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手紙:恋文を宝箱へ仕舞う
拝啓、貴方は私が貴方を好きだったことを薄々気づいていたかもしれません
最後まで気持ちを言わずに、あの日私は
振り絞って心を鬼にして
『貴方のことはもう好きじゃない』
「なんで俺と結婚しないんだ」と泣いていた
5つ年上で見た目もカッコよくて
背も高くて
会社に自分のファンクラブがあって
モテる
自慢の彼氏
それが最後は息が詰まるほど苦しかった
もう楽になりたかった
痩せていないと彼の言う理想の女の子に近い存在でいないと
振られるとか
捨てられるとか
怖くて
無理なダイエットをして
仕事も切り詰めて
好きな読書も出来てなくて
趣味は理解して貰えず
自分は私を束縛しまくるのに
私が貴方を独占しようとすると嫌がるの
━━━━━━━━ねぇ自分勝手過ぎない?
貴方はカッコイイし
モテるし
ファンクラブもある
だからそこから
好きな女の子見繕って自分の彼女に
したらいい
私を大切にしない
━━━━━━━━━違う
大切にされていたけど
それは分かっていたんだけど
ごめんねついていけなくなった
浪費家でギャンブルが好きな彼は
きっと元カノにも注意されていたんだろう
あとは出張が多くて
デートもほぼ出来ない
ブラック企業勤務で
ただ返信はいつも早くて
私を不安にさせないように
してくれて
だけど
自信が……なくなっていって
自分のお給料をスカッと使い込んで
私のお給料たしても足りなくて
今はいいけど
子どもとか先のことを考えると
不安しか生まれない
だけど好きで別れたくなくて
だけど一緒にいると2人でダメになっていく
2人で良くなって行けたら良かったよね
「おまえは優しいから……俺を好きじゃなかっただろ……好きじゃないけど惰性で付き合っできたんだろ」
なんでだろう
好きだったよ
別れ話しているいまこの瞬間も
お互いに自信がなくなっていくと
お互いを疑っていく
そして疑われていくうちに
貴方は二股をして
私を振るのを待っていた
貴方はひとりで居られない寂しがり屋だから
好きだけど
さよなら、するよ
「おまえは別れがなにか分かってない」
うんそうだね
わかってなかったよ
生きていても会えないなら死んだのと同じなのだと
好き、でした。
ただ、別れてよかったことは
『生活のお金の心配をしなくていい』こと
半年すぎたら忘れていった
時間が癒してくれる
どんなに好きだとしても