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ストーリーテラーズ式インタビューの極意―|ライター ヤマダが語る「準備」と「深掘り」の大切さ


インタビューの成否を分けるのは、「事前準備」と「深掘り力」と言われます。
相手の想いや背景をいかに掘り起こし、魅力的なストーリーに仕立てあげられるか。
今回はストーリーテラーズで多くのインタビューを担当しているヤマダに、惜しみなくそのノウハウを語ってもらいました。
「オンライン取材ならではのエピソード」や「思わぬ話題が飛び出した時の対処法」など、実践で役立つヒントが満載です。
インタビューの奥深い世界を、一緒にのぞいてみましょう。


インタビュー前の準備から始まる「ストーリー作り」


高野:今日は、ヤマダさんがいつもどんな事前準備をして、どんな流れでインタビューを進めているのかを教えてもらいたいと思っています。ぜひよろしくお願いいたします!

ヤマダ:ありがとうございます。私もこれまで取材を重ねる中で、失敗して気づいたことがたくさんあるんです。まずは「誰に向けた記事なのか」ターゲットを定めるのが最初のステップです。
たとえば社内向けなのか、求職者向けなのか、取引先などステークホルダー向けなのかで、求める情報や切り口が変わってきますよね。そこをしっかり押さえたうえで、“どんなテーマだったら読者は興味を持ってくれるか”を考えながら、インタビューする人を決めます。

高野:なるほど、まずテーマありきで、そのテーマにぴったり合う人をピックアップするわけですね。逆に先方から『この社員にインタビューしてもらいたい』というリクエストがある場合は、どんな風に調整していくんでしょう?

ヤマダ:そこはお客様が“なぜその社員さんを選定したのか”“どのエピソードを書いてほしいのか”を事前に確認するようにしています。意図や期待値をすり合わせることで、『あれ、この記事に書きたかったのはそうじゃなかった』というミスマッチを減らせるんですよね。主軸となるテーマをぶらさないためにも重要なやり取りだと思います。

質問リストは「仮説」を明確にして作る


高野:なるほど。その後はインタビュー用の質問リストを作るわけですよね。その際、工夫している点はありますか?

ヤマダ:私はまず“こういうストーリーを書きたい”という仮説を立てます。たとえば『この人の転職での苦労をメインにするか』『アルバイトから正社員にキャリアアップしたストーリーを軸にするか』などですね。とはいえ頭の中だけで組み立てていると足りない部分が出てくることもあるので、社内チャットやAIに『他に聞いたほうがいい項目はないか』と相談するようにしています。

高野:なるほど…やはり、インタビュー前の段階である程度“書きたいストーリー”を想定しておくということですね。でも実際には想定外の話が出てくることもありますよねぇ?

ヤマダ:あります、あります。『実はこんなエピソードがあって……』といった補強材料になる話が飛び出してきたり、全然違う方向で面白い展開になったり…。私が担当するお客様で、『うちは上場はしない』という話が出てきたのですが、それも取材の後半にふと『そういえば御社は…』と聞いたところから出てきたんです。

高野:たしかに…。そういった想定外のエピソードが、実は記事を書く上での肝になったりしますよね!

インタビュー当日のコツは「目的の共有」と「安心感」


高野:インタビュー当日、気をつけていることは何でしょう?相手がインタビューに慣れておられない場合も多いですよね。

ヤマダ:そうですね。ですのでまずは“今日は○○向けのコンテンツを作りたいので、こういう話をぜひ聞かせてください”と目的をしっかり伝えるようにしています。そうすることで、お相手が話す軸をつかみやすくなるんですね。
また『もし記事に載せたくないことが出てきても、後でカットできますから気にせずお話しください』とも伝えるようにしてます。“なんでも書かれるかも”って構えられると、どうしてもお話される内容が薄くなってしまうので。

高野:たしかに、最初にそうお伝えすると、安心感が生まれますね。質問リストを渡していても、細かく読み込んでくる人ばかりじゃないですもんね。

ヤマダ:そうなんです。ですからインタビューの最初に“今日はこんな流れでお話を伺いたいです”と改めて説明しておくことで、お相手が話の道筋を見失いにくくなる。すごく大事なポイントだと思います。

「苦労話」を掘り下げることで共感を得る


高野:インタビューで必ず聞く定番の質問はありますか?

ヤマダ:“苦労話”は必ず聞きますね。どんなテーマであっても、必ずその人の挫折や失敗を尋ねるようにしています。たとえば“1日の流れ”がテーマでも『この日が一番大変だった』とか『過去にトラブルがあった』といったエピソードが、読者の共感につながるからです。完璧なサクセスストーリーだと“本当かな?嘘っぽいな、キレイすぎるな”と思われてしまいますし、共感しづらい。“失敗からどう立ち直ったか”を知るほうが人間味があって面白いですよね。

高野:なるほど…。でも自分の失敗ってあんまり人に言いたくない気がしますが…結構皆さんお話してくださるものですか?

ヤマダ:意外とお話してくださる方が多い印象です。もちろん『あまり思い当たらないなぁ』という凄まじくポジティブな方もおられましたが(笑)。たいていの場合は“そういえば昔、こんな大変なことがあって……”とお話してくださるものですよ!

複数人インタビュー(座談会)の難しさ


高野:一方で、インタビューで難しいなと感じることはありますか?

ヤマダ:一対一のインタビューは比較的やりやすいんですが、座談会形式になると一気に難しくなります。オンラインだと特に、誰がいつ話し始めるかが被りがちですし、MCのように振り分けを意識しないと収拾がつかなくなります。Aさんがずっと話して、今度はBさんが長く話して……というふうに、バランス取りが難しいんですよね。そこはまだまだ修行中です。

高野:なるほど。オンラインだとアイコンタクトもしづらいですし、話し始めるタイミングがかぶることも多いですよね。

ヤマダ:そうなんです。オフラインであれば目線を合わせて“どうですか?”って振れますけど、オンラインだとどうしても見えにくいし、ラグもある。でも、その分「なるべく一人ひとりにきちんと発言を振る」という意識は高めるようにしてます。

深掘りによる「記憶の底からの発掘」


高野:インタビュー中はストーリー(記事)のライティングイメージを持ちながら、常に話をお聞きしている感じでしょうか?

ヤマダ:基本的には仮説に沿って質問しますが、当日は“インタビューの完結”に集中しています。相手が何気なく言った言葉でも『それ、どういうことですか?』とすぐ深掘りできるように。
その場の疑問や興味を優先して聞くと、思いがけない“お宝エピソード”が出てくるんですよ。お相手も『あれ、そういえばこう考えるようになったのはいつからだっけ?』などとお話されるうちに、忘れていたエピソードが掘り起こされたりして…そこが面白いですね。

高野:なるほど、話し手の“記憶の底”から宝探しをしている感じですね。ということはやはり、インタビュー自体は楽しいですか?

ヤマダ:はい、楽しいです!相手の考え方や経験を深く知れるのが好きなんです。掘り下げた先に“あ、ここがキーポイントだったんだ”ってつながると、こちらも達成感がありますし、相手との距離がグッと縮まる気がします。

高野:第三者だからこそ、聞いてみるとポロッと出てくる本音や意外な話ってありますよね。皆さん素直にお話ししてくれるのは、ヤマダさんの“聞き上手”な雰囲気の賜物かもしれません。

ヤマダ:ありがとうございます(笑)。でも、冒頭で雑談感覚でいいんですよとお伝えしたり、前もって参考記事を見せてイメージしてもらうことで安心してもらってるところも大きいと思いますね。

高野:確かに!“こんな記事になります”と共有しておくと安心しますよね。いやー、私も見習いたいポイントがたくさんあります。これからも、お互いインタビュースキルをどんどん高めていきたいですね!

ヤマダ:はい!私自身、まだまだ座談会など複数人でのインタビュー進行は課題も多いと感じています。今後はオンラインでもスムーズに会話がまわる技術を学びたいですし、“この人からもっと面白い話を引き出せた”と言ってもらえるようにスキルアップしていきたいですね。取材を受ける方が『意外と自分ってこういうこと考えてたんだな』と新たな発見をする瞬間を、もっと作り出していきたいと思っています。

インタビュー後記


今回のインタビューを通して、ヤマダのインタビューへのこだわりが改めて明確になりました。特に“苦労話”を聞いてストーリーに厚みをもたせる点や、取材相手への安心感づくりは、すぐにでも真似したい部分です。

私自身、インタビューは“準備がすべて”だと思いつつ、やはり当日の深掘り力が肝になると再認識することができました。これからもお互い刺激し合いながら、“読んでくださる方の心に届く記事”をたくさん生み出していきたいですね!

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