カタチのヒミツ
「それではこれより昼休憩に入る!」
「は!」
俺はとある国の陸軍に所属するマコロ。
今は訓練中で、これから昼飯だ。
今日は軍から支給されたこれ、コンビーフだ。
俺はこの濃い味付けと独特な風味が大好きなんだ!
リュックの中からコンビーフの缶を取り出し、プルトップに指をかける。
カシュッと小気味良い音が響き、蓋が簡単に開いた。
「頂きます」
プラスチックのフォークを差し込み、一口。
「うんうん、この味!」
俺はコンビーフの味を噛み締めながら、ラベルをまじまじと見つめた。
その時、
「…台形?」
俺は気づいてしまったのだ。
なぜコンビーフの缶は台形なのか?と言うことに。
普通、缶詰と言ったら丸型だ。
例外と言えば、スパムだが、四角いスパムも上から下まで同じ幅だ。
なぜコンビーフは下が広くて上が狭いんだ…?
気になるともう食事どころではない。
俺は必死に理由を考え始めた。
「積みやすいから?」
「いや、バランスが悪いだけだろ…」
「スペースが節約される?」
「いや、開いた隙間に何かが入るとは思えん…」
こうして頭を悩ませているうちに、
「それでは昼休憩を終了とする!
全員並べ!」
昼休憩が終わってしまった。
結局コンビーフを1口しか食べていない俺は、その後空腹で訓練に身が入らなかったことはいうまでもない…
* 4月6日 コンビーフの日 *
1875年のこの日、コンビーフの台形の缶が特許登録された。
中に肉が詰めやすいように工夫されて、独特の台形の形になった。
引用:今日は何の日(https://www.nnh.to/04/06.html)
[ あとがき ]
台形の形はカパっとひっくり返して出しやすいように。と、端の方に空気がたまらない最適な形が台形。だそうです。
考え抜かれた形なんですね〜