「シンプル・プラン:第2回;動画で見た磁石のプロペラを作って試してみた」(No.0226)
以前にこの動画を見て、一度試してみたいと思っていた。
それから少しずつ材料を集めていて、それが大体集まったので早速試してみた。
動画をそのまま信用する限り、作り方は簡単だ。
必要なものも、グルーガンと中古のCPUファン、そしてネオジム磁石とファンを固定する土台くらいだ。
動画のとおりに作ってみた。
今回私が使ったネオジム磁石は動画よりも薄いが大きいと思う。
かなり強力だ。
ファンも大きい。
ファン一枚一枚が少し丸みを帯びているのでくっつくか不安だったが、こちらのグルーガンもかなり強力で心配いらなかった。
早速完成した。
きちんと回転するかを確認する。
うん。問題なくファンは回転する。スムースだ。
では試してみる。
何とこれが残念なことに、動画のようにはいかないのだ。
何故か?
その原因は、実際に試したので分かる。
磁石には2つの極が存在している。
同じ極だと反発しあい、違う極だとくっつき合う。
今回、ファンの上に付けた磁石は、全て同じ極を上に向けてくっつけている。動画でもそう見えたので倣った。
そして、ファンに付けた磁石の向きと、「反発」するように手に持った磁石をファンに向けて近づけたのだ。
そうすると、ファンに付いた磁石は「反発」して、
『ファン一枚分』だけ奥に追いやられる。
その分だけファンは『移動』するのだ。
そこまではいい。
だが、そのあと次にやってくるファンはどうなるかというと、
『ファンの裏側』がこちらにやってくることになる。
全ての磁石を『同一の向き』にくっつけているので、ファンの裏側がこっちに近づくということは、今度は
『反発せずにくっつく動作をする』
と言う意味である。
そうなると、今度は『くっつく力』で
ファンは回らずに『固定されてしまう』のだ。
たとえ、はじめに指で勢いをつけても駄目だ。
必ず『くっつく力』で止まってしまうのだ。
動画の中でも時折ファンが『ブルブルッ』という妙な挙動を見せる瞬間が有る。あれである。あれは磁石がくっつこうとするときに起こす動作である。
どう頑張っても駄目だった。
なかなか上手くはいかないのだ。作り方に工夫がいるのだろうか?
しかし一応今回は、限りなく動画に忠実にただやってみたはずだ。
これはしかし、本来ならば『やらずとも考えれば分かる』ようなものな気がしてくる。
あの元の動画では動きがおかしいのだ。
磁石はくっつく力と反発の力が同じだけ働いている。元は同じだからだ。
だが、あの動画を見直すと、反発して回転する力だけが存在しているのだ。
本来は、くっつく力もあるのだから、あのようにはならず、私の結果のようにバランス良くそれぞれの力が働き、結果ファンは回転せずに『固定』されるのだ。
これはちょっと考えれば分かる話だった。
しかし、こんなことでもやってみないと分からないのだ。
(何とかしてファンを回転させようとしている様子。
反発を与えたりするために手に持っている磁石は、反発とくっつく力の両方が同時に連続して発生するために、指には『ブルブル』とした震えが発生している。)
当然だが、逆にくっつく方向に向けてやっても結果は同じである。
もしこの作り方がおかしいのなら仕方がないが、そうでないとしたら私の結論はこれである。
この動画は嘘だ。
なかなか希望が持てる動画だけに、私がこの結論を出すのは辛いが、しかしやってみた経験からはこの結論しか出せない。
残念だ。
しかしやってよかった。
強がりではなく、本当にやって良かったと思う。
あの元の動画を見た人はどれくらいいるのかは知らないが、それを真に受けて実際に試した人はかなり少ないはずだ。
もちろんやらずとも解った人も多数いるだろう。
しかし私のように信じた人も少なくないはずだ。
でも、こうして試すために準備して、実践した。
そしてその結果もこうして書いて発表した。
結果は希望に沿わないが、しかしこの経験にはとても満足している。
当たり前に思っていることも、よくよく確かめると間違っている、なんてことはたくさんあるのだと改めて思い知った。
「シンプル・プラン」:第2回
動画で見た磁石のプロペラを作って試してみた (No.0226)
おわり
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