている。
中は1回目の実験の時に発生した汚れがこびりついていてとても視界が悪い。
排水すると相当に濁っている。
マグネシウム棒はガビガビとなっている。
水を捨てて残ったカスを確認すると、面白いことが分かった。
今回のカスは真っ白ではなく、砂のようにサラサラとしたものになっていた。
(紙コップに入れた砂状になった排水のカス。明るさを変えて見やすくしてあるが分かりにくい。)
これは今まで見たことが無いものだ。
しかしこれまでの経験でなんとなくこれが何なのかが分かる。
取り敢えず何度か水を注ぎ洗浄を行う。
だが前回の実験でこびり付いたカスのせいか上手く行かない。
そこで今回急遽、このこびり付いたカスを洗浄することにした。
その方法も、内部へ歯ブラシなどを入れて掃除する作戦ではなく、
「クエン酸」
を使った洗浄法を使う。
この方法を知ったのは、実は別のマグネシウム式塩水発電LEDの説明を読んだからだ。
どの製品かは思い出せないが、その製品には予め塩が添付していた。
だがその塩には確かクエン酸も含まれているとのことだった。
そしてその理由に「カスをきれいに取り去る為」という記載があったと思う。
つまりこのカスはクエン酸で落ちるということだ。
それを今回やってみる。
適当な量のクエン酸を入れて水を注ぐ。
だがここで失敗した。
入れた量が多すぎて水が落ちて行かなくなったのだ。
これは実は塩でもまま有ることである。
でもクエン酸は塩以上に溶けが悪いのか、全然落ちていかない。
仕方ないので一度フタをして上下に振って無理やりに落とした。
しかし上フタの隙間からクエン酸水が漏れてきてベトベトになった。
これはよく拭かないとサビや故障に繋がりそうだ。
しかし何とか下まで落ちた。
そして更に良く振って汚れを落としていく。
すると、みるみるカスが溶けていった。
(ぼやけているが上下についているものが、前回の実験から付いている排水で出しきれなかった白いカス)
(クエン酸を入れてよく振るとドンドンとカスが溶けていく)
やはりクエン酸の効果は凄かったし、あの説明は正しかったのだ。
そして上下に振ったり回したりを繰り返したところ、ピッカピカになった。
新品のようにクリアになった。
(クエン酸で洗浄した後。見事に新品のように綺麗になっている)
ちょっとうれしい。
排水して今度は真水で2,3度すすいだ。
ここでも面白いことが起きた。
クエン酸水の排水を、さっきの排水を入れた紙コップに捨てたところ、僅かだが発泡し始めていた。
これは想像していたとおりの現象だった。
今回、排水したときのカスがまるで砂のような形状だったのは、想像だが恐らくは崩れたマグネシウム棒がほとんどで、実際は大して電子を失っていなかったのでは無いかと思っている。
いつもは真っ白になるカスが、まだマグネシウムの色を残したままサラサラと砂になって沈殿していたのは、単に酸化したりして形を保っていられなかった事が原因かと思う。
もしきちんと電気を発生させた後のカスならば既に性質が変化してしまい、クエン酸と混ざってもガスが出ないと思う。実際に洗浄中はそのような事は見られなかった。
クエン酸とマグネシウム棒は一緒になると確か水素を発生させるはずなので、それが出たということはまだ変化する前のマグネシウムが生きたまま崩れたからだと思う。
では何できちんと白いカスにならずに砂状に崩れたのか?
こんな事は今までにはなかった。
それは正確にはわからないが、今回使ったマグネシウム棒はだいぶ前から触ったり開けて出したりして酸素に沢山触れる機会があったせいかなぁ、と感じている。
とにかくまたしても面白い事が分かった。
本当に色々と出てくる製品だ。
後は塩水を入れ替えて終わり。
無事に点灯。
次回は再度48時間後となる。
ちなみに今回の減り具合からみても、あと3日で終了するとはとても思えない。
果たしてどれくらい保つだろうか。
その7に続く
【ほかにはこちらも】
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