【楽園の噂話】 Vol.27 「地獄からの脱出」(No.208)
地獄、抜け出せないもの。
地獄はそこから抜けだそうとするものを妨害する。
気にしなくて良いどうでもいいものに気づかされ、抜け出すための行動も知恵も気力も失われ奪われる。
何かを知ることが知恵や知識であるが、それによって狂い、苦しみ、過ちへと進むこともある。
救われなくなることもある。
知識は知識であって情報に過ぎないが、誤った情報が時に人を迷子にさせ死に追いやる。
ただ知っている、ただ教えてくれる、ただ使う。これでは死に向かうことになる。
知識も経験も知恵も大切だが、それが人を地獄に導くこともある。
地獄では、ぬけ出よう這い上がろうとするものを引きずり降ろし、気持ちを折るための無限の細工と技術が施されている。
それに気づいてもがき工夫をこらしても、また引きずり降ろされチャンスを失い心が挫ける。
賽の河原の石積みなんて世界中で続いている。
地獄の罠には飴が使われる。
苦しい世界なのだから、そこにひと粒の飴を求める気持ちが芽生えるのは当然だが、その心の動きもまたトラップであり、そこにあるはずのない飴を求めさすらうように予め組み込まれている。
厄介なことに時折飴が見つけられるようにも出来ているのだが、そんなものはこの地獄での苦しみの前には完全に焼け石に水となり、なまじ見つかるものなのだから余計に希望を抱いてしまい益々の地獄の沼にハマっていく。
だから、ここに気づかないとならない。
地獄にあるものなんてゴミしか無いことに。
そして今現在、ここが地獄であることに。
地獄のキャンディは癒やしを与えず地獄の水は飲むほどに喉が焼ける。
つまりは地獄にあるものは得ることで却って苦しみが増すことが多く、そんなものは手放すほうがましだ。
でも手放すだけでは救いにならない。
地獄から抜け出すためのハシゴ、シャベル、明かりはどうして手に入る?
誤った知識が人を迷わせる。つまりは嘘だ。
嘘が人を地獄へ追い落とす。
だから本当のこと、正しい情報、真実が人を救う。
地獄に落ちている木の棒。
そこではただ人に暴力を振るうためにしか使われないものでも、組み合わせることでハシゴになる。
だが、そのハシゴの作り方を地獄は隠す。
教えない。
間違った方法を教える。
正しく行うと妨害する。
地獄で隠されていること。
知ろうとすると邪魔されること。
知って行動するとバカにしてくること。
積極的に別の方法を教えてくる…
ならばそれはかえって正しいことを保証する。
ハシゴは棒と縄で出来ているが、棒と縄があるから出来るのではないのだ。
そこには大きな根本がある。
それがあってやっと救いのハシゴが誕生する。
その根本は、正しくなりたいという想いだ。
その想いが正しい情報、真実を探し出し見つけ出すのだ。
そしてそれを正しく活用でき、完成したものを正しく使うことで目的を達成するのだ。
救うのは棒でも縄でもない。
その前にある正しいハシゴの作り方でもない。
正しくなりたい、そう願う想いからはじまる。
その想いが正しい情報や真実を探し学ぶことで、自分の考え方も心持ちも意識も変わる。
それが新たな生き方の姿勢を作る。
誰かに教わる。
誰かに吹き込まれる。
誰かに囁かれる。
誰かの言いなりになる。
誰かと同じに振る舞う…
こんなことを断ち切ることが出来る。
新たな姿勢は、自分で探す。
自分で調べる。
自分で考える。
自分で行う。
自分で失敗する。
自分で確かめる。
自分で使う。
自分で進化させる。
これを妨害する者たちや、これを批判する者たちが溢れていて、これが出来ない環境であるなら、そこは言うまでもなく地獄だ。
人はずっとそこにいると、それが当たり前に感じてくる。
たとえ不合理であっても、苦しくても、損であっても、無様であっても、不自然であっても。残酷であっても。
それしか知らないならば、なおのこと疑問すら生まれない。
だから気づくことが出来ない。
歪んだ家に住む人は、まっすぐに建てられた家を見て不思議に思う。
今、生まれた子供はマスクをすることに疑問を持つことが出来ない。
異常であることに気づくことが出来ない。ワクチンの問題にも気づけない。
父親の振るう暴力の中で育った人が、暴力に違和感を感じないように。
タバコのポイ捨てを毎日見てきた子供が、いずれ疑問を持つことなくタバコを吸って街に捨てるように。
歳は関係なく、周りに流されることをやめ、立ち止まって正しさを求め考えなければ永遠に続く。
いつか、何処かで終わりが来る。
そんなことはない。
地獄は永遠に続いてしまう。
続けたい人がいるのだから、地獄の渦を続けることで得するものがいるのだから、絶対にとまらない。
地獄が止まるのを待つのでは終わりは来ない。
地獄を止める、その意志があってのみ地獄を終わらせることが出来る。
【楽園の噂話】 Vol.27 「地獄からの脱出」
おわり
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