ニュージーランドの親主体による子育て支援「プレイセンター」
ニュージーランド発祥の子育て支援「プレイセンター」
ラーニングストーリーが生まれたニュージーランド(NZ)。
国が定めたカリキュラムをはじめ、乳幼児教育施設の形態、行政のサポートや評価など、日本の保育教育・子育てのヒントになることが多々あります。
今回は、乳幼児教育施設の中でも、親が主体となって運営される「プレイセンター」をご紹介します。
プレイ"パーク"とは違う:親たちの協同保育活動として創始
という声も聞こえてきそうです。
違います、「プレイセンター」です。
プレイセンターとはNZで生まれた親子のための「遊び」と「学び」の場です。
第二次世界対戦中に、孤立しがちな母親を支える親たちの協同保育活動として創始されたそうです。
親子で遊ぶ、また時には子どもを預ける(他の親が保育者となる)、また自身が保育者になる、という、親の多様な参画を実現している子育てコミュニティと言えます。
親自身も運営に関わりながら、子育てについて学ぶ、またカイアコ(マオリ語で「保育者」)としてのキャリア育成にも繋がっています。
プレイセンターを支える3つの柱
というのも、プレイセンターの3つの柱が関係しています。
親による自主運営
子どもの自主自由遊び
親のための「学び合い」
運営においては、現役の親メンバーだけでなく、「スーパーバイザー」 と呼ばれる資格者が活動をサポートしています。
親自身のキャリア育成にも貢献
特に「学び合い」では、入門〜キャリアアップまでの一貫したカリキュラムがあり、そのカリキュラムを通して、子どもの発達の捉え方や声かけ、接し方などを学んでいきます。
NZ現地では、自身の子育ての参考にするだけでなく、そのカリキュラムを修了することで資格取得もでき、親のキャリア育成に貢献しているそうです。
評価基準を満たせば、行政からの補助金も得られる
幼稚園や保育園などと並び、NZ政府が認可している幼児教育施設となり、評価局による評価基準を満たせば、行政から補助金が出るという仕組みです。
国による乳幼児教育カリキュラム『テ・ファーリキ』にも基づいて保育が行われており、ラーニングストーリー(保育ドキュメンテーション)も作成されています。
NZでも母親の社会進出が進んでいることから、一時期より減っているというものの、現在、400以上のプレイセンターがNZ国内に存在しています。
日本におけるプレイセンター活動
日本では、2000年にNZプレイセンター連盟より公式に認められたかたちで日本プレイセンター協会が発足し、スーパーバイザーの育成やプレイセンターの設置支援などを行なっています。
現在は北海道から九州まで全国で約 15カ所のプレイセンターが活動をしています。
子育て支援の選択肢として
ただ、日本では、行政の支援を受けない任意団体での運営が多く、また、常設の施設を持たずに公民館などを拠点として活動するプレイセンターも多いようです。
当事者である親が主体的に関わる
地域の中に居場所を作る
繋がりの強い子育てコミュニティをつくる
これらを実現する子育て支援として、NZでは当たり前の選択肢として存在するプレイセンターに、ぜひ注目して欲しいです。
2023/1/21:日本プレイセンター協会主催によるシンポジウム開催
この度、日本プレイセンター協会主催によるシンポジウムが開催されます。ストーリーパークジャパン(株式会社グローバルパートナーズ)は後援させていただきます。
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