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第62回十字の下に
93代のみなさん、チアリーディング部だけの幹部の代で、歴史をつないでくれて本当にありがとうございます。これに尽きると思う。
この団祭で93代は引退となり、次の世代にバトンタッチをする集大成のイベントである。楽しみにしていた反面、この日が来たら終わってしまうという悲しい気持ちもあり複雑な心境だった。
団祭の中でも団員が話をされていたが、なぜ自分たちの代はチアリーディング部しかいないのか、他の学年や他大学を羨ましく思ったこともあったという。同じ応援団とはいえ、リーダー部や吹奏楽部の長をチアリーディング部の幹部がやること、やらざるを得ないことはお互いにやりにくかったことはあったのだろう。自分たちの代が幹部になったときは、必然的にこうなることはわかっていたが、もしかしたらあまり考えないようにしていたのかもしれない。
慣例として団祭を終えて幹部が交代になる際には、現幹部が新幹部を任命するらしい。93代の幹部任命の時には泣き崩れてしまった団員もいたようで、今回に関しては他部の長を務めるというのは相当なプレッシャーがあったんだと思う。
また吹奏楽部責任者は吹奏楽部と一緒に演奏していたが、これは4月から楽器を一から練習して演奏していたとのこと。ということはチアリーディング部と吹奏楽部を兼部していて、単純に考えて他の部員と比べて練習量は2倍だったということ。応援団の方は、私たちが思ってる以上に練習している。にも関わらず、その2倍の練習量ということ。頭ではわかるのだけれども、それってどういう生活だったんだろうか。
神宮に通って気づいたのは、応援団の保護者同士が知り合いのようで、家族のサポートなしには到底できないのだと思った。大学在学中にサークル生活だった私には、それはとても新鮮なものに見えた。
お金を得るための仕事でもなく、こんなに何かに一生懸命打ち込んでる姿を見て、思わず涙ぐんでしまった。
「泣いてもいいんだよ」
不意に隣の席の知り合いに言われた。そうか、バレていたのか。誤魔化していたつもりだったんだけどなぁ。
大人になってこんな感情を抱くのも悪くはないと思いながら、大学の正門にあるツリーを眺めて帰路に着いた。