「シンプル・プラン:第1回;塩水発電LEDランタンを試しに使ってみた。その2」(No.0214)
その1の続き (その1はこちら)
前回、日本協能電子の「Aqupa:アクパ」を実際に使用するところから書き始めたが、今回はその続きとなる。
今回も前回同様に当時の記録をある程度まとめた形で出していく。
現在も別のテストを行っており、そこからも様々なことがわかった。
そのなかには当時ではわからなかったことも有るため、実際とは異なる記述もあるが、それはあまり修正などはせず記録しておく。
あと、もちろんだが別にメーカーからなにか貰ったりなど一切していない。
ただただ興味から始めたことです。
(以下は前回のつづき)
2021/02/19
20時00分 (2日経過)
変化なし。
48時間経った。
丸2日何もせず点灯中。
2021/02/20
23時00分 (3日目)
72時間を超え、75時間を経過した。
この中に入れているマグネシウム棒は120時間持つ事になっているので、一応折り返しを超えたのだが、しかし一度も塩水の交換をしないで後半に入るとは思わなかった。
相変わらず変化なし。一切手を入れていない。
あまりに変化がなさすぎて書くことが無いほど。
明るさにも勿論変化なし。
2021/02/21
20時00分 (4日目)
96時間連続点灯となる。
光は弱まったのだろうか?
よく分からないが見事に点灯中。
4日連続点灯。それも完全に手放しだ。
繰り返すが一度も水の入れ替えも、塩の追加もしていない。
正直中のマグネシウム棒の様子を見てみたい。
しかし、グッと我慢して今はテストに専念する。
2021/02/22
3時00分
ついに明るさが落ちた。
写真には写らないと思う程度だが、明るさは確かに落ちている。
LEDを目で直視する事と、前まではかなり目を痛めたが、今はそれなりに直視出来るくらいになっている。
つまり大体100時間を超えると明るさを決める発電力は目視で確認出来る程度に落ちる事が分かった。
本体の中のマグネシウム棒は、恐らく殆ど溶けてしまっているのだろう。
あれだけ重さを感じる程の大きなものが溶けてしまうというのは不思議な気がする。
ここからは消化試合と言うところだろう。
結局、そうなると塩水の追加や交換は一切必要は無いと言う事なのか?
今、改めて確認すると、明るさは感覚的に3分の2か、やや大げさだが半分くらいにまで落ちていると言っても良いかもしれない。
さっき、ジェントス社の乾電池式LEDランタンをアマゾンで見ていたが、単1を3本でエコモードだと240時間持つものが売っていた。
勿論明るさは遥かに強い。
そうなるとこのマグネシウム式のメリットは何なのか?と疑問が湧く。
マグネシウム棒は電池と違い汎用性がまるで無い。
緊急時に追加で取得はほぼ不可能だ。
わざわざ弱い灯りのマグネシウム式を使うメリットなんか無い気がする。
電源ボタンはあるものの、電源のオンオフも、事実上存在しない。
マグネシウム棒を節約するためには一度マグネシウム棒を抜いて棒と中をキレイに水洗いする必要があり、再度使う時は水と塩の追加も必要だ。
これはとても手間のかかるものだ。緊急時に塩や水が豊富にいるし、何よりもマグネシウム棒が無いと意味はない。
うーん。
これを使うメリットが湧かない。
ただ、これは感想に近いが、使ってみて思うのは、放ったらかしで良いところだ。
電池式はどうしても気を使ってしまう。節約を意識してしまい気疲れする。
でもこっちはなんというか、オンオフに手間がかかるのもあってか、諦めがつく。
ライトに限らず電化製品はどれも気を使うところがあり、特に電池式で緊急時なら尚の事だと思うが、これはまるで気を使わない。
何だか電化製品を使っている感じが全く無い。
不思議な感じがする。ロウソクを使っているような気分だ。
アナログな感じ。
電化製品に感じる「動」の感じが無い。
LEDなのに「静」の感じがするのが何とも面白い。
近い感覚で言うなら、手回し発電のライトやラジオを使っている気分。
切れても不安にならない。また回せば良いから。
その安心感や信頼性に近いと思う。
アマゾンで他の塩水発電の物を見た。
その中の1つにスマホの充電が可能な商品があった。
説明を読むと付属品の中に塩の小袋があったが、その中にはクエン酸が添加されていると記載があった。
マグネシウムの粒をクエン酸に漬けると3分で表面が貴金属のようにピカピカになる。
つまり強力に溶かすのだ。
もしかしたら塩水でなくクエン酸なら、恐ろしく早くマグネシウム棒が溶ける分、取り出される電力も増えるのでは無いだろうか?
それならライトで無くスマホの充電にも本格的に使えるかも知れない。
20時00分 (5日目)
ついに120時間を超えた。
一度も塩水の追加も交換も無し。
流石に明るさは目に見えて下がった。
でもまだ点いている。
2021/02/23
22時00分 (6日目)
写真では分からないが、目に見えて暗い。
直視しても問題無くなった。
もう消えるだろう。
気温の関係で点灯の継続時間に誤差が生まれるらしいが、明るさは減じるものの公称どおりに活用出来る。
電池式と比べてメリットがあるのか考えているが、ジェントスの電池式は単1が3本でかなり重いし、事前に準備しているなら良いけど、緊急時にどれだけ単1電池が手に入るのかは分からない。
また乾電池には単1や単2など型の違いがあるから合うものが必要分手に入る保証はない。
マグネシウム棒も同様で、どっちにしても事前の準備が必要だ。
ただ、乾電池とちがいマグネシウム棒はほぼ劣化しない。
また同時に塩と水も用意することになる。
これは余計な手間が増えるように感じるが、どちらも緊急時に役に立つ物なのでセットで用意する癖が付けばメリットと言えなくもないか。
それにしても、もう目に見えて暗い。
風前の灯火だ。
しかし明るさは減じたはといえ、公称より1日余分に光ったし、まだ一応継続中だ。
改めて考えてみると、明るさはとても電池式には及ばないが、緊急時はむしろこのマグネシウム式の方がメリットはあるのではないかと思える。
強烈な明るさは無いものの、明かりはしっかりと長く獲得出来ている。
2021/02/24
23時00分 (7日目)
もうかなり暗い。
しかししぶとく点いている。このしぶとさは特徴だと思う。
私の経験上、乾電池のライトなどであったらこの位使用残量が減ったならばとっくに消えている。
でもマグネシウム式は、とてもいじらしく灯りを灯し続けている。
これも緊急時は大変な強みだ。
僅かでもあると無いとでは大違いだから。
2021/02/25
23時00分 (8日目)
未だに点灯中。
明るさにもほぼ変化なし。
大したものだと思う。
緊急時のものとしては、こっちに歩があるかも知れない。
2021/02/26
19時00分 (9日目の1時間前)
未だに点灯中。
やはり先日との変化は分からないほど。
だが明るさは既に電灯の豆球程度になってしまっているが、ずっと点いている。
2021/02/27
12時00分
未だに点灯中。やはり電灯の豆球程度が継続している。
ふと、この程度の明かりが緊急時にどれ程有り難いものになるのかを考えた。
構造上電源のオン・オフは出来ない。してもマグネシウムは減るからだ。
勿論邪魔な時はボタン1つで消すことも出来る。
しかしどのみち減るがゆえに点けっぱなしでも罪悪感も湧かない。
そしてその薄明かりであっても、不安で何ら目印も無い緊急時には、本当に嬉しい頼れるものになるのでは無いかと思った。
23時00分 (10日目)
あっさりと10日目に突入した。
しかし明るさはもう電灯の豆球よりも薄暗い。
だが、10日も一切手をかけずに点きっぱなしとは驚きである。
この事実を知っている人はどれ程いるのだろうか?
何だか嬉しい。
2021/02/28
20時00分 (11日目)
もちろんのように点灯中。
明るさには変化を感じないが、しかし暗いし役に立たないレベルなのは間違いないだろうが、この明るさだって無ければ暗闇だ。
これだけだって人の存在を示すことが出来ると思う。
2021/03/01
20時00分 (12日目)
変わらず点灯中。
もはや驚きもない。
しかし興味は深まる。
たしか4日目から暗くなっていったと記憶しているが、下降線に入ってからも長々と点き続けている。
2021/03/02
23時00分 (13日目)
更に明かるさは減じているのがわかる。
もう風前の灯火だ。
でも点いている。
ゼロでは無い。
これは大切だと思う。
2021/03/03
(14日目)
画像のみ
2021/03/04
2時00分 (15日目)
まだ点灯中。
ふと思ったが、恐らく途中でやはり塩水の入れ替えが必要だったのではないかと思う。
マグネシウム棒は、塩水との反応で電気を作るのだが、恐らくは途中で塩水と反応し終わっているのだと思う。
反応する塩水が無くなったからダラダラと点灯しているのではないだろうか?
しかし、今はとにかくテストとしておこう。
どのみち、こうした疑問だってやってみないことには出てこなかったのだから、この事に気づけただけでも実験した甲斐がある。
2021/03/05
1時00分
ついに明るさももう限界に来た。
今日、明日が峠だ。
18時00分 (16日目の2時間前)
遂に消灯。
なんと放ったらかしで約16日間連続で点灯した。
これを知っている人は少ないだろう。
その3につづく