風のような歌い手ー白夜 楓(びゃくや・かえで)ー流星の如く現れたspoon配信者の歌い手。ーA.T.gεm後輩アイドルグループSto.La.viー
AWAで認知されてきた「A.T.gεm(えーてぃじぇむ)」というチームNACSのような俳優配信者ユニットに、憧れてなんとーSto.La.viーという声劇グループがspoon配信者の中に現れる。彼は他にもローブ、というspoon配信者では声劇で主演を演じる夜風 響輝(よかぜ ひびき)ともタッグを組み歌うし、突如流星のように現れ、巻き込まれたのは私だ。
私は去年の暮れ、10月にはspoon企画から退く準備をし、後輩配信者や信頼出来る推したちにあとを託し、spoonを卒業し、小説サイトへ拠点を動かす準備をしてきた。
私の連載声劇の境界線の彼方へ、を演じてくれた俳優配信者ユニットのA.T.gεmは、AWAという音楽アプリへ進出し、名前を認知させている。
そろそろ隠居かなぁ、と、楽できるかなあと4年しかしてないspoonの配信アプリから退こうとしたとき、「彼」は現れた。
🐶「わん!」
・・・・・・・彼は「イヌカテ」と言い放った。
「は?」
イケカテは、聴いたことがあるけど、イヌカテ、犬カテって何?!わんこ系男子?!な、なんなんだ、このひとは。
朗読CASTが無駄に上手いというか、いい声質をしていて、歌い方に癖があるけど、とんでもない声量で歌い上げている。
それはまるで「風のような歌声」竜巻?!ブリザード?!タイフーン?!突き抜ける風だった。乙女ゲームなら「アンジェリーク」光栄の出しているゲームキャラクターのランディだ。風の守護聖ランディのように、無邪気に笑いながら風の術を使うんだろう。
な、な、な、なに?!リアルというか2次元じゃなくて3次元というか、ランディとか風使いのような人間なんてこの世に存在しないと思ってきた。
な、なんて無邪気、なんだろう。歌声に喜怒哀楽が全部詰まっていて、少年のまま、輝く童心を消されることなく、そのまま純朴に真っ直ぐ真っ直ぐ育ってしまったというか。
「ダメだよ、ことねぇ。ここに居て」
え?!え、まってまってまって!!
ま、まさか!!!
振り向いたらそこには、彼の仲間、すとらび、やらローブやらにゃん太くんやら、彼のリスナーやら四方を囲まれていて。
い、いつのまに?!?!
「ここで君は歌を聴いて、その心の闇を、払うよ。僕の光の声が風のように突きぬけていくよ」
そんなことは、一言も言ってないです。これは
↑↑↑比喩です。まさに、彼の歌声は、闇を切り裂いて、風のように突き抜けて、光を差す。
呆然。
ま、まってよ、私、境界線の彼方へとか終わらせて、ここでspoon企画はもう・・・・・・・。
「ダメだよ?!」
なんでっどうして!!!
「ほんとにそれでいいの?」
私は、好きな物や好きな人や好きな推しを好きになりすぎると怖くなる。失うことが怖くなって、距離を取ろうとする。離れようとする。離れて寂しくて泣いてしまうくせに。耐えられないくせに。
そういう自分の気持ちに気づかないように気づかないようにしてきて、人は本当に嫌になるとその場から離れる。どんな手段を使っても。どう思われても。それでもそれをしないのは、できないのは。
好きだから、だ。その推しが。そこが。そこに居たいたからだ。
そういう、昔、こんなことあったな。
柴犬のチャッピー。私が小学校一年生の時飼っていて、私が泣いていると、寄ってきて、舐めてくれて、ずっと横に座って私が泣き止むまでそばに居てくれた愛犬。
いや犬やねん。
楓くんは犬じゃないよ!
でも、ほんと、なんというか
そうか、これが「イヌカテ」か。