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Manila revisited~Wanderland Music Festival② David Lindleyの訃報、そして、失いかけていたあの熱狂を、それぞれの手に手繰り寄せるために。
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マニラ2日目。フェス日和、よく晴れるが、暑さが心配になる。
程なく、SNSのタイムラインで、David Lindleyの訃報を知る。
デビッド・リンドレー、麻田浩さんを通して、沖縄では2回ライブをやらせてもらった。会場は那覇市久茂地にあったCLUB D-set。そのうち一回は、THE WALTZのローリーがゲストで出演してくれた。
最初に来た時は、前乗りで松山の「海遊亭」という居酒屋に連れて行った。ほかにもいろいろ行った気もするが、まるで記憶がない。兎にも角にも残念でならない。心より哀悼の意を表します。
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13:00開場ということで、13:00過ぎにホテルを出るがまだゲートはクローズしたまま。それにしても暑い。体感33度。会場内に入って、真っ先に水を手に入れる。会場は2つのステージがほぼ横並びで建っている。後方にはスポンサーブースと、飲食エリア、アートのエリアもある。
ライブの感想をいくつか。
Leo Wang(台湾)。
寺尾ブッダさんのBig Romantic Recordsから日本盤のアナログも出ているので、名前は知っていたがライブは初見。音源を聴いて勝手に思っていた印象とはまるで違って、とにかくアクティブなパフォーマンスで目が離せなかった。ヒップホップベースでレゲエを交えて披露された楽曲は言葉の壁もなく、会場でも大ウケだった。
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YLONA GARCIAは、フィリピンのR&Bシンガー。現在は、アメリカがベースでまさに飛ぶ鳥を落とす勢いの"88rising"から音源をリリースしている。DJと2人だけの編成で、自由過ぎるステージを見せてくれた。彼女を追うカメラマンの多さが、その人気ぶりを示しているようだ。
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"MEN I TRUST"は、カナダ・モントリオールのインディー・ポップバンド。聴いていてとても心地よい音が実に印象的だった。個人的には大貫妙子さんの曲が透けてみえるように感じられた。4月には東京と大阪で日本ツアーもあるそう。改めてちょっと気になる。(大阪は売り切れとのこと)
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BLAMING TIGER(韓国)。
ヒップ・ホップをベースに、K-POPを含むあらゆる要素が盛り沢山で、とにかくエネルギッシュなパフォーマンス。これはウケないわけがないという感じ。強烈なエナジーをストレートに放出するというのは、今や韓国のアーティストのお家芸的な感じになりつつある気がする。芸風とも言えるのかもしれない。
陽が落ちる頃、トイレから出てきた時に、1月に会った地元のヒップホップ・ミュージシャンWaiianとそのパートナーとバッタリ会う。Rude-α、¥uk-Bとのコラボの話もしたかったのだが、写真を一枚撮って人混みに紛れてしまった。それにしても1万5,000人と言われる観客の中で会えるなんて驚きだ。このプロジェクト自体の吉兆に違いない。
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Sunset Rollercoaster(台湾)。
コロナ前にモンゴル・ウランバートルのPLAYTIME FESTIVAL、台湾・台南のLUCfestで聴いて以来、三度目のライブ。余裕と凄味が増して、安定感も抜群に。演奏もパフォーマンスも一段も二段も上がったように感じる。今やアジアを代表するインターナショナル・バンドの一つであることに疑いの余地はない。余裕が生まれて様々な意味で自由になった気もする。
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お腹も空いたので、終演を待たずに会場を出る。昨夜行ったストリートフードの店で、Tapsilogを注文する。牛肉を甘辛いタレに漬けて焼いた料理。昨夜食べた豚肉料理、Tocilogの牛肉版といったところか。週末のためか高校生でいっぱいになったテーブルの隅でいただく。
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"Wanderland Music Festival"、ブッキングのバランスの良さは、Johnのセンスだろうか。どのアーティストも素晴らしく、しっかりとキュレーションがなされた印象を受ける。欧米のアーティストもいるが、ブッキングの軸になるのはあくまで、地元フィリピンとアジアのアーティストだ。昨今のアジアのアーティストの勢いを考えると、当然のことと言える。そこに日本のアーティストは一組もいないことはちょっと残念だが、見方を変えると、日本、あるいは沖縄のアーティストの席はまだそこにあるということなのだと思う。
それぞれのアーティストに対しての、フィリピンのオーディエンスの反応の良さは非常にビビッドだ。中にはあまり知られていないアーティストもいるはずなのだが、どの出演者に対しても等しく熱い拍手と声援が贈られる。
今回のフェスの正式タイトルは、"Wanderland Music Festival / The Comeback"。そこには主催者、アーティスト、スタッフ、観客。それぞれがコロナ禍で失われたフェスの帰還を一緒に祝福し、作り上げようという強い意志がある。失いかけていたあの熱狂を、それぞれの手に手繰り寄せるために。