【シンプル・プラン】シリーズ 第3回 「塩水発電LEDランタン用のマグネシウム棒を自作してみた その1」(No.0228)
(塩水発電LEDランタンを使用したレビューについては、
を御覧ください。
今回はその製品の燃料棒を自作する内容となっています。)
通販でマグネシウムロッドを買った。
これを使ってアクパを点灯させてみたい。
というのも、現在アクパの専用マグネシウム棒が手に入りづらい状態になっている。
在庫が品薄なのだ。
本体もかなり手に入りづらく、そしてマクセルのミズシオンにおいてはもう殆ど本体含めて在庫なしだ。
そして、その在庫も復活する見込みはない。
正確には送料無料のものが在庫薄で、送料有料で定価より高い在庫がある状態だ。
つまりどちらも本体はまだ有るが、追加の燃料であるマグネシウム棒は手に入りづらいのだ。
また、いずれにしてもこの追加のマグネシウム棒が結構高い。
ミズシオンのパワーバーは高くて1本1000円する。
アクパは少し安くて定価が大体1本700円だ。
しかも、それぞれのパワーバーは実はほぼ同じ製品で、実際は試していないがどちらの製品にも使えると思う。
つまり全く同じものなのに、値段が違うのだ。
釈然としないがそうなのだ。
何らかの方法で本体を手に入れたとしても、肝心の燃料が手に入らなければ使い捨てである。
これでは意味がない。
それに少しでも安くしたい。
と、言う訳でこれを自作出来れば、と考えたのだ。
私はこの製品を何度も試してみて結構詳しくなってしまった。
このタイプの製品をこれだけ使用した者もいないと思う。
構造もだいたい解ったのでこれを活かしてみようと思った。
はじめに書いたマグネシウムロッドは、安いところだと1本送料込みで300円くらいで買える。
もしこれが使えたら、また使えるように細工が出来たなら、かなり安くしかも気軽に手に入ることになって利便性が大いに上がると思う。
今回、手元にあるアクパの公式マグネシウム棒と、通販から買ったロッドを比べてみた。
(上が公式、下が通販で買ったマグネシウムロッド。)
公式の方はキャップが付いているので若干比べづらいが、調べてみると全く同じサイズであることが解った。
(公式のパワーバーの重さ。キャップ付きで約46グラム。)
(今度は通販で購入したマグネシウムロッド。重さが約34グラム。)
(通販のロッドと使用済みの公式のキャップを同時に測ると、約47グラムになる。これは公式のパワーバーのサイズとほぼ同じ重さである。)
(上が公式のもの。長さもほぼ同じだ。)
(右が公式、左が通販のもの。直径もほぼ同じに見える。左のほうがバリが有るのが分かる。)
(直径を測る。少しズレているが通販のロッドは直径が約17ミリ。)
(こっちは公式のもの。こちらはバリ取りがされているが直径はほぼ同じ約17ミリだった。)
重さも調べた。
これも全く同じであった。
棒の直径も同じだ。
つまり、もともと公式がこのロッドを加工してマグネシウム棒を製作しているのだと考えられる。
と、なると間違いなく使えるということだ。
だが、問題は『通電』である。
公式のものは、以前に調べたとおり、キャップからネジが出ていて、そのネジがマグネシウム棒に開けられたネジ切りにはめられ、そこからLEDへ電子を流しているのだ。
しかし、これと同じことを個人でやるのは簡単ではない。
金属マグネシウムは大変に硬く、加工は容易でない。
更に金属マグネシウムは粉末化すると爆発炎上する。
そもそも、このマグネシウムロッドは、サバイバルなどのキャンプの時の焚き火起こしに使われるものだ。
それも水では消せない。
酸素を遮断しないとならないし、水をかけると更に爆発するはずだ。
つまりかなりの危険物だ。ただ固まっている分には全く問題ない。
したがってカスや粉末などが出るような加工は控えたほうが良い。どちらにせよ出来ないが。
実はこの通電させることが結構困難なのだ。
この通電の問題をより簡潔にするため、キャップの構造と本体の構造を上手くそのまま利用しつつ、その燃料部分だけを変更する。
つまり肝心なのは燃料部分との通電箇所だ。
従って取り敢えずこんな感じで試してみようと思う。
手近にあった長いネジと、使用済みのキャップから出ているネジを銅線で繋ぎ、端をハンダでくっつけた。
キャップに内蔵されているネジと線をハンダでくっつけた。
そしてその逆を長いネジとハンダでくっつける。
だがこっちはなかなかくっつかない。
何とか強引にやったが、果たして上手く通電するか心配だ。
そしてその上からグルーガンで固定する。
これはくっつけるというよりもコーティングの意味が強い。
銅線が塩水でやられないためにやってみた。
だがそのせいで仮に失敗しても修理が難しくなった。
そして最後にこの長いネジにマグネシウムロッドを固定する。
それもこのように単純にやってみた。
輪ゴムは安直すぎる気がするが、しかし塩水に強く、ロッドが変化していっても常にテンションをかけてネジとの接触を維持してくれるし、安価だ。
取り敢えずこれで完成。
これをアクパの大サイズに装填する。
入り口は案外すんなりと入った。
だがアクシデントが発生した。
奥行きが浅いために全部入り切らない。
ネジの頭分だけ長い。
本体内部にはマグネシウム棒を支えるためにアクリルの板が立っている。
これを中からひん曲げて何とか無理矢理に入れてみる。
そのため、装填した改造マグネシウム棒が斜めになってしまったが、どうにか入った。
だが裏側のアクリル板に穴が空いてしまった。
アクリル板を曲げたことで根本にダメージが出てしまった。
この部分をグルーガンで埋める。
これで何とか完了だ。
塩と水を入れて電源を入れた。
だが、残念ながら点灯はしない。
更に水漏れが発生してしまった。
やむを得ずすぐに中止、水抜きをして片付けた。
大変に残念な結果である。
だが、水漏れが無ければもっと長く確かめられた。
今回は失敗したが、色々と分かったこともある。
やはり通電させる接触部分が一番の要だ。
今回、ありあわせのネジをマグネシウムに輪ゴムでくっつけたが、このネジをもっと確かなものにして再度やってみたい。
しかしこのグルーガンだらけのキャップは何とかなるだろうか?
このキャップは再利用したい。
その2に続く
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