【獣人処方箋】 Case.20 「獣人農場」 (No.0211)

 人は昔から生活の糧を得るために農業を営んできました。

私達の今の生活だって1次産業である農業無しには成り立ちません。元来、家畜も作物も現在私達がいただくものとは違って小さかったり硬かったり臭みがあったり毒があったりしましたが、しかしこれも長い努力によって品種を改良し美味しいものに育て上げてきたのです。

大変な労苦と手間暇のかかる作業のおかげで私達は生きてこられました。

これは誰にでも出来ることではありませんが、誰にでも必要なものです。


しかし世の中の役に立つ農業以外に獣人が日々行う悪しき農業があります。


粗暴で愚かな彼らでも出来る、いや彼ら悪人だからこそ可能な農業もあるのです。


その獣人たちの農業は都市で、街で行われます。以前も書きましたが、彼らは人の中でしか生きられません。彼らは人に紛れてコソコソと姑息にしか生きることは出来ませんし、彼ら獣人たちの農業にはたくさんの普通の人たちが絶対に必要なのです。


彼らは街で農作業を続けてきました。もちろん現在も毎日かかさず手を入れています。



彼らにとっての作物は人間です。


彼らは街の中で、自分たちに利益をもたらす弱い人間を丹精込めて育てているのです。

彼らは日々、苦しみや痛みを世の中にばら撒き「肥料」として、作物である人々を弱く愚かになるよう育てているのです。

なぜならその弱った人たちをこき使うことで自分たちの利益を作り出すからです。彼らは自分たちでは何も出来ません。何も作り出せません。

いつだって騙したりルール違反をしたり力づくだったりして、不正を働くことで生計を立てて来ました。彼らは愚かで能力も無いのです。努力して結果を出すなんて不可能です。
ですから当然普通の真っ当な人と対峙すると勝てません

真っ当な人たちは彼らの嘘や暴力に対して反抗します。反撃をしてきます。獣人たちの共通点として後先を考えていないというのがあります。また、多くが不正行為ですから、少し調べられたり反撃、反抗されて事態が拡大すると、一瞬にして混乱して身内で責任を押し付け合い崩壊してしまうのです。


だからそうならないように、彼らは自分たちが安心して食べられる作物を育てるのです。


そのために使う肥料嘘、痛み、不正、詐称、偽善、恐怖、脅迫、隠蔽、罪、悪です


これを日々コツコツと怠ることなく世の中にバラ撒いて獣人にとって良い作物を育てているのです。

そしてこれによって苦しめれ、肉体も精神も心も頭も悪くなった人たちが、獣人たちによって刈り入れられる。

獣人たちにとっての収穫期がやってくるのです。


人々を意識的に苦しめて、それが獣人にとって利益になるのです。


つまり人の苦しみや痛みを喜ぶ連中がいるのです。それは今に始まったことではありませんが、とても身近にたくさんいます

人を苦しめると利益が出てをして儲けが出るのです。その仕組みがあり、積極的に活用するものがおります。

ですからもし苦しみや痛み、悩みや絶望などがある人は、それは特定の悪人、つまり獣人たちによって創りだされたものである可能性があるのです。
これはおかしなことではありません。



考えるまでも無いと思います。

実際に街へ出ればすぐに気づくはずです。

弱く苦しんでいないのであれば、一体誰が時給800円でレジを打つのでしょうか?

痛みや苦しみが無い人が危険な土木作業を小銭で請け負うでしょうか?

嘘を教えこまれていない人が、老体に鞭打って真夏でも真冬でも関係なく路上で危険な交通警備を行うでしょうか?

不正が行われず平等が実現されているのであれば、経済的な困難にある人は誰でも生活保護の受給や公団への入居が可能のはずではないでしょうか?

学校が本当のことや本当に大切なことを教えているのであれば、ブラック企業へ入社するでしょうか?

本当のことを知り賢くなった人たちならば、民間でも公共でも不正を行ったり企業倫理、社会倫理に反する行為を見逃したり促したりするでしょうか?

日本に限らず世界的にも数十年間言い続けている社会的な問題が未だに解決されずに引きずっているのは、その問題点こそが利益となり特定の悪人、獣人たちに良いからです


そしてそれを継続するため、その問題に触れたり考えたり出来なくするためにも、獣人たちは嘘、痛み、恐怖、罪、悪という毒の肥料をばら撒き続けるのです。


人々がその毒によって弱り苦しみ、自分以外のことや自分自身のことまでも考えられなくなれば、この獣人の田畑はいつまでも豊かに潤い実りを与え続けます。

逆らう力もなく、日々のことだけしか考えられないならば、獣人にはとても居心地が良い安全な世界になるのです。


獣人は決して強くないし当然賢くもありません。以前に何度も書いているように獣人は仲間同士で常にいがみ合っています。
だから真っ当な反論や批判や反撃をされると、途端に態度を翻し姿を変えるのです。

反論批判、そして家族や職場や責任者へ報告や通達、そして通報賠償などの極めて当たり前の行動を取った瞬間に、獣人たちの農場は荒れ果て崩壊します。

もし退治が必要となったときは、彼らには理がありませんからどうぞ冷静に真っ当な言動で対応してください。



ですが彼らに出会った時の基本は、距離を置いて逃げ出すことです。


お気をつけ下さい。




【獣人処方箋】 Case.20 「獣人農場」 (No.0211)


おわり


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